自分だけの「秘密基地」、ソロ用テントは何を選ぶべきか?
3つ並べて設置してみると、同じソロテントなのに、大きさも形もかなり違っています。実際のところどんなソロテントが良いのでしょうか
人気のソロテント「ドーム」「パップ」「ワンポール」の使い勝手を実際に試してみた
筆者もどうしてもソロテントが欲しくなり、Amazonで「ソロテント」と検索してみたのですが、結果は1万件以上がヒット。ここから自分の好みのものを探し出して、購入、実際に試してみる作業は気が遠くなります。そのため、まずはテントのタイプを調べてみたところ、現在の人気のソロテントは「ドーム」「パップ」「ワンポール」の3タイプの製品が多いことが分かりました。
ここからさらに「ドーム」「パップ」「ワンポール」の特徴を理解して、自分に合った物をメーカーの公式サイトやインターネット上の情報を元に探していく必要があるのですが、情報量は意外に少なく、もうこれは実際に試してみるしかありません。
そこで、しなやかなポールを複数本クロスさせるなどしながら、しならせてテント生地を持ち上げ、テンションをかけることでテント生地を持ち上げ自立する「ドーム」タイプのテントはタンスのゲンの「ENDLESS BASE アウトドアコット & コットテント」(以下コット&コットテント、実勢価格1万4000円前後(税・送料込))。
さまざまな国の軍用テントをルーツとして2本のポールで組み上げ、前面のパネル部分を跳ね上げることができる「パップ(軍幕)」タイプのテントとしてキャプテンスタッグの「トレッカー キャンプベースソロUV(UA-63)」(以下キャンプベースソロ、実勢価格2万円前後(税・送料込))。
そして1本のポールで設営できるシンプルな構造が人気の「ワンポール」タイプ、「モノポール」「ティピー」と呼ばれることも、こちらはDODの「ムシャテント T1-819-BK」(以下、ムシャテント、実勢価格2万7500円前後(税・送料込))を用意して、実際に初見で組み立ててみました。
すべてがミニマムなドームタイプ「コット&コットテント」はかなり快適
コット一体形のため、そのままテントに腰掛けてキャンプ時間を過ごせるのもうれしい
コット一体形で寝心地もよく、通気性もいい
設置したときのサイズは外寸が約幅180×奥行き200×高さ120cm。付属するコットのサイズが外寸で約幅200×奥行き70×高さ17cmで、このコットの上に設置可能なインナーテントは寝床部分の内寸が約幅197×奥行き67×高さ100cmとほぼ畳一畳分しかありません。重量は約3.25kgで、スカートダウンをしない場合のペグを抜いた重量は約2.8kgです。
まさに雨風を防いで、起きているときは座り、寝ることができるギリギリのサイズといえるわけです。外に出しておけない荷物はテントには入りませんので、クルマの中などに入れておくしかありません。荷物もテントの中に入れたい場合は、もうひとまわり大きなものを選択する必要があるでしょう。しかし実際のところ、このギリギリのサイズがなんともいえずいいわけです。
コット&コットテントを実際に組み立ててみる
筆者はコット&コットテントを選択したので、上の袋がコットテント、下の袋にアウトドアコットが入っています
まずはコットテントの土台となるアウトドアコットから組み立てていきます。コット本体のほか、空気で膨らませるエア枕も付属しています
コットの両脇に使うポールを組み上げます。連結すると2mほどのポールになりますので、組み立ては周りに気を付けて作業を行いましょう
連結して組み上げたポールをコット本体の両脇の部分に差し込みます。ポールの先端部分をコットの布部分に押し込むようにして引っかけるのがポイントです
コットの脚の部分を取り付けていきます。取り付けの際は、脚のパーツを結構力ずくでしならせながら取り付けるので、それなりの力が必要です
5本の脚を取り付けてコットは完成です。コット単体の推定価格は6000円程度とリーズナブルですが、寝心地は良く、なかなか優秀です
続いて、テント部分を組み立てていきます。パーツを大きくわけるとフライシート、インナーテント、ポール類、ペグとロープ類です
テント本体もまずはポール類の連結から始めます。手前がキャノピーポール×2、奥側が「ドーム」タイプのキモであるしなやかなポール2本です
インナーテントを広げて、その底面の対角線上に2本のしなやかなメインポールを置きます。この2本のポールがテント全体を支える構造です
インナーテントの四隅にある金具の穴にメインポールを差し込んだ状態です。メインポールがしなって丸くなっているのが分かります
固定したメインポールにインナーテントのフックを取り付けていくとテントが自立します。このポールがドーム状の弧を描くのでドームテントと呼ばれているそうです
インナーテントまで完成したら、先に組み立てておいたコットの上に置いて、四隅をゴムバンド、中央部分の2カ所をインナーテントのベルトで固定します
インナーテント+コットを設置したい位置に置いたら、その上にフライシートをかぶせます。前後は同じ形なので左右にロゴ面が来るように配置すればオッケーです
ガイロープ(テントロープ)などをペグで固定して、キャノピーポールを固定しキャノピー部分を開けたらコット&コットテントは完成です
普及率の高いドームテントは組み立ても簡単で安心
シンプルで非常にコンパクトなテントですが、しっかりベンチレーター(換気装置)なども配置されており、よくできています
「ドーム」タイプはしなやかなメインポールにテンションをかけて固定し、基本的に自立する構造なので安心感があり、オールマイティーな印象を受けました。特にこだわりがないなら、最初のソロテントは「ドーム」タイプがおすすめといえるでしょう。
今回テストしたコット&コットテントは、コット付きで約1万4000円、コットなしのコットテント単品なら約8000円とかなりリーズナブル。そのミニマムなスタイルは筆者の男子心を強くつかんで離しません。荷物は最低限にして、必要なものはクルマに積んでおくなど、さまざまな妄想が膨らみます。
ただし、リーズナブルなテントは見えない部分であるペグなどへのコストカットの影響が大きく、コット&コットテントに付属するペグはほとんど太めの針金を曲げただけに近いもの。使いづらいので、ペグやロープ、ポールといった部分を好みのものに変更するのもありかと考えています。改造やパワーアップを検討してしまうほど、コット&コットテントの基本構造は魅力的なテントと言うことができるでしょう。
こういった部分のコストカットが重要なのだと思いますが、さすがにこのタイプのペグは使いづらいので、今後使用するときのために変更する予定です
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。