新聞紙9枚で本当においしいご飯が炊けるのか、半信半疑で検証スタート
「魔法のかまどごはん」はタイガー魔法瓶のオンラインストアで予約受付中。発送は2023年12月下旬以降を予定
試して驚き! 「魔法のかまどごはん」で炊いたご飯は絶品だった
魔法瓶や炊飯器で知られる、日本の代表的な家電メーカーのひとつ「タイガー魔法瓶」。同社は2023年2月に創立100年を迎え、それを記念する製品が複数発売されました。その中でも異彩を放っていたのが、この「魔法のかまどごはん KMD-A100」(以下「魔法のかまどごはん」)です。
「魔法のかまどごはん」は、1970年に電気炊飯ジャー「炊きたて」を発売して以来50年以上も炊飯器を製造販売しているタイガー魔法瓶が、“新聞紙”を燃料にご飯が炊ける炊飯調理器として発表した製品です。
WEB限定商品として一般販売され、価格は同社のオンラインストアで1万9800円。発売日は10月20日で、現在はオンラインストアで予約注文を受付中となっており、発送は2023年12月下旬が予定されています。
「魔法のかまどごはん」は新聞紙を燃料としているため、キャンプはもちろん災害などの非常時にも便利と紹介されているのですが、キャンプグッズのレビューを多くしている筆者としては、本当に新聞紙でおいしいご飯が炊けるのか? と非常に気になりました。
そこで、タイガー魔法瓶からサンプル版を貸し出してもらい、実際に「魔法のかまどごはん」で新聞紙での炊飯にチャレンジ。結論から言うと「ぜひ一度、だまされたと思ってみなさんに試してほしい!」と思うほどにおいしいご飯が炊き上がりました。本当に驚くくらいで、50年以上も炊飯を研究してきたタイガー魔法瓶の本気を感じました。
「炊飯」を極めてきたタイガー魔法瓶が創立100周年記念モデルとして発売する炊飯器を「本当においしくご飯が炊けるの?」と思うこと自体が愚問ともいえるのですが、その計算され尽くした炊飯手順を含め、実際の炊飯の様子などを紹介していきたいと思います。
「魔法のかまどごはん」は、1970年に電気炊飯ジャー「炊きたて」を発売して以来50年以上も炊飯器を製造販売しているタイガー魔法瓶が、“新聞紙”を燃料にご飯が炊ける炊飯調理器として発表した製品です。
WEB限定商品として一般販売され、価格は同社のオンラインストアで1万9800円。発売日は10月20日で、現在はオンラインストアで予約注文を受付中となっており、発送は2023年12月下旬が予定されています。
「魔法のかまどごはん」は新聞紙を燃料としているため、キャンプはもちろん災害などの非常時にも便利と紹介されているのですが、キャンプグッズのレビューを多くしている筆者としては、本当に新聞紙でおいしいご飯が炊けるのか? と非常に気になりました。
そこで、タイガー魔法瓶からサンプル版を貸し出してもらい、実際に「魔法のかまどごはん」で新聞紙での炊飯にチャレンジ。結論から言うと「ぜひ一度、だまされたと思ってみなさんに試してほしい!」と思うほどにおいしいご飯が炊き上がりました。本当に驚くくらいで、50年以上も炊飯を研究してきたタイガー魔法瓶の本気を感じました。
「炊飯」を極めてきたタイガー魔法瓶が創立100周年記念モデルとして発売する炊飯器を「本当においしくご飯が炊けるの?」と思うこと自体が愚問ともいえるのですが、その計算され尽くした炊飯手順を含め、実際の炊飯の様子などを紹介していきたいと思います。
「魔法のかまどごはん」で実際に炊いてみた
写真で試用しているのはサンプル版のため、釜の内側に目盛りがありませんが、製品版では水位線が入るので、お米と水の分量調整も簡単になり、さらに失敗しない炊飯器になるでしょう
まずは十分に米に吸水させる
「魔法のかまどごはん」の製品版では釜に水位線などが入るので、それに従って米と水を入れればOK。今回使用したサンプル版は水位線がなかったので、別途規定量を計量しましたが、釜の中に正確な分量のお米と水を入れたら、夏場で30分以上、冬場なら40分以上を目安に、水に浸して吸水させます。
新聞紙をねじって燃料にする
一般的なブランケット判の新聞紙なら半分に切って対角線に折ってから、潰して、半分に折ってねじります
お米を吸水させている間に「魔法のかまどごはん」の燃料となる新聞紙を用意します。ちなみに筆者は新聞の定期購読をしていないので、古新聞を知人に分けてもらうところからスタートしました。
「魔法のかまどごはん」で3合のお米を炊くためには、一般的なブランケット判(見開きサイズ約546×812mm)の新聞紙が9枚必要になります。駅売りの夕刊紙でよく見るタブロイド判は、朝刊の約半分の546×406mmサイズなので、18枚必要になります。ページ数でいうとブランケット判で36P。新聞社によっても違うでしょうが、筆者の住んでいる地域の朝刊ではわずかにページ数が足りず、3合を炊くためには朝刊2日分の古新聞が必要でした。
また、1合から5合までの白米を「魔法のかまどごはん」で炊くために必要なブランケット判新聞紙の枚数と炊飯完了までに必要な時間の目安は下記のとおりです。
「魔法のかまどごはん」で3合のお米を炊くためには、一般的なブランケット判(見開きサイズ約546×812mm)の新聞紙が9枚必要になります。駅売りの夕刊紙でよく見るタブロイド判は、朝刊の約半分の546×406mmサイズなので、18枚必要になります。ページ数でいうとブランケット判で36P。新聞社によっても違うでしょうが、筆者の住んでいる地域の朝刊ではわずかにページ数が足りず、3合を炊くためには朝刊2日分の古新聞が必要でした。
また、1合から5合までの白米を「魔法のかまどごはん」で炊くために必要なブランケット判新聞紙の枚数と炊飯完了までに必要な時間の目安は下記のとおりです。
炊飯容量/ | 新聞紙 合計枚数/ | 炊飯完了時間の目安 |
---|---|---|
1合 | 6枚 | 28分 |
2合 | 7.5枚 | 31分 |
3合 | 9枚 | 34分 |
4合 | 10枚 | 36分 |
5合 | 11枚 | 40分 |
※炊き込みご飯の場合は必要に応じて新聞紙を1〜2枚追加
※冬季など気温や水温が低い場合は新聞紙を1/2枚追加
※冬季など気温や水温が低い場合は新聞紙を1/2枚追加
5合でもブランケット判新聞紙が11枚あれば、ご飯が炊けてしまう仕組みです。
用意した新聞紙はブランケット判であれば、タブロイド判サイズ(約546×406mm)に切り裂いて、対角線上に半分に折り、折り面を下にした状態で潰し、さらに半分に畳んで軽くねじって約15cmの棒状にします。潰しすぎると燃えにくくなるので、あまり強くねじり潰さないのがポイントです。
3合のご飯を炊くのであれば、この棒状にねじり潰した新聞紙の燃料を18本作る必要があります。
用意した新聞紙はブランケット判であれば、タブロイド判サイズ(約546×406mm)に切り裂いて、対角線上に半分に折り、折り面を下にした状態で潰し、さらに半分に畳んで軽くねじって約15cmの棒状にします。潰しすぎると燃えにくくなるので、あまり強くねじり潰さないのがポイントです。
3合のご飯を炊くのであれば、この棒状にねじり潰した新聞紙の燃料を18本作る必要があります。
3合分の炊飯燃料として棒状にねじり潰した新聞紙。慣れてしまえば、かなり簡単に用意できるでしょう
最初は1分半おきに、後半は1分おきに新聞紙の燃料をかまどにくべる
火傷防止のためにもアウトドア用のレザーグローブを使用しましょう。キャプテンスタッグの「アウトドア ソフトレザーグローブ」はやわらかくておすすめです
「魔法のかまどごはん」は、屋外のレンガやコンクリートブロックなど耐熱性の高い安定した場所に、水平に設置します。筆者は焚き火台の上に耐熱温度約700度のキャプテンスタッグ「焚火 シート80×80cm」を敷いた上に「魔法のかまどごはん」を設置しました。
「魔法のかまどごはん」は下からかまど、すのこ網、五徳、釜、ふたをしっかりとマニュアルどおりに設置し、十分な時間浸水させたお米と水が入った状態になっています。このかまどの前面にある2つの投入口へ、燃料となる棒状に丸めた新聞紙を左右交互に入れて炊飯を行います。
右側の投入口に燃料となる新聞紙を1つ入れたら、新聞紙がかまどからはみ出していないことを確認して点火棒などで新聞紙の手前側に火を着けます。このとき乾いた厚い軍手や革手袋などをして作業を行います。筆者は焚き火などの作業をする際はキャプテンスタッグの「アウトドア ソフトレザーグローブ」を使っています。レザーグローブをするだけで火傷やケガの確率は格段に下がるので使用をおすすめします。
「魔法のかまどごはん」は下からかまど、すのこ網、五徳、釜、ふたをしっかりとマニュアルどおりに設置し、十分な時間浸水させたお米と水が入った状態になっています。このかまどの前面にある2つの投入口へ、燃料となる棒状に丸めた新聞紙を左右交互に入れて炊飯を行います。
右側の投入口に燃料となる新聞紙を1つ入れたら、新聞紙がかまどからはみ出していないことを確認して点火棒などで新聞紙の手前側に火を着けます。このとき乾いた厚い軍手や革手袋などをして作業を行います。筆者は焚き火などの作業をする際はキャプテンスタッグの「アウトドア ソフトレザーグローブ」を使っています。レザーグローブをするだけで火傷やケガの確率は格段に下がるので使用をおすすめします。
スマートフォンのストップウォッチ機能などでしっかりと時間を管理するのがポイント。マニュアルに従えば、ほぼ失敗しないはずです
火が着いたらスマートフォンのストップウォッチなどを使って時間を計り始めます。最初は0分、次は1分半後に左の投入口へ棒状にした新聞紙を入れて火を着けます。そこからは3分(右)、4分半(左)、6分(右)、7分半(左)、9分(右)と1分半ごとに新聞紙を投入し火を着けます。9分以降は19分まで1分おきに新聞紙を左右交互に投入しては火を着ける作業を繰り返します。
この際に新聞紙の投入間隔が50秒を切ると、新聞紙が燃え残る原因になるので注意が必要だといいます。単調ですが厳密な炊飯手順です。19分目の新聞紙を投入したら、そこから10分待ち、29分に最後の蒸らし用新聞紙を入れて火を着けたら、そこからさらに約5分蒸らして約34分で炊飯は終了です。
かなり厳密なタイミングで燃料である新聞紙を投入しなくてはいけない点を除けば、非常に簡単な作業で「魔法のかまどごはん」での炊飯は完了します。筆者が実際に炊飯を行った際には派手に吹きこぼれたり、大量の水蒸気が上がったりすることもなく、非常に粛々と炊飯が行われた印象です。
この際に新聞紙の投入間隔が50秒を切ると、新聞紙が燃え残る原因になるので注意が必要だといいます。単調ですが厳密な炊飯手順です。19分目の新聞紙を投入したら、そこから10分待ち、29分に最後の蒸らし用新聞紙を入れて火を着けたら、そこからさらに約5分蒸らして約34分で炊飯は終了です。
かなり厳密なタイミングで燃料である新聞紙を投入しなくてはいけない点を除けば、非常に簡単な作業で「魔法のかまどごはん」での炊飯は完了します。筆者が実際に炊飯を行った際には派手に吹きこぼれたり、大量の水蒸気が上がったりすることもなく、非常に粛々と炊飯が行われた印象です。
ご飯はすでに炊き上がった状態ですが、外観的に大きな変化はありません。当然、炎や煙はある程度出ますが、非常にスマートな印象です
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。