全正社員パートナーの半数超がG検定、9割超がITパスポート試験に合格!GMOメディアの“AI人財”戦略

i4U編集部

AIGMOインターネットグループ業務効率化

AIの進化を“他人事”にさせない

—— ITパスポートを取得し、さらに難しいG検定にも合格し、CSのAI化にも成功しています。その原動力は何なのでしょうか。

<森>
社長の自分がずーっとSlackで「これからはAIだーッ!」って“発破”をかけてきたから、そういう空気が生まれたんじゃないかな。AIの進化を他人事にしないで、自分自身に関わる話なんだとメッセージを発信し続けてきました。これは今も毎日続けています。

​​——柑本さんから見て、森社長の“発破”の影響や、社内の反応は。

<柑本>
シンプルに「すごいな」と思います。本当に毎日毎日、森社長が自分の考えや会社の方針も折り込みながらAI関連ニュースをどんどん発信する。そもそも、一体どこにそんな発信する時間があるんだろうと感動します。

<森>
隙間時間にやってるんですよ! もう何年も続けているから習慣化していますね。そうやって“世論”を作っていくことは、どんな組織にも大切なことだと思います。

私たちはIT企業からAI企業になるんだ、っていう空気を作っています。僕がSlackで紹介する大量の記事を全部読まなくても、ヘッドラインを眺めるだけでもいい。とにかく他人事じゃなく、自分のこととして捉えさせる作戦です。

「AIの進化は他人事じゃなく自分事なんだ!」と叫ぶ森氏と、その様子を見つめる柑本氏

GMOメディアは「IT企業」から「AI企業」に変わる

——IT企業とAI企業の、それぞれの大きな違いは。

<森>
90年代の終わり頃は、インターネットを使いこなす「IT企業」と、そうではない「一般企業」がありました。でもインターネットが普及した今となっては、全ての企業がIT企業といえるでしょう。つまりIT企業としての優位性は、もはやありません。

今後はAIをいかに活用できるかが、業界で生き残るためのカギだと考えています。

これは「長篠の戦い」で例えるとイメージしやすいでしょう。騎馬隊の武田軍がIT企業で、新兵器の鉄砲を取り入れた織田軍がAI企業だとします。新しいものをすぐに取り入れ、うまく活用した織田軍は、戦国最強とうたわれた武田軍に圧勝します。

つまりインターネット革命後半戦に我々が圧勝するためには、「AI」を積極的に取り込み、うまく活用できる「AI企業」への進化が必要不可欠なのです。

若い頃の自分は大きな企業の偉い人のことを「なんだか古くさいな」と思っていました。今度は自分が追われる立場でレガシーな側にいる危機感があります。

だから「ノーピープル、ローピープル」と叫び続けているのです。

—— AI関連の話題でいうと、9月12日にGMOメディアのAI系特許1号目の「問題生成装置、問題生成方法および問題生成プログラム」が発表されました。

<森>
これも特許をなるべく早く取るべく開発と準備を進めました。教育業界でAI系サービスはまだ少ない状況ですから、GMOメディアが先駆けてサービスを始めたかったのです。

もともとGMOメディアはインターネットクイズ日本一の会社です。スマホやPCを介してクイズに参加するユーザーが300万人以上いらっしゃいます。このユーザー数が日本でNo.1なのです。(得意分野に経営資源を投入してNo.1となることは)GMOインターネットグループの経営戦略の一環です。

さらに、これからもっともっとインターネットクイズの業界を盛り上げるために、AIを使って問題数を強化することを考えました。その生成エンジンの特許の準備を進めているときに、教育関係者の方から「日々の小テストを作るのが大変だ」という話を伺い、コエテコでもサービス化させました。

そんなこんなで9月12日、つまり「クイズの日」に今回の特許取得についてお知らせしたのです。

——AI関連の特許1号目ということは、2号3号も控えているのでしょうか。

<森>
もちろん!

——GMOメディアが「AI企業」を掲げたのが2017年です。そしてプロジェクト名が「プロジェクトYUTAKA」と聞いています。この「YUTAKA」とは何なのでしょうか。

<森>
プロジェクトYUTAKAの“ユタカ”は、尾崎豊です。その心は……AI時代に「僕(人間)が僕(人間)であるために」です。どうですか、AI時代にぴったりだと思いませんか。先ほどお話しした「ノーピープル、ローピープル」とも重なるメッセージです。

尾崎豊の名曲「15の夜」を口ずさみながらAI戦略を語る森氏

——全部つながっていますね! 正社員パートナーのG検定とITパスポート試験の合格率の高さの理由がよくわかりました。

<森>
人間は人間にしかできないことをして、AIを最大限使う。GMOメディアもAIによって事業を伸ばし、競争力を上げ、インターネット時代後半戦に勝ち残るAI企業となります。
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i4U編集部

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