まず1つ目の、「信頼できるウェブサイト、SNSなどを構築する」について、どのようなことが必要でしょうか。
企業担当者がウェブサイトなどを制作する際、一番注力をする点は、魅力あるコンテンツ作りです。確かにマーケティングの観点では重要ですが、ブランド保護の観点では、コンテンツは重要ではありません。発信者を明確にすることが重要になってきます。
ウェブサイトで発信者を明確にできる項目は、SSLとドメインしかありません。SSLを利用しているウェブサイトでは、URL(http://〇〇.jpなど)表記の横にある鍵のマークがあります。SSLには、通信の暗号化と情報発信者の特定という機能があります。信頼できるウェブサイトを運営する上は、情報発信者の特定機能を上手に利用することがポイントです。
しかし、すべてのSSLに情報発信者を特定する機能がついているわけではありません。SSLには、ドメイン認証SSL、企業認証SSL、EVSSLの3種類のSSLがあり、企業認証SSL、EVSSLにだけ情報発信者を特定する機能がついています。具体的に、見てみましょう。
企業担当者がウェブサイトなどを制作する際、一番注力をする点は、魅力あるコンテンツ作りです。確かにマーケティングの観点では重要ですが、ブランド保護の観点では、コンテンツは重要ではありません。発信者を明確にすることが重要になってきます。
ウェブサイトで発信者を明確にできる項目は、SSLとドメインしかありません。SSLを利用しているウェブサイトでは、URL(http://〇〇.jpなど)表記の横にある鍵のマークがあります。SSLには、通信の暗号化と情報発信者の特定という機能があります。信頼できるウェブサイトを運営する上は、情報発信者の特定機能を上手に利用することがポイントです。
しかし、すべてのSSLに情報発信者を特定する機能がついているわけではありません。SSLには、ドメイン認証SSL、企業認証SSL、EVSSLの3種類のSSLがあり、企業認証SSL、EVSSLにだけ情報発信者を特定する機能がついています。具体的に、見てみましょう。
ドメイン認証SSL(写真左)、EVSSL(写真右)
写真左のドメイン認証SSLの場合は、ドメイン情報しかないため、情報発信者は不明です。一方、写真右のEVSSLの場合、GMO GlobalSign, Inc.が、www.globalsign.comを運営しているとが分かります。
一方ドメインについては、ドメイン名だけでは発信者を明確にしにくくなっています。2018年5月に施行された「EU一般データ保護規則(GDPR)」により、WHOIS(ドメイン所有者を検索するツール)に記載される情報が個人情報にあたり秘匿化されたため、発信者特定がさらに難しくなりました。
したがって、ユーザーが想起しやすい文字列(例:ブランドと完全に一致する文字列)を利用することが肝要です。
一部の大企業では、ブランド保護のレベルを上げるために、.com .jpに並ぶプライベートなトップレベルドメイン(例:.gmo .sony .toyota)を活用しているケースもあります。
プライベートなトップレベルドメインでは、そのトップレベルドメインを所有する企業のみが、ドメインを登録できるできる点が特徴です。例えば、.sonyは、ソニーグループしか利用できないのです。
こうしたプライベートなトップレベルドメインは、2015年ごろから目にするようになったため、ユーザーの認知度はまだ高くありませんが、企業が今後さらに活用することで、ドメインから発信者を確認できるため、ユーザが安心してサイトを利用できると期待されています。
さらに、SNSについていえば、サムネイルやプロフィール等の内容に統一性を持たせてることに加え、信頼できるブランド同士で相互にアカウントをフォローすることが、ブランドに対するユーザーの安心につながります。現在、各SNS事業者から公式アカウントとして認定を得ることは非常に苦労する状況ですので、手軽に行える相互フォローでブランド間の信用醸成を図ることをお勧めします。
信頼できるウェブサイトやSNSなどを構築できた後は、“ドメイン”や“SNSのアカウント”といったオンライン上のブランド資産は、一元管理しておきます。
キャンペーンなどの終了後にドメインをすぐ捨ててしまったために、そのドメインがアダルトサイトや競合サイトに変わっているケースは今でもよくあります。ブランドイメージに影響を与えるような状況は避けておくことが必要です。
一方ドメインについては、ドメイン名だけでは発信者を明確にしにくくなっています。2018年5月に施行された「EU一般データ保護規則(GDPR)」により、WHOIS(ドメイン所有者を検索するツール)に記載される情報が個人情報にあたり秘匿化されたため、発信者特定がさらに難しくなりました。
したがって、ユーザーが想起しやすい文字列(例:ブランドと完全に一致する文字列)を利用することが肝要です。
一部の大企業では、ブランド保護のレベルを上げるために、.com .jpに並ぶプライベートなトップレベルドメイン(例:.gmo .sony .toyota)を活用しているケースもあります。
プライベートなトップレベルドメインでは、そのトップレベルドメインを所有する企業のみが、ドメインを登録できるできる点が特徴です。例えば、.sonyは、ソニーグループしか利用できないのです。
こうしたプライベートなトップレベルドメインは、2015年ごろから目にするようになったため、ユーザーの認知度はまだ高くありませんが、企業が今後さらに活用することで、ドメインから発信者を確認できるため、ユーザが安心してサイトを利用できると期待されています。
さらに、SNSについていえば、サムネイルやプロフィール等の内容に統一性を持たせてることに加え、信頼できるブランド同士で相互にアカウントをフォローすることが、ブランドに対するユーザーの安心につながります。現在、各SNS事業者から公式アカウントとして認定を得ることは非常に苦労する状況ですので、手軽に行える相互フォローでブランド間の信用醸成を図ることをお勧めします。
信頼できるウェブサイトやSNSなどを構築できた後は、“ドメイン”や“SNSのアカウント”といったオンライン上のブランド資産は、一元管理しておきます。
キャンペーンなどの終了後にドメインをすぐ捨ててしまったために、そのドメインがアダルトサイトや競合サイトに変わっているケースは今でもよくあります。ブランドイメージに影響を与えるような状況は避けておくことが必要です。
GMOブランドセキュリティのドメイン情報の一元管理システム「BRANTECT」は、ドメイン登録情報に加え、ウェブサイトのリスクステータスや監視状況などを管理可能
次に、「自ブランドをフリーライド、毀損するサイトやSNSなどを監視し、侵害行為を排除する」についてですが、正しい情報発信の場を構築しただけでは、ブランドのフリーライドや毀損のリスクからブランドを守ることはできません。
ブランドの侵害状況を定期的に監視するサービスなどを利用して、ブランドをかたったサイトやSNS上でのフリーライドや毀損行為を監視することをお勧めします。また監視に留まらず、ブランドの侵害を排除することも合わせて行うことが必要です。
ブランドの侵害を排除する方法は、侵害のケースにもよりますが、サイトの場合は、サイト運営者、ドメインネームの所有者、ウェブコンテンツを格納しているホスティング会社を中心に警告していきます。
ECサイト、SNSのようなプラットフォームの場合は、運営社やプラットフォーマーが提供するフォームに従って警告を行います。プラットフォーマーによっては、侵害された自社の権利を証明するために、商標登録書などの書類を求められる場合もあります。
侵害があった場合に、悪意のあるサイトやアカウントの削除を依頼する相手は、インターネットサービスプロバイダーやSNS事業者ですが、事業者の方々は、ブランドのフリーライドや毀損といった行為に対して、好意的に対応をしてくれることがほとんどです。
ブランドの侵害状況を定期的に監視するサービスなどを利用して、ブランドをかたったサイトやSNS上でのフリーライドや毀損行為を監視することをお勧めします。また監視に留まらず、ブランドの侵害を排除することも合わせて行うことが必要です。
ブランドの侵害を排除する方法は、侵害のケースにもよりますが、サイトの場合は、サイト運営者、ドメインネームの所有者、ウェブコンテンツを格納しているホスティング会社を中心に警告していきます。
ECサイト、SNSのようなプラットフォームの場合は、運営社やプラットフォーマーが提供するフォームに従って警告を行います。プラットフォーマーによっては、侵害された自社の権利を証明するために、商標登録書などの書類を求められる場合もあります。
侵害があった場合に、悪意のあるサイトやアカウントの削除を依頼する相手は、インターネットサービスプロバイダーやSNS事業者ですが、事業者の方々は、ブランドのフリーライドや毀損といった行為に対して、好意的に対応をしてくれることがほとんどです。
GMOブランドセキュリティのブランド侵害監視サービス「ブランドモニタリングサービス」は、ウェブ、ECサイト、SNS上を定期監視し、ブランド侵害の検出から排除までをシステム上で実施可能。画像は、ブランドモニタリングサービスのダッシュボード画面
侵害行為は、ブランドの有名度に比例して増えていきますが、侵害が少なければ放置してよいわけではありません。侵害の数が少なかったり、侵害の度合いが少ないうちに、対処することで被害を最小化できるほか、悪質な第三者のターゲットが、違うブランドに向く可能性も大いにあります。
ブランドを正しく発信するために、サイトやアカウント情報を管理し、第三者からのブランド毀損がないか監視する活動には、マーケティング、情報システム、法律といった、複数の視点が必要となります。つまり、ブランド保護は一部門ではできない活動なため、関係する部門が相互に連携し合って、部門を超えた組織またはプロジェクトの立ち上げが必要です。
ブランドは、人、物、金、情報の次に重要な経営資源ですので、それを適切に管理するための予算を、全社としてどのように確保するのかも非常に大事なテーマとなってきます。
ブランドを正しく発信するために、サイトやアカウント情報を管理し、第三者からのブランド毀損がないか監視する活動には、マーケティング、情報システム、法律といった、複数の視点が必要となります。つまり、ブランド保護は一部門ではできない活動なため、関係する部門が相互に連携し合って、部門を超えた組織またはプロジェクトの立ち上げが必要です。
ブランドは、人、物、金、情報の次に重要な経営資源ですので、それを適切に管理するための予算を、全社としてどのように確保するのかも非常に大事なテーマとなってきます。
ブランド保護をできるところから実践
コロナ禍をきっかけに、世の中はリアルの対面からオンラインに大きくシフトしました。そうした中、ブランド力を活かしたメッセージの発信やマーケティングは、経営戦略においても非常に重要になっています。ブランド力を下げるような悪質な第三者に対する適切に対応は、ブランド保護の観点、さらにはブランドの価値を最大化の意味でも重要です。
ブランド保護をするポイントは4つありましたが、まずは守るべき対象ブランドを決定し、適正な情報発信を行い、ポートフォリオを管理することが大切です。その上で、ブランド力にタダ乗り、毀損しようとする第三者への対策を行っていくことが理想です。
強いブランドが企業にもたらす恩恵は絶大ですが、その価値は一瞬で失墜することもあります。ブランド1つを育成するまでに、膨大な時間とリソースを割いていることを認識し、ブランドの悪用や毀損を未然に防止していきましょう。
◆すべてのブランドにセキュリティを「GMOブランドセキュリティ」
https://brandsecurity.gmo/
ブランド保護をするポイントは4つありましたが、まずは守るべき対象ブランドを決定し、適正な情報発信を行い、ポートフォリオを管理することが大切です。その上で、ブランド力にタダ乗り、毀損しようとする第三者への対策を行っていくことが理想です。
強いブランドが企業にもたらす恩恵は絶大ですが、その価値は一瞬で失墜することもあります。ブランド1つを育成するまでに、膨大な時間とリソースを割いていることを認識し、ブランドの悪用や毀損を未然に防止していきましょう。
◆すべてのブランドにセキュリティを「GMOブランドセキュリティ」
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GMOブランドセキュリティ 寺地裕樹
GMOブランドセキュリティ マーケティング&サービスストラテジ本部 本部長