キャンプに最適なソロ用テントは? 3種を実際に並べて設置したみて分かったこと、「ドーム」に「パップ」「ワンポール」

齋藤 千歳

Specialアウトドア・お出かけ使ってみた

流行のパップタイプ「キャンプベースソロ」はさまざまなスタイルで使えて◎

キャンプベースソロは開口部が大きく、テントの外とのつながりがシームレスなためか、屋根は低いのですが開放感があります

シンプルなようでさまざまな工夫が凝らされた最新のパップタイプ

最近のソロキャンプやソロテントの記事などを見ていると、必ずといっていいほど登場するのが「パップ」タイプのテントです。パップ(軍幕)タイプのテントは各国の軍用テントをルーツにしていると言われ、シンプルで武骨なスタイルが多くのユーザーに支持されています。

基本的なスタイルは2本のメインポールにフライシートといった構成で、三角柱を横に倒したようないわゆる三角テントといった見た目ですが、出入り口は三角形の横部分ではなく、屋根そのものを上に跳ね上げるようにして開き、その部分をタープ的に使用できるので開放感の高いスタイルでも使用でき、睡眠時などは、この部分を閉めることでしっかりとしたプライベート空間を確立できるのも魅力です。

ルーツとなっている軍幕ではメッシュのインナーテントなどがなく、防虫性などに問題があると言われますが、今回テストしたキャプテンスタッグのキャンプベースソロは、メッシュ加工がされたインナーテントが付属したり、前面だけでなく背面もオープンできたりと、使いやすいようにさまざまな工夫が凝らされた「パップ」タイプのテントになっています。

サイズも先に紹介したコット&コットテントよりはかなり大きく、インナーサイズで約幅210×奥行き90×高さ100cm、フライのサイズは約幅380×奥行き190×高さ110cm。重量は約3.8kgです。高さはないものの十分な広さが確保されているので、インナーテントの外側に荷物を置くことも可能なサイズとなっています。ある程度のサイズの荷物まではインナーテントの前面や両サイドに収納可能なレイアウトです。

キャンプベースソロを設営してみる

付属の袋に収納された状態のキャプテンスタッグのキャンプベースソロ。大きさは約幅66×奥行き15×高さ15cm、重量は約3.8kgです

キャンプベースソロの組み立てマニュアルは、付属の袋の内側に縫い付けられた大きなタグのような部分に書かれています。とても便利です

主なパーツはフライシート、インナーテント、ポール4本、ペグとロープ類です。パーツ数は少なくシンプルな構成

フライシートを広げておき、その上にポールを置いて目安として、ポールを立てるためのペグをあらかじめ打っておきます

フライシートの天井部分に配置されたグロメット(穴)にポールを差し込み、ガイドロープ2本とあらかじめ打っておいたペグを使ってポールを立ち上げます

逆側も同じ手順でフライシートの内側に配置したポールを立てていきます。この作業には若干の慣れが必要になるでしょう

フライシートの裾にある6カ所のペグ用ループにペグを打って、フライシートをしっかりと固定していきます。生地にたるみやテントにゆがみが発生しないよう微調整します

インナーテントを天井部分は用意されているバックルで取り付け、その後インナーテントの裾の部分になるペグ用ループ6カ所にペグを打って基本形は完成です

多くの方は寝るとき以外は入り口部分をオープンにしてひさし状にして使うと思いますが、そのためには付属のポール2本とロープを設置する必要があります。これで設置完了です

組み立てにちょっとした慣れは必要だが、レイアウトの自由度の高さが魅力

キャンプベースソロは後ろ側も大きく開けることもができるので、より高い開放感で自然を身近に感じることができます

今回のテストでは「ドーム」タイプのコット&コットテントよりも、「パップ」タイプのキャンプベースソロの方がかなり大きいということもあるのでしょうが、シンプルに2本のポールで支えられたキャンプベースソロを設置するのにかかった時間はこちらも約40分。撮影をしながらなので、慣れて普通に設置だけを行えば、もっと早くなるでしょう。

しかしながら、コットも組み立てたコット & コットテントとほぼ同じ時間を要しました。考えられる大きな理由は1つでメインとなるポールをあらかじめペグを打っておいて立てるという作業に経験的な感覚がある程度必要になることです。どのくらいの位置のペグを打っておけば、問題なくテントが立てられるかは1度組み立ててしまえば、なんてことないのですが、初見ではちょっと戸惑います。このあたりが慣れの必要な部分と言えるでしょう。

ただし、基本構造はシンプルなパップテントですが、設計の新しいキャンプベースソロはひさし部分の前室のサイドを開ける、閉めるがファスナーで行えたり、前面だけではなく、背後側もオープンできたりとキャンプ場では自分のサイトと周りのサイトの位置関係に合わせて、どちら側を開けて、どちら側を閉めるといったプライバシーを確保しながらも、開放感が味わえる点が非常に好印象でした。

実勢価格はインナーテントなどが付属して2万円前後とコストパフォーマンスの高いテントですが、ペグはアルミ製のやや本格的なものが付属します。こちらは太さや強度も不満を感じるほどではありません。しかし、使い込むならより本格的なペグをそろえると設置のしやすさは向上しそうです。

ドーム型に比べると設置の自由度は高いですが、やや慣れが必要なのが「パップ」タイプといえるでしょう。なかでもキャンプベースソロはコストパフォーマンスが高く、レイアウトの自由がより高い「パップ」タイプと言えそうです。

アルミ製のかなりしっかりとしたペグが付属するキャンプベースソロ。ペグの使いやすさはかなり重要です

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齋藤 千歳

フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。

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