GMOリサーチは同社が運営する会員登録数約70万人のアンケートサイト「infoQ」にて、ふるさと納税の利用実態を調べるWebアンケートを2021年9月に実施し、「ふるさと納税徹底調査」として発表しました。
GMOリサーチ「ふるさと納税徹底調査」のWebサイト
ふるさと納税は、地方の活性化・財源の移譲を目的として2008年に始まった制度で、2021年には13周年を迎えました。ふるさと納税は「好きな自治体に寄附という形で申請し、当年分所得税や次年度の住民税が控除されることでお金が返って来る仕組み」でとなっており、「その差額2000円を負担する代わりに、自治体が用意した返礼品を受け取れる」というのが主な内容です。
「豪華な返礼品で得をした」という人もいれば、「仕組みがよく分からない」「メリットがよく分からない」「面倒くさい」など、その仕組みやメリット・デメリットなどが分からないために利用していない人もいることと思います。
こうしたことからinfoQでは2021年9月16日から9月19日にかけて、全国15~99歳の男女を対象にWebアンケート調査を実施し、2000の有効回答を得ました。ここから見えてくるふるさと納税の実体とはどういったものだったのでしょうか。
「豪華な返礼品で得をした」という人もいれば、「仕組みがよく分からない」「メリットがよく分からない」「面倒くさい」など、その仕組みやメリット・デメリットなどが分からないために利用していない人もいることと思います。
こうしたことからinfoQでは2021年9月16日から9月19日にかけて、全国15~99歳の男女を対象にWebアンケート調査を実施し、2000の有効回答を得ました。ここから見えてくるふるさと納税の実体とはどういったものだったのでしょうか。
ふるさと納税を利用したことのある人は約2割
ふるさと納税の経験や今後の意向について、「まだ1度も利用したことがなく、利用する予定もない」と答えた人が約73.1%と、全体の4分の3近くに上っていることが分かりました。「過去一度も寄附したことがないが、今年は寄附する(した)」という人を含めると、最近まで利用したことがなかった人は8割に達しています。
年代別で見た場合でも、年代による違いはほとんどなかったとのことです。ふるさと納税は、個人の意識や環境による影響が大きいのかもしれません。
年代別で見た場合でも、年代による違いはほとんどなかったとのことです。ふるさと納税は、個人の意識や環境による影響が大きいのかもしれません。
ふるさと納税の現状
ふるさと納税をしない理由については、「興味がないから」が22.6%、「面倒くさいから」が22.5%という意見が上位に挙がっています。
ふるさと納税をしない理由
ふるさと納税を利用するためには確定申告をするか、ワンストップ特例制度(会社員などの給与所得者で寄附先が1月~12月で5自治体以内に限る)の申請が必要になるため、簡単に利用できないというのは確かです。
「面倒なのと、最初はお金がかかるイメージがある」という回答もありました。1月~12月までに寄附として支払ってから、翌春の確定申告で控除が適用されるまでにはかなりのタイムラグがあることも、利用しにくい要因と言えるでしょう。
ふるさと納税をしない理由としては、続いて「難しそうだから」が約14.6%、「価格帯が高いから」が約12.1%、「どこから申し込んでいいかわからないから」が約5.6%、「返礼品に欲しいものがない(なさそうだ)から」が約4.7%と続きます。「難しそう」という声や、「控除される納税額がないため、したくてもできない」という声も多く出ていたとのことです。
「面倒なのと、最初はお金がかかるイメージがある」という回答もありました。1月~12月までに寄附として支払ってから、翌春の確定申告で控除が適用されるまでにはかなりのタイムラグがあることも、利用しにくい要因と言えるでしょう。
ふるさと納税をしない理由としては、続いて「難しそうだから」が約14.6%、「価格帯が高いから」が約12.1%、「どこから申し込んでいいかわからないから」が約5.6%、「返礼品に欲しいものがない(なさそうだ)から」が約4.7%と続きます。「難しそう」という声や、「控除される納税額がないため、したくてもできない」という声も多く出ていたとのことです。
ふるさと納税の魅力は「返礼品」にあり!?
ふるさと納税をする人の一番の理由を聞いたところ、20代・30代は「節税対策」の割合が高くなった一方で、その他の世代では「返礼品目的」の割合が最も高くなりました。
ふるさと納税の「一番の理由」
ふるさと納税は「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として創設された制度ですが、自己負担額の2000円を除いた全額が控除の対象になることから、返礼品や節税を目的として利用される人も多く、その実態を問題視されることもあります。
とはいえ、返礼品には地域を代表するような品物があるため、故郷や居住する自治体以外の自治体であっても、その地域をよりよく知るきっかけになるという側面もあります。
一方で、10代では約17.4%(10代のデータはサンプル数が少ないため参考値)や60代以上の年代では「出身地へ納税するため」といった理由の割合が比較的高くなっています(60代は約6.6%、70代以上は約9.7%)。故郷に貢献、もしくは応援したいなど、特定の地域に愛着がある方も一定数いるようです。
「ふるさと納税を始めた年」については、2015年以降に始めた人が多く、この年から一気に広がった感があります。2015年には、制度改正で先述の「ワンストップ特例制度」が創設され、控除される限度額が拡大されたという大きな変化がありました。これによってテレビや新聞などのメディアで取り上げられることも多くなったためか、その後大きく利用者が増加しています。
とはいえ、返礼品には地域を代表するような品物があるため、故郷や居住する自治体以外の自治体であっても、その地域をよりよく知るきっかけになるという側面もあります。
一方で、10代では約17.4%(10代のデータはサンプル数が少ないため参考値)や60代以上の年代では「出身地へ納税するため」といった理由の割合が比較的高くなっています(60代は約6.6%、70代以上は約9.7%)。故郷に貢献、もしくは応援したいなど、特定の地域に愛着がある方も一定数いるようです。
「ふるさと納税を始めた年」については、2015年以降に始めた人が多く、この年から一気に広がった感があります。2015年には、制度改正で先述の「ワンストップ特例制度」が創設され、控除される限度額が拡大されたという大きな変化がありました。これによってテレビや新聞などのメディアで取り上げられることも多くなったためか、その後大きく利用者が増加しています。
ふるさと納税を始めた年
2017年4月には、過熱していた返礼品競争を抑えるため、総務省より返礼品の金額を寄附額の3割以下に抑えるようにとの総務大臣通知がなされました。しかし、そこから寄附が減っていくことはなく、このグラフを見る限りでは利用者数に影響はないようです。
安蔵 靖志
Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。