豊富で個性的な「行動札」の使いどころがキモ
前述の通り、フィールドをクリアすると報酬として新たな行動札を入手したり、ダメージ増加やクールタイム短縮といった強化ができたり、さらには行動札に呪術を付与し、敵を毒状態にして追加ダメージを与える、凍結させて行動不能にするといった特殊効果が与えられるようになります。
新たな行動札はどれも一長一短で、例えば一気に4ダメージが与えられる強力な行動札「金棒」は、クールタイムが長めに設定されており、使いどころが重要になります。また、原則として前後1マスずつ移動する本作ですが、行動札の中には正面の敵に向かって移動しながら突撃するもの、敵を吹き飛ばすもの、敵の背後に回り込んで攻撃するものなど、攻撃しながら移動も兼ねる行動札があるので、かなり幅広い戦略が考えられます。
一方、行動札を強化すれば、クールタイムの短い金棒や、より多くのダメージが与えられる螺旋刀なども作れます。本作でボスを除く道中の敵は5ダメージあれば倒せるので、まずショウグンを倒すまでは5ダメージ以上は必要ありません。クールタイムを短くしたり、呪術の特殊効果を付与する方が効率よく戦えるでしょう。
戦闘後、どんな行動札や強化がくるかは完全にランダム。画像は「倹約」という強化がもらえたところで、ターン消費せずに行動札をセットできる強化が付与される。移動系の行動札など、セットしてすぐ使いたい行動札に付与すると効果的かもしれない
コンボプレイで注意すべきなのは、行動札の順番。縦に並んだ行動札のセットの下から上に向かって順番に行動するのですが、順番を間違えると本来当てたい敵に当たらず、無駄に行動札を消耗してしまいます。この辺りの戦略が本作のキモであり、面白いところです。
コンボプレイの一例。体力3の敵が先頭で、後ろには突撃を行なう敵が2体、その奥には2マス同時に攻撃できる槍を持った敵が並ぶ。4体を1度に倒すのは厳しいが、3体同時に倒せばダメージを受けずに済む……
まず2ダメージの「螺旋刀」で先頭の敵の体力を殺さないギリギリまで削る。次にダメージを与えつつ敵を吹き飛ばし、その先の敵にもダメージを与える「竜神拳」、最後に遠方の敵に攻撃できる「矢」の3つの行動をこの順番で行うことで、3体の敵を同時に撃退できた。最初の「螺旋刀」で敵を倒さず生かすことで、「竜神拳」の“弾”として利用するのがポイント
道中のボスの1人、ヒデヨシを倒すと使えるようになる「浪人」は、目の前の敵に向かって前進することで、敵を押し出す特殊能力を持っています。ほかにも中ボス・ノブナガや、ラスボスのショウグンを倒すと開放される主人公がおり、長く遊べる仕組みとなっています。
また、フィールドの戦闘で敵を倒すとドロップする消費アイテムには、体力を3回復する「枝豆酒」、フィールド内の敵を全て毒状態にできる「大毒」、1度だけ攻撃を完全に防げる盾を展開する「御神酒」など、さまざまなものがあります。消費アイテムのドロップ頻度は比較的高い上、アイテム所持枠は3マスしかないので、気になったところでガンガン使うのがいいでしょう。
もう1つ、道中のショップで購入できる「技」というものがあります。技はキャラクターが生きている間は恒久的に効果が持続する装備アイテムともいえ、購入すると道中のバトルがより快適になります。例えば「大きめの腰鞄」を買うと、アイテム枠が1つ増やせて便利。「連破の祟り」は敵を2体以上同時に撃破(連破)すると、他の敵1体に呪いを掛けられる効果が付与されます。
こうした行動札と特殊能力、アイテムや技などを活かして、敵とのバトルを円滑に進めるための戦略を考えるのも本作の楽しみです。
ショップでは、戦闘で集めたお金を使って行動札の強化が行えるほか、「技」の購入もできる。「技」は買った瞬間から効力を発揮し続け、生きている間は常に効果が継続されるので、積極的に買っていきたいところ
やめ時が分からなくなる面白さ!
本作はローグライクといえども敵の配置は同じなのですが、フィールドで手に入るドロップアイテムや出現する行動札、強化、ショップで購入できる技についてはランダム要素がかなり強いです。そのため、望み通りの行動札や強化などがそろわずに苦戦する場面も多いですが、それもまた、何度もプレイしたくなる要因になっています。
注意すべきポイントとしては、ウェーブの更新タイミングでしょうか。こちらが想定していた行動の間に新たな敵が割り込んでくるかたちになるので、せっかくセットした行動札が無駄になってしまう場合があります。ウェーブ更新時は画面上部の「ウェーブ」の部分が点滅して、更新を知らせてくれるので、この時は追加される敵を想定しつつ、行動札を並び変えたり、ウェーブ更新前に行動札を使ってしまうのも手です。
行動直後にウェーブが更新されたことで、新たな敵が中央に出現。1つ前のターンでしっかり行動したので使えない行動札もあるが、これならなんとかなりそうだ
そんなわけでShogun Showdownは1人でコツコツと戦略を考えながら、のんびりバトルするのが楽しい魅力的な1本といえるでしょう。
なお、Steam版には無料で遊べるデモ版も用意されています。この記事で興味を持ってくださった方は、まずはデモ版を試してみるのもいいかもしれません。
死んでしまうと、道中で稼いだボス撃破ポイント以外は全て失ってしまう……
「野営地」の店では、ボス撃破ポイントを使う事で、新たな行動札や技が解放できる。それもまたこのゲームの楽しみの1つだ
選択可能なキャラクターは条件をクリアする事で解放される。筆者の現在の状態で確認できるのは最大5人まで。とりあえず5人全部解放するまではやめられないだろうな!
池 紀彦
ゲーム&ガジェットライター
自ら触れて得た体感を形にする兼業ライター。ソフトウェア事業のディレクションと検証を行なう傍ら、パソコン雑誌編集部やAV機器メディア編集部を経て得た経験を活かし、パソコン、ガジェット、ゲーム、おもちゃなどのレビューを日夜各所で執筆。ThinkPadと程よい懐古物を好み、懐かしのゲームやパソコン、アニメ、漫画などをこよなく愛します。「やってみた」には定評あり。