コロナ状況下でのDX推進、GMOが感じた官民一体の進化への渇望

2021.4.26

2021年2月現在、過去最高の業績で成長を続けているGMOインターネットグループ。その背景には、コロナ禍の影響をバネに官民で進めるデジタルトランスフォーメーション（DX）があります。またインターネットのインフラ事業を核として幅広い専門分野で展開する、グループ企業戦略も事業拡大に功を奏しているようです。

“鉄の組織”と評されたグループの組織力を形作る「GMOイズム」

GMOインターネットグループは2020年12月現在、連結対象100社、パートナー（従業員）約6200名により運営されています。

1995年12月にインターネット事業を創業して以来、「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチに掲げてきたGMOインターネット。現在は「インターネットインフラ事業」「インターネット広告・メディア事業」「インターネット金融事業」「暗号資産事業」の4つの事業領域で、「日本を代表する総合インターネットグループ」を目指し、事業を展開しています。

GMOインターネットグループの4つの事業領域

グループは昨年度（2020年12月期）、売上高、営業利益、経常利益ともに過去最高の業績を上げました。GMOインターネットグループでは、GMOインターネットを始め、2020年7月に東証マザーズ市場に上場したGMOフィナンシャルゲート、同年12月に東証2部から1部に銘柄指定されたGMOペパボなど、計10社が上場しています。その合計時価総額は合計1兆9246億円（2021年2月10日時点）。2020年2月の9013億円と比べて、1年間で1兆233億円増加しました。

GMOインターネットグループを率いる熊谷正寿代表は、グループ成長の力となっている強みとして、以下の4つを挙げています。

1. ほぼ全てのサービスをフルスクラッチで自ら開発する「高度な技術力」
2. 開発したサービス・商品を「高いマーケティング力」と「強い営業力」で自ら販売
3. 業界最高水準の評価を得ている「サポート力」
4. 先端ビジネスの芽をいち早くキャッチできる「リサーチ力」

また、この4つの強みを支えるのは「アナリストからも“鉄の組織”と評価された『組織力』にある」と述べています。

GMOインターネットグループでは、創業翌年の1996年に策定した定量的な長期計画「55カ年計画」に基づき、2050年には売上高10兆円、利益1兆円、雇用20万人を目標としています。ただ、熊谷代表は「数字は結果でしかない。数字だけを目標にすると殺伐として、組織が長続きしない。大切なのは定性的に考えることです」と語ります。

100年単位で続く組織・企業グループをつくるため、熊谷代表は「経営については旧財閥グループに学び、組織については世界中の主な宗教に共通する点を研究した」としています。そして定量目標の55年計画に加えて、定性目標のスピリットベンチャー宣言や目標達成のための法則や理念をあわせて「GMOイズム」という形でグループ内に共有し、GMOイズムの浸透によって自律的に事業が拡大する体制づくりを図ってきました。

GMOイズムの真髄について、熊谷代表はこう語っています。

「やはり一番大事なのは、良いプロダクトをつくってお客様に喜んでいただいて、喜んでお支払いいただける、良い循環をつくること。そして、それが我々の誇りになることです。組織に誇りがあることは重要で、誇りがあるからこそ自走式になれるんです」（熊谷代表）

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