写真とカメラアプリも再構成、Appleらしい“シンプルへの回帰”
リキッドガラス以外にも、iOS 26では見逃せないアップデートがあります。
まず写真アプリでは、廃止されたタブバーが復活します。iOS 18のアップデートで、すべての写真と動画をひとつの画面にまとめる大胆な刷新が行われましたが、復活の要望を受けて、再びライブラリとコレクションに分割されることになります。
● ライブラリ:iPhoneで撮影および保存したすべての写真と動画を確認できるスペース
● コレクション:ライブラリの写真と動画を、アルバムやお気に入り、スクリーンショットなど、種類ごとに表示できるスペース
また、検索ボタンが画面下部に移動し、片手操作でも指が届きやすくなるなど、操作性も大きく向上しています。
まず写真アプリでは、廃止されたタブバーが復活します。iOS 18のアップデートで、すべての写真と動画をひとつの画面にまとめる大胆な刷新が行われましたが、復活の要望を受けて、再びライブラリとコレクションに分割されることになります。
● ライブラリ:iPhoneで撮影および保存したすべての写真と動画を確認できるスペース
● コレクション:ライブラリの写真と動画を、アルバムやお気に入り、スクリーンショットなど、種類ごとに表示できるスペース
また、検索ボタンが画面下部に移動し、片手操作でも指が届きやすくなるなど、操作性も大きく向上しています。

ライブラリとコレクションタブが復活した写真アプリ
カメラアプリにも、大胆な変更が加えられています。
まずアプリアイコンがまったく新しくなりました。ただしSNS上の反応を見る限り、評価はあまりよくないようです。筆者としても従来のフラットなアイコンデザインの方が親しみやすくて好印象でした。今回のアイコン変更はリキッドガラスによる“ガラス素材の重なり”を表現するためのもので、フラットな旧デザインとは相性が悪かったのかもしれません。
まずアプリアイコンがまったく新しくなりました。ただしSNS上の反応を見る限り、評価はあまりよくないようです。筆者としても従来のフラットなアイコンデザインの方が親しみやすくて好印象でした。今回のアイコン変更はリキッドガラスによる“ガラス素材の重なり”を表現するためのもので、フラットな旧デザインとは相性が悪かったのかもしれません。

カメラアプリ起動後のユーザーインターフェースも変更。撮影モードがビデオと写真の2つだけに見えるシンプルな構成になります。
とはいえ、ポートレートやスローモーションなどの撮影モードが廃止されたわけではなく、画面を左右にスワイプすることで切り替えできます。
とはいえ、ポートレートやスローモーションなどの撮影モードが廃止されたわけではなく、画面を左右にスワイプすることで切り替えできます。

新しいカメラアプリのUI
また、露出やLivephotosのオン/オフを切り替えるためのメニューも、画面をスワイプアップして表示します。

設定メニューもリキッドガラスで新たな見た目に
Appleいわく、現行のカメラアプリには優れた機能が多く、それ故、逆に急いで撮りたいときに操作に手間取ってしまうことがあるとのこと。iOS 26では、本当に必要な機能だけを前面に出すことで、初めてiPhoneを手にした人でも迷わず撮れることを目指しているのかもしれません。
迷惑電話や詐欺電話対策など電話機能が強化、Apple Musicやマップにも新機能
電話アプリでは、最近増えているロボコールによる迷惑電話や詐欺電話への対策に便利な「着信スクリーニング」が追加されます。
これは連絡先に登録がない番号から電話があるとライブ留守番電話につながり、そこで相手が名前や用件を伝えると着信画面に通話内容が表示されて、電話を取るか無視するかを判断できるというもの。
また、こちらからコールセンターなどへ電話をかけ、長時間保留で待たされるような状況では、オペレーターが電話に出たときに通知してくれる「保留アシスト」が提供されます。
これは連絡先に登録がない番号から電話があるとライブ留守番電話につながり、そこで相手が名前や用件を伝えると着信画面に通話内容が表示されて、電話を取るか無視するかを判断できるというもの。
また、こちらからコールセンターなどへ電話をかけ、長時間保留で待たされるような状況では、オペレーターが電話に出たときに通知してくれる「保留アシスト」が提供されます。

着信画面に表示されるライブ留守番電話の内容を確認してから、電話を取る判断ができる
Apple Musicには歌詞の翻訳機能が追加され、洋楽でも歌詞の意味を理解しながら試聴が可能に。カラオケで歌いたいけど、この歌詞どう発音したらいいの? ということがよくありますが、これを解決する歌詞の発音ガイドも導入されます。

歌詞の翻訳機能
マップアプリには、自分が訪れた場所を自動で記録して、あとで思い出として振り返れる機能や、通学路や通勤経路を学習して、遅延があると別の経路を提案する新機能が追加されます。

訪れた場所がマップアプリに自動で記録される
Apple Intelligenceは小さな進化、Siriのエージェント化に期待したいところ
2024年のWWDCでは、Apple Intelligenceの登場とともに、AppleのAIに対するビジョンが明確になりました。
すでにある機能をさらに良くするだけではなく、iPhoneの使い方そのものを変えてしまうような新しい体験が示され、なかでもSiriの進化は「これこそ、Siriが登場したときに多くの人が思い描いていた未来だ」と感じさせるものでした。
▼Apple Intelligenceで強化されるSiri
● オンスクリーン認識:画面の内容を認識して、Siriがアクションを実行
● パーソナルコンテクストの認識:知りたい情報がどこにあるのか思い出せなくても、Siriが教えてくれる
● アプリ内やアプリ間でアクションを実行:指一本動かすことなく、アプリの操作をSiriが代行する
しかし、これらの機能は発表から1年経った今も提供されていません。Appleは「品質基準を満たすには時間が必要」と説明しています。
今年のWWDCで発表されたApple Intelligenceの新機能は、昨年ほどの大きなインパクトはなく、他社を追うだけの内容といった印象を受けました。
いずれも便利ではありますが、SamsungやGoogleがすでに提供しているものです。
● メッセージ、FaceTime、電話アプリでのライブ翻訳
● ビジュアルインテリジェンスがiPhoneの画面認識に対応
→SNSなどで気になった服をビジュアル検索して似たものを見つけられるように
→画面に表示されたイベント情報を読み取り、カレンダーに登録できる
→ChatGPTに画像について質問することも可能に
すでにある機能をさらに良くするだけではなく、iPhoneの使い方そのものを変えてしまうような新しい体験が示され、なかでもSiriの進化は「これこそ、Siriが登場したときに多くの人が思い描いていた未来だ」と感じさせるものでした。
▼Apple Intelligenceで強化されるSiri
● オンスクリーン認識:画面の内容を認識して、Siriがアクションを実行
● パーソナルコンテクストの認識:知りたい情報がどこにあるのか思い出せなくても、Siriが教えてくれる
● アプリ内やアプリ間でアクションを実行:指一本動かすことなく、アプリの操作をSiriが代行する
しかし、これらの機能は発表から1年経った今も提供されていません。Appleは「品質基準を満たすには時間が必要」と説明しています。
今年のWWDCで発表されたApple Intelligenceの新機能は、昨年ほどの大きなインパクトはなく、他社を追うだけの内容といった印象を受けました。
いずれも便利ではありますが、SamsungやGoogleがすでに提供しているものです。
● メッセージ、FaceTime、電話アプリでのライブ翻訳
● ビジュアルインテリジェンスがiPhoneの画面認識に対応
→SNSなどで気になった服をビジュアル検索して似たものを見つけられるように
→画面に表示されたイベント情報を読み取り、カレンダーに登録できる
→ChatGPTに画像について質問することも可能に

メッセージ、FaceTime、電話アプリのライブ翻訳機能
そんななか、最も大きな発表は、Apple IntelligenceのオンデバイスAIに開発者がアクセスできるAPIの提供でした。
例えば教育アプリ「Kahoot!」ではこのAPIを活用して、ユーザーが授業ノートをカメラで撮影すると、AIがノートの内容に基づいて問題文を生成して、テスト勉強の効率を高められるような機能を追加しています。
例えば教育アプリ「Kahoot!」ではこのAPIを活用して、ユーザーが授業ノートをカメラで撮影すると、AIがノートの内容に基づいて問題文を生成して、テスト勉強の効率を高められるような機能を追加しています。

ノートを撮影すると内容に応じた問題文を作ってくれる
ここで重要なのは、クラウドAIを利用せず、すべてオンデバイスAIで完結するという点。開発者はクラウドAIのコストを気にせず、高度なAIを手軽にアプリへ組み込めます。一方ユーザーもデータを開発者側のクラウドへ提供せずにサービスを利用可能。プライバシー面の不安もないため、開発者・利用者双方にとって導入しやすく、Apple Intelligenceが毎日利用するアプリに“当たり前のように溶け込んでいく”未来も見えてきました。
こうしてApple Intelligenceが日常的なアプリへと浸透していく先で期待したいのが、Siriのチャットボット機能の性能アップ。つまり、ChatGPTやGeminiのように、Siriと自然で連続的な会話ができるAIアシスタントへと進化することです。
現在のSiriも短時間の会話であれば、文脈をある程度理解できます。ただし、会話が一度途切れてSiriを再度呼び出した場合、以前のやり取りを引き継ぐことはできません。
もし、Siriが過去の会話を記憶して、文脈を理解できるようになれば、わざわざiPhoneでChatGPTやGeminiを起動しなくても、「前に調べたレストランを予約しておいて」と話しかけるだけでSiriが自動で予約を行い、カレンダーにイベントを追加するといったことも将来的には可能になるかもしれません。
もうひとつ注目したいのは、Appleによる初期段階の買収協議の報道が出た、AI検索サービス「Perplexity」の統合です。
もし買収が実現すれば、Appleは自社製のAI検索機能を持つことになり、Siriへの統合も視野に入ってくるでしょう。そうなれば、SafariやChatGPTを経由せず、Siriに「次の連休におすすめのスポットは?」「次のオリンピックで人気になりそうな競技を教えて」といった質問に答えてもらうことも可能になるかもしれません。
こうしてApple Intelligenceが日常的なアプリへと浸透していく先で期待したいのが、Siriのチャットボット機能の性能アップ。つまり、ChatGPTやGeminiのように、Siriと自然で連続的な会話ができるAIアシスタントへと進化することです。
現在のSiriも短時間の会話であれば、文脈をある程度理解できます。ただし、会話が一度途切れてSiriを再度呼び出した場合、以前のやり取りを引き継ぐことはできません。
もし、Siriが過去の会話を記憶して、文脈を理解できるようになれば、わざわざiPhoneでChatGPTやGeminiを起動しなくても、「前に調べたレストランを予約しておいて」と話しかけるだけでSiriが自動で予約を行い、カレンダーにイベントを追加するといったことも将来的には可能になるかもしれません。
もうひとつ注目したいのは、Appleによる初期段階の買収協議の報道が出た、AI検索サービス「Perplexity」の統合です。
もし買収が実現すれば、Appleは自社製のAI検索機能を持つことになり、Siriへの統合も視野に入ってくるでしょう。そうなれば、SafariやChatGPTを経由せず、Siriに「次の連休におすすめのスポットは?」「次のオリンピックで人気になりそうな競技を教えて」といった質問に答えてもらうことも可能になるかもしれません。
いよいよパブリックベータ版が公開、対応機種はiPhone 11以降に
iOS 26は、今年の秋に正式リリースされる予定で、現在は開発者向けベータ版が配信中。7月には、一般ユーザーも試せるパブリックベータ版が登場します。
今回のアップデートでは、iPhone 11以降が対応機種となり、iPhone XS / XS Max / XRは対象外となった点には注意が必要です。
また、注目のApple Intelligenceの機能は、iPhone 16シリーズおよびiPhone 15 Pro / 15 Pro Maxでのみ利用可能。これらのモデルを持っていない場合、Apple Intelligenceは利用できません。
デザインの刷新やApple Intelligenceの機能強化を含むiOS 26は、これからのiPhone体験をかたちづくる重要なアップデートとなりそうです。SNSでは大きな見た目の変更から不安の声も目にしますが、正式リリースまでにどこまで完成度を高められるか、今後の情報も注視したいところです。
今回のアップデートでは、iPhone 11以降が対応機種となり、iPhone XS / XS Max / XRは対象外となった点には注意が必要です。
また、注目のApple Intelligenceの機能は、iPhone 16シリーズおよびiPhone 15 Pro / 15 Pro Maxでのみ利用可能。これらのモデルを持っていない場合、Apple Intelligenceは利用できません。
デザインの刷新やApple Intelligenceの機能強化を含むiOS 26は、これからのiPhone体験をかたちづくる重要なアップデートとなりそうです。SNSでは大きな見た目の変更から不安の声も目にしますが、正式リリースまでにどこまで完成度を高められるか、今後の情報も注視したいところです。

坂倉 優介
ブログメディア運営
スマートフォンやタブレット、アプリ、サービス、アクセサリを総合的に取り扱うブログメディア「携帯総合研究所」を運営。高校生時代に立ち上げて15年以上が経過しました。エンジニアの経験を活かして、大手キャリア4社の機種代金や月額料金を比較できる料金シミュレーターも開発しています。