「今日が人生最後の日」の覚悟で挑む本気のAI活用——“みんなのできる”を目標にした社内のAI学習コミュニティ

i4U編集部

AIGMOインターネットグループSpeciali4U業務効率化

「できる人」は、実はもっといた

——今は、パクさんがいなくても誰かが開発できる状況なのですか。

はい。2年前と今とでは状況が大きく異なります。

2年前は、当時使っていたGAS(Google Apps Script)の自動転記ツールが私の休んでいる間に不具合が起きてしまっても、誰も手を付けられなかったんです。使い方は他の人にも説明してあったはずですが、1人になるとわからなくなってしまったようで……。

今は、その頃の失敗を踏まえてみなさん準備をしているし、そもそも生成AIを使えば状況把握や対処方法がわかる。当時とはまったく違います。AIがない生活は、もう考えられないですね。

——非エンジニアを対象にした、Chrome拡張機能をテーマにした社内コンテストも開催したそうですね。

正直、最初は参加者が集まるか不安でした。でも実際には6チームが参加して、レベルも想像以上に高かった。

今まで多くを発信していたわけではない、控えめな人が、2〜3日で実務レベルのものを作ってきたんです。「できるじゃん」と、本当に驚きました。コンテストに参加したうちの5チームは、すでに作ったツールを業務で運用しています。

しかもイベントで「ここはもっとこうしたほうがいいかも」などとフィードバックをしたら、イベントはもう終わっていたのに、後日ちゃんと修正してくれたりして。作ることや、ツールをより良くする楽しさに気がついた人が多かったんでしょうね。

一過性のイベントで終わらず、「次も作りたい」という空気が生まれたのは、よかったです。何より、「自分たちの手で不便を解消できる」と実感できて、それが会社全体に新しい文化として根付き始めたのが、最大の成果だと思います。

——社内コンテストは今後も開催しますか。

しますよ! 他のグループ会社にも声をかけて開催したいですね。でも、どんなにレベルが上がっても、もちろん非エンジニアだけの大会にするつもりです。本業のエンジニアの皆さんはやっぱりすごいですから(笑)。

AIリスキリング講座の講師に

——パクさんは、GMOインターネットグループの人財育成プログラム「短期AI人財育成プログラム 虎の穴」(以下、虎の穴)でも講師を務めていますね。印象的だったことはありますか。

講師同士がとにかく積極的にフィードバックし合う雰囲気に刺激を感じました。改善点の指摘がとても多いし、誰も遠慮していない。「いい講座を作って、パートナーに提供したい」という気持ちがみんな強いんです。

自然と自分も頑張らないと、と思えました。プロメテウスの火が目指す理想にも近いので、参考にできないかなと思っています。

——「虎の穴」でパクさんが受け持ったのは「Chrome拡張機能」の開発でした。理由は。

Chromeは毎日使う必須ツールだからこそ、誰もが日々の業務で不便を感じています。それを自分の手で簡単に解決できると気づけたことが大きかったと思います。

開発と聞くと一見ハードルが高そうですが、生成AIを使えば驚くほど簡単に実現できます。その手軽さもアピールできたかなと思います。

AIを前に「あとでやろう」は無意味

——パクさんから見て、GMOインターネットグループのAI活用の強みはどこにあると思いますか。

先を見据えた目標設定と圧倒的なスピード感でしょうか。

一般的には、過去の情報は数年、数十年後にも役に立ちますよね。例えばネット上で個人が10年前に公開しているPythonコードは今でもそのまま使えることがよくあります。

ですが、AI業界の進歩はとても速く、たかが1〜2カ月ほど前の情報がすでに風化し、知識としてなんの役にも立たなくなることが多いです。1カ月前まで使えていたサービスが急に使えなくなることもあるし、Cursorはほぼ毎日アップデートがあります。AI関連の知識は、自分でずっと追いかけないといけません。一度習得したら終わりではない。スピード感のあるキャッチアップが本当に大切です。

数年前までは考えられなかった非エンジニアが自ら効率化を行うことが、すでに生成AIを通じてスタンダードになりつつあるので、全員がコーディングを行えるようになるのも、時間の問題でしょうね。

2027年にはChatGPTが5周年を迎えます。2年前くらいに、グループ内で虎の穴が始まったときに、共有されていた資料の最後のページで「これからは非エンジニアもAIを活用して業務効率化をするのが当たり前になる」と書かれていました。これにすごく共感したんです。

だから今の私の目標も、達成できているんじゃないかなと思います。

AIの進化の速さを日々感じているというパク氏は「近いうちに誰もがコーディングできるようになるはず」と力説する

スタートラインはまだ見えている

——最後に、生成AIやDXに一歩踏み出せない人にメッセージをお願いします。

まずはプライベートで自分のためだけに、自由にAIを使ってみてください。AIを触っているうちに「あ、これ面白いな」とか「こんなこともできるんだ」という発見が必ずあります。楽しみながら続けていくうちに、気づけばそれが仕事に生かせる武器になっているはずです。

2022年11月にChatGPTが登場したとき、私の人生はちょうど「どん底」の状態でした。つらいこともたくさんあった。そんなときにAIのニュースを見て、「これで自分の仕事がなくなるかも」と、ますますどん底な気分になりました。

でもチャンスだとも思いました。私の人生で、初めて、他のみんなと同じスタートラインに立っている気がした。現在もまだ、がんばればスタートラインが見えている状況です。やってみれば見返りは大きい。

だからどうか、そのスタートラインを離れないでください。そして心のハードルを下げて、挑戦してください。だっていつでも「今日は人生最後の日」、二度と戻らないかけがえのない1日なのだから。
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i4U編集部

i4U(アイ・フォー・ユー)は、新しい「情報」と「感動」と「笑顔」をお届けする、GMOインターネットグループのオウンドメディアです。有名メディアでの執筆・編集経験者による記事をお楽しみください。

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