Microsoftは同社のクライアントPC向けの新OS「Windows 11」を、10月5日(現地時間)に正式にリリースしました。Windows 11は2015年に登場した Windows 10の次のメジャーアップグレードとなるOSです。PCメーカーも搭載製品を販売するほか、Windows 10のPCのアップグレードも順次始まる予定です。
i4Uでは今回、このWindows 11について、プロフェッショナルなテクニカルライターとして27年近いキャリアを持ち、業界に詳しい笠原一輝さんに気になる疑問や質問にも答えてもらいました。今回は機能編です。(乗り換え編はこちら)
i4Uでは今回、このWindows 11について、プロフェッショナルなテクニカルライターとして27年近いキャリアを持ち、業界に詳しい笠原一輝さんに気になる疑問や質問にも答えてもらいました。今回は機能編です。(乗り換え編はこちら)
●笠原一輝(かさはら・かずき)さんのプロフィール
1994年よりテクニカルライターとして活動を開始。90年代はPC雑誌でライターとして、2000年代からはPC WatchなどのWeb媒体を中心に記者、ライターとして記事を寄稿している。海外のカンファレンス、コンベンションを取材する取材活動を1997年から20年以上続けており、主な分野はPC、半導体などで、近年はAIといった分野での執筆が増えている。
1994年よりテクニカルライターとして活動を開始。90年代はPC雑誌でライターとして、2000年代からはPC WatchなどのWeb媒体を中心に記者、ライターとして記事を寄稿している。海外のカンファレンス、コンベンションを取材する取材活動を1997年から20年以上続けており、主な分野はPC、半導体などで、近年はAIといった分野での執筆が増えている。
質問:Windows 11の新しいところをひと言で表すと?
笠原一輝さん(以下敬称略):Windows 11では、Windows 10に比べて新しいUX(ユーザー体験)を実装しました。課題になっていたアップストア「Microsoftストア」のてこ入れや、ハードウエア要件を大きく引き上げることでセキュリティーを強化し、より安全に使えるPCプラットフォームの実現を目指しています。
質問:具体的な新機能は?
笠原:Microsoftによると、Windows 11の主な新機能は以下の6つです。
・新しいUX
・マルチタスク機能の強化
・コミュニケーション機能の強化
・ゲーミング機能の強化
・Webブラウザーの強化、ウィジット
・ストアの改善
新しいUX(ユーザー体験)という観点では、長年左下にあったWindowsロゴの「スタートボタン」がタスクバーの中央に移動したのは目新しい変化でしょう。
・新しいUX
・マルチタスク機能の強化
・コミュニケーション機能の強化
・ゲーミング機能の強化
・Webブラウザーの強化、ウィジット
・ストアの改善
新しいUX(ユーザー体験)という観点では、長年左下にあったWindowsロゴの「スタートボタン」がタスクバーの中央に移動したのは目新しい変化でしょう。
また、マウスの右クリックメニューにも手が入っており、「新しいOS」というイメージを感じさせます。MicrosoftはこのWindows 11を、従来のWindows 10の最新版から枝分かれの形で開発しました。ですので、Windows 10の最新版と同じような安定性も備えています。目新しさと安定性の共存、これがWindows 11の大きな特徴の1つでもあります。
マウスの右クリックメニューも刷新。従来のメニューを表示させるには「その他のオプションを表示」を選ぶ
質問:タスクバーのセンタリングは、ワイドディスプレーの普及を意識している?
笠原:タスクバーのセンタリングが便利なのは、最近増えつつある21:9や32:9などの横長のアスペクト比を採用した湾曲ディスプレーなどを利用している場合。そうしたディスプレーを利用している場合には、スタートボタンやタスクバーが画面の端にあるより、センターにある方が操作しやすいわけです。
設定でタスクバーの左寄せもできる
Windows 11では標準設定ではタスクバーがセンタリングされており、Windowsロゴの「スタートボタン」も従来の位置だった左下から中央へと寄せられている。しかし、これは設定で、Windows 10と同じ左寄せに戻すことも引き続き可能。左寄せがいいと思うユーザーは従来通り設定できる。
質問:タスクバーを下に置く理由があるのですか?
笠原:上に置くのも下に置くのも、今となっては明快な答えがありません。言い換えれば、上に置かれているmacOS、下に置かれているWindowsそれぞれに導入当初にはそれぞれ意味があったのでしょうが、今となっては「慣習的にそうなっている」という以上の意味はありません。
結局の所、タスクバーが上にあるのか下にあるのかは、ユーザーがどちらに慣れているのかという違いにすぎないでしょう。ずっとWindowsを使い続けてきた人にとっては下にある方が慣れているし、逆にmacOSを使い続けてきた人にとっては上にある方に慣れているというだけのことなのかもしれません。「慣れこそ最上のユーザー体験」というのがUX業界では真理とされているので、答えはユーザーがどちらに慣れているかの差なのではないでしょうか。
結局の所、タスクバーが上にあるのか下にあるのかは、ユーザーがどちらに慣れているのかという違いにすぎないでしょう。ずっとWindowsを使い続けてきた人にとっては下にある方が慣れているし、逆にmacOSを使い続けてきた人にとっては上にある方に慣れているというだけのことなのかもしれません。「慣れこそ最上のユーザー体験」というのがUX業界では真理とされているので、答えはユーザーがどちらに慣れているかの差なのではないでしょうか。
質問:むしろ左右に配置したほうがワイドディスプレイは使いやすそう?
笠原:繰り返しになりますが、UXで重要な事は慣れです。結局の所、人間にとって最も快適なのは慣れているやり方です。ワイドディスプレイも、どんなサイズかによると。49型のように中央から左端まで60cmもある場合には、逆に作業しにくいと思います。
質問:Windows 11の導入で仕事の進め方にも影響ありそう?
笠原:Microsoftでは、ハイブリッドワークと呼んでいる働き方を推進しています。これは、従来の働き方とテレワークやリモートワークなどの言葉に代表される新しい働き方の両方を労働者が自由に選ぶ働き方ですが、Windows 11はそうしたハイブリッドワークに適したOSになるようにさまざまな機能を強化しています。たとえば、同社のテレワーク向けツール「Teams」を 標準搭載しました。
Teamsを標準搭載
質問:Teamsを使わない人には邪魔じゃないですか?
Windows 11のTeamsの設定、自動で起動しないようにする設定が可能
笠原:Teamsのチャット機能はタスクバーから消すことができるし、Teamsそのものも、自動で起動するように設定することができるので、必要がない場合にはそうするといいでしょう。
笠原 一輝
ライター
1994年よりテクニカルライターとして活動を開始。90年代はPC雑誌でライターとして、2000年代からはPC WatchなどのWeb媒体を中心に記者、ライターとして記事を寄稿している。海外のカンファレンス、コンベンションを取材する取材活動を1997年から20年以上続けており、主な分野はPC、半導体などで、近年はAIといった分野での執筆が増えている。