北海道在住のアウトドア系ライターが選ぶ2024年のベストバイ5選

齋藤 千歳

Specialアウトドア・お出かけ使ってみた

必需品になった“3スマ”「Amazfit T-REX3」と「Amazfit Helio Ring」

Amazfit T-REX3とAmazfit Helio Ringを同時に装着したところ。これにスマートフォンをプラスした「3スマ」は筆者の必需品です

スマートな「フォン」「ウォッチ」「リング」は必須

「もうスマートフォンのない生活なんて考えられない」とみなさん思っているでしょう。筆者も当然スマートフォンのない生活なんて考えられません。しかし、日本で初代iPhoneが発売されたのは2008年。多くの方がスマートフォンを使い始めて長くて15年、せいぜい10年程度でしょう。しかし、いまやスマートフォンなしで1日を過ごすことなんて考えられないほどの利用量です。

そして、ここ数年で筆者の生活にしっかり定着してきた2つ目のスマート○○が、スマートウォッチです。

Amazfit T-REX3は同じAmazfitの従来のアウトドア向けタフネスモデルに比べて、圧倒的に軽いのも特徴。バンドを含めても約68.3gしかありません

実は携帯電話やスマートフォンを持ち歩くようになってから腕時計をしなくなり、最初はスマートウォッチにも興味がありませんでした。

しかし、お腹まわりと健康が気になり、走り始めると、状況は一変。運動記録が詳細に取れるスマートウォッチなしの生活は考えられなくなりました。そう、自分の健康状態を詳細に把握してインターネット上に記録しておかないと落ち着かないのです。

現在もっとも気に入っているのが「Amazfit T-REX3」

低温はマイナス30度、高温は70度、100m防水に対応。さらには9つのMIL規格試験に合格しているタフなスマートウォッチであるAmazfit T-REX3

Audibleを聞きながら、ダイエットと健康、そしてセロトニンの分泌を促し心身を安定させるためにジョギングをしている筆者が現在もっとも気に入っているスマートウォッチが「Amazfit T-REX3」(実勢価格:3万9900円)です。なぜならマイナス30度の寒さに耐えられるから。さらに70度の高温にも耐えられる、100m防水のタフネススマートウォッチです。

そんなマイナス30度なんて……と思われるかもしれませんが、筆者の住む北海道千歳市は真冬の最低気温がマイナス20度を下回ることは珍しくありません。そのため、一般的なスマートウォッチの耐寒性能はマイナス10度くらいが多いのですが、これでは自宅周りでの真冬のジョギングすらできないのです。

付属する充電器はUSB Type-Cに接続するタイプ。USBのケーブルは付属しないので自分で用意する必要があります

当たり前ですが、北海道の冬のアウトドアを楽しもうと思えば、ある意味マイナス30度に耐えられるのは最低限の仕様といえるかもしれません。北海道でも寒いことで有名な陸別などは平気でマイナス30度を下回るので、ここでも動くのか、ぜひ試してみたいものです。

また、単純にマイナス30度に耐えられるだけでなく、アウトドア向けのタフネススマートウォッチとしてはかなり軽く、約68.3g(バンドを含む)しかありません。それでもランニング用の超軽量モデルより重いですが、走っていて気にならないサイズにまとまっているのも大きなポイントです。

「GPT-4o」を統合したAI音声アシスタントが利用できる

GPT-4oを統合したAIアシスタントが利用できるZepp Flow。筆者は、これがかなり気に入っています

このAmazfit T-REX3を含むAmazfitのスマートウォッチに筆者が注目している理由は米OpenAIの大規模言語モデル「GPT-4o」を統合したAI音声アシスタント「Zepp Flow」が利用できることです。このAI音声アシスタントは、現行のAmazfitのスマートウォッチの多くで利用でき、追加の月額料金などは発生しません。

Amazfit T-REX3ではデフォルト設定で右上のボタンを長押してAI音声アシスタント「Zepp Flow」を起動する必要はありますが、その後は話しかけるだけで、AIがスマートウィッチの各種設定や機能の操作、さらには質問への応答や計算、翻訳などが可能。

Amazfit T-REX3ではデフォルトで右上の「SEL」ボタンを長押しすると、Zepp Flowが起動して、音声の聞き取りをしてくれます

例えば「画面を明るくして」と話しかければ、画面の輝度が上がりますし、「今日の16時からのスケジュールにミーティングを入れて」と言えばスケジュールにミーティングを入れてくれるなど、スマートウォッチの機能や設定の変更などができます。

AIらしく、スマートスピーカーに質問するときと同じ感覚で簡単な質問には答えてくれます。難しい質問にも答えますが、AIなので、必ずしも正しいことを答えないことがある点は覚えておきましょう。

AIなので、かなり広範囲のさまざまな質問に答えてくれます。筆者はAIが答えづらそうな質問を考えるのも好きです

とはいえ、スマートウォッチから音声入力に対応するAIが利用できると劇的に使いやすくなります。カップラーメンの3分アラームも音声入力でできるため、こないだまでスマートフォンで設定していたのが、スマートウォッチに変わりました。

冬の北海道でのアウトドアに耐えるタフなハードウェアと音声入力可能なAIシステムを搭載したAmazfit T-REX3は、筆者にとって、まさに最強のスマートウォッチといえます。非常に気に入っています。もう手放すことができません。

わずか4gのスマートリングで自分自身をモニタリング

Amazfit Helio Ringのパッケージ。中身のメインはわずか4gのリング1つですが、パッケージのサイズはスマートウォッチと同じ大きさです

今年2024年、筆者の生活を最も変えたアイテムが3つ目のスマート○○である「スマートリング」です。なにがすごいかといえば、24時間装着が基本な点です。

筆者は「Amazfit Helio Ring」(実勢価格4万9900円)を、充電しているとき以外ほぼ24時間いつも装着しています。重さは約4g。人差し指への装着が推奨ですが、筆者は中指に装着しており、この原稿を書いているときも装着しています。

Amazfit Helio Ringには、BioTracker PPG 心拍センサー(1デュアルカラーLED+2PD)、温度センサー、EDAセンサー、3軸加速度センサー、3軸ジャイロスコープなどを搭載。心拍数や血液酸素レベル、ストレスレベルなどを計測して、睡眠の質、仕事や学習に対する心身のレディネス(準備度)、ワークアウトレベルなどを、見える化します。

実は前述のAmazfit T-REX3でもこれらのヘルスモニターのほとんどは測定できるのですが、心拍数や血中酸素のモニタリング機能はより詳細で、スマートウォッチのように腕で測るより、指で測る方が高い精度で測定できることも利点のひとつ。

そもそも、個人的にどうしてもスマートウォッチを腕にしたまま寝られなかったので、睡眠に関するヘルスモニターの機能は使えていませんでしたが、スマートリングの導入でやっとフル機能を使えるようになりました。

Amazfit Helio Ringの充電器。USB Type-Cで接続するタイプになっています。こちらはUSBケーブルも付属。ワイヤレス充電方式です

Amazfit Helio Ringはわずか4gしかなく、操作ボタンもありません。ですから使い方といっても、スマートフォンとペアリングして、ただ装着しているだけです。スマートフォンのZeppアプリから設定を細かく変更可能ですが、最初は初期設定で十分なので、まさに装着しているだけのガジェットといえます。ある意味新鮮です。

このスマートリングはチタン製のため装着感も良く、10ATM防水、よくいわれる水深100m防水となっています。そのため、筆者は装着したまま手を洗ったり、食器を洗ったり、お風呂にそのまま入ったりしています。さすがに温泉やサウナはやめておいたほうがいいかと思っているのですが、その程度には気を使わずに装着していられます。

装着する指はもっとも推奨されるのが人差し指。そのあとは中指か、薬指。親指はほかの指に比べて計測精度が落ちるそうです

明るい場所で装着していると気が付かないレベルですが、BioTracker PPG 心拍センサー(1デュアルカラーLED+2PD)での測定時に弱い緑色にリングの内側が発光します。寝室などで明かりを切っていると「ああ、光っているな〜」と思うレベルで、一緒に寝ている妻や息子から苦情はありません。

実際に使っていて、筆者がいちばん悩んでいることは、このスマートリングをいつ充電するかです。いままでのスマート○○たちは、それこそ寝ているときに充電すればよかったのですが、睡眠状態をモニタリングするAmazfit Helio Ringは、寝ているときこそが、もっとも活躍する時間帯です。

そこでスマートウォッチを装着して運動状態をモニタリングするワークアウトのときに充電するのが、いいかとも考えました。しかし、スマートウォッチとスマートリングを同時に装着すると両方のデータを組み合わせて、より正確な評価が行われるので、悩みどころです。

結局、満充電まで約1時間40分、バッテリーは最大で4日間もつので、バッテリー残量をペアリングしたスマートフォンで確認しながら、スマートウォッチを装着している時間帯に充電を行っています。

スマートリングを使うと自分をわかってあげられる

AmazfitのスマートウォッチやスマートリングとスマートフォンをペアリングするZeppアプリの概要項目。睡眠、レディネス、努力のスコアが並びます

自分の心身の状態をそんなに数値化して、見える化してどうするの? という意見もあると思います。しかし、筆者は自分に対する扱いが雑なタイプ。

そんな筆者は、「なんかやる気が出ないな〜」「なんか疲れている気がする」というときに、昨日のあれは思った以上にストレスだったんだとか、気にしていないつもりでも実は気になって睡眠時間や深い眠りの時間が短くなっているといったデータを数値として確認。すると、気分転換のためにちょっと無理しても時間を作って運動しようとか、明日は少し遅く起きようとか、今週末は1日くらい休んで息子と遊ぼうとか、自分の心身のために小まめなケアを行うことができるのです。

Amazfit Helio Ringと同じAmazfitのスマートウォッチを組み合わせて使うと、大げさではなくほぼ24時間、自分の心身の変化の様子をモニタリングして、数値化、見える化できるので、自分をある意味客観視できるのです。そのうえで自分を気持ちよく、機嫌よく仕事をさせたり、生活させたりするにはどうしたらよいかが考えられるので、本当に便利です。

使いはじめて数カ月ですが、すでにモニタリングできていない日があると不安になります。スマートフォン、スマートウォッチに続く3つ目のスマート・スマートリングは筆者のなかで必須アイテムに。リングのない生活には、もう戻ることはできません。
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齋藤 千歳

フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。

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