makeshopの越境EC市場分析、導入店舗数や流通額など円安やインバウンド回復により加速

安蔵 靖志

ECGMOインターネットグループ調査・レポート
GMOインターネットグループGMOメイクショップは、ECサイト構築SaaS「makeshop byGMO」で提供している「海外販売機能」の利用データを基に、2022年4月から現在まで約1年間の越境ECの傾向を分析しました。

GMOメイクショップは加速する越境EC市場へ参入支援を強化するため、2022年3月に越境EC支援サービス「WorldShopping BIZ」を提供するジグザグと資本業務提携を行い、2022年4月から「makeshop byGMO」に「WorldShopping BIZ」を連携した「海外販売機能」の提供を開始しました。

提供開始から1年を経た2023年3月末には海外流通額が2億円を突破し、導入店舗数は1年間で約8倍に増加しました。今回はEC事業者の越境ECへの参入を後押しするため、集まったデータの分析結果を基に「越境EC市場のトピック」を発信することにしたとのことです。

越境EC市場のトピック

今回は導入店舗数、流通額、国別ランキング、カテゴリランキングなど、5つのトピックが発信されました。

「海外販売機能」提供開始1年で導入店舗数は8倍に増加

経済産業省「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2019年の世界の越境EC市場規模は7800億USドルと推計されており、それが2026年には4兆8200億USドルまで急拡大すると予測されています。

GMOメイクショップが2022年4月に「海外販売機能」の提供を開始したところ、海外販売の導入が簡単になったことや、円安傾向や外国人観光客の受け入れ再開によるインバウンドの回復から越境ECへの期待が高まったことで、提供開始から1年で「海外販売機能」の導入店舗数が約8倍に増加しました。

海外流通額は2億円を突破、海外注文の月商が100万円以上の店舗も増加

「海外販売機能」は、海外ユーザーからの注文をジグザグが代理購入する仕組みとなっています。海外向けの決済や配送、顧客対応の必要もなく、「makeshop byGMO」の管理画面から申し込みをするだけで越境ECを始めることができます。国内でのEC運営費以外に追加の費用負担がなく、手軽に始められるにもかかわらず、「海外販売機能」経由で月に数十万~100万円以上をコンスタントに売り上げるショップも出てきています。

「海外販売機能」の提供開始から約1年を経た2023年3月末時点では、累計の流通額が2億円を突破しました。インバウンドの回復から、日本の商品に対する海外からの注目はこれまで以上に高まることが予測されるため、2023年はさらなる成長が期待できます。

国別注文数・流通額ランキングトップ3はアメリカ、香港、台湾

国別の注文数と流通額のデータを見ると、「海外販売機能」提供開始当初の2022年4月~5月は、注文数が「1位:アメリカ」「2位:香港」「3位:台湾」の順で、流通額が「1位:香港」「2位:アメリカ」「3位:台湾」となっていました。

それが、2022年4月~2023年3月の1年間のデータでは、流通額・注文数ともに「1位:アメリカ」「2位:香港」「3位:台湾」に変化しました。構成比では、流通額のうち約35%、注文数のうち約30%をアメリカが占める結果となり、続く円安傾向の影響もあり、アメリカからの注文数・流通額がともに1位になったことが読み取れます。

「海外販売機能」の注文数・流通額ランキング

売れている商品カテゴリランキング1位は「ファッション・ブランド」

「海外販売機能」における2023年4月の商品カテゴリ別ランキングでは、「ファッション・ブランド」が1位となり、全体の約39.5%を占めています。次いで2位「おもちゃ・ホビー・ゲーム」が約13.3%、3位「家電・AV機器・カメラ」が約8.8%となっています。日本製の高級腕時計や、アニメやゲームの関連グッズなど海外にも多くのファンがいる商品は継続的に売れている傾向があります。

「海外販売機能」の商品カテゴリランキング

一方、国内の流通額では「ファッション・ブランド」に並ぶほど売り上げが高い「フード・菓子」ジャンルは、海外経由ではランキング下位となっています。

「フード・菓子」ジャンルの商品は、海外への発送では、常温保存が可能で賞味期限にも余裕がある商品でなければならないという食品独自の事情があるため、「海外販売機能」の導入数が少ないことが影響していると考えられます。

【参考記事】「MakeShop byGMO」、年間流通額3,000億円のデータからコロナ禍3年目のEC市場を分析

海外市場への期待が高まり、越境ECセミナーの申し込みは200人以上

越境EC支援を強化するため、GMOメイクショップとジグザグは共催で、越境ECにおける集客・売上獲得方法といったノウハウを、両社の社長が登壇するセミナーなどを通して提供してきました。共催セミナーはこれまでに計3回実施し、累計の参加申し込みは200人以上と、海外市場への期待の高さがうかがえます。

また自治体が越境EC支援に乗り出すケースも増えており、GMOメイクショップは、2023年5月より福岡市が募集を開始した「福岡市海外ECトライアル推進事業」にもパートナーとして参画しています。

GMOメイクショップは、今後もEC事業者の売上拡大をサポートするため、引き続き越境ECセミナーの企画や、無料で越境ECを始められる「海外販売機能」の導入促進に取り組んでいくとのことです。

『海外販売機能』利用ショップの声

実際に「海外販売機能」を利用しているショップの声を見てみましょう。

森美術館オンラインショップ」は、ミュージアムショップの店頭で販売している展覧会オリジナルグッズやアーティスト関連グッズなど、多彩なラインナップを求めやすい価格からプレミアムなアイテムまで、幅広く取りそろえるショップです。

「以前は、海外のお客様からのお問い合わせには個別に対応しておりましたが、お問い合わせが増えたことをきっかけに『海外販売機能』を導入いたしました。海外のお客様にスムーズにご購入いただけるようになり、さまざまな国のお客様からいただくお問い合わせにも対応をしてもらえるため、助かっています。また『海外販売機能』を利用されているお客様は、店舗に来店されるお客様と同様の国の方々であることも分かりました。特に、人気商品の再入荷などのタイミングで海外からの注文が増える傾向があり、継続的にご利用いただいています。

今後もオンラインショップの商品を通して、森美術館の展覧会で紹介している作家さんや作品が、より広く海外でも知っていただけるように、『海外販売機能』を活用していきたいと思います。



最近、インバウンド旅行者が増えた国内の観光地などを見ると、より日本的で“和”なテイストのある観光地に海外旅行者が多い傾向が分かります。日本人には当たり前の光景も、外国人には奇抜に見えたり、イメージしていた“日本らしさ”にひかれるのでしょう。商品においても、日本らしい和のテイストはもちろんのこと、「KAWAII(かわいい)」の発信地である日本らしいかわいさなども海外で“バズる”(ヒットする)可能性があります。

GMOメイクショップの「海外販売機能」は前出のように出品者にほとんど負担がかかりません。そのため、これを利用することでほとんど初期投資もせずに海外に販路を大きく広げられる可能性があります。

日本人と外国人はもちろん、海外在住の日本人でも国内在住の日本人とは大きく好みが異なる可能性があります。ですので、国内でヒットしている商品はもちろんのこと、伸び悩んでいる商品でも海外で大ヒットする可能性は十分にあります。これまで海外での販売をしていなかった店舗や企業の担当者は、販路を広げる際の情報収集に活用してみてはいかがでしょうか。

安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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