GMOペパボの連結子会社・GMOクリエイターズネットワークは、自社が運営するフリーランス特化型金融支援サービス「FREENANCE(フリーナンス) byGMO」(以下、フリーナンス)のユーザーを対象に、2024年11月施行の「フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」をテーマにしたアンケート調査を実施しました。
フリーランス新法は、フリーランスが安心して働ける環境の整備等を目的とした新しい法律です。今回は、この新法に関する理解度や期待度を調べたほか、フリーランスが過去に経験したトラブルについても調査しました。
フリーランス新法は、フリーランスが安心して働ける環境の整備等を目的とした新しい法律です。今回は、この新法に関する理解度や期待度を調べたほか、フリーランスが過去に経験したトラブルについても調査しました。
新法を理解しているフリーランスは約2割、そのうち約8割が新法に期待
まずはフリーランス新法を知っているか聞いたところ、「名前を聞いたことがある」という回答が約56.7%となりました。「制度の内容も知っている」という回答は約17%にとどまり、約26.3%は「知らない」と回答しています。
「フリーランス新法を知っているか」への回答結果
「制度の内容も知っている」と回答した人に対し、この法律がフリーランスの働き方に良い影響を与えると思うかを聞くと、「思う」「どちらかといえば思う」という回答合計が約76.7%となり、「どちらかといえば思わない」「思わない」の合計約23.3%を大きく上回りました。
「フリーランス新法が働き方に良い影響を与えると思うか」への回答結果
それぞれの回答者に理由を聞くと、以下のような意見があがりました。
「思う」「どちらかといえば思う」
・法的に明文化されることで、取引で理不尽な目に遭う可能性は低くなると思う(30代/職種:デザイナーなど)
・クライアントとのトラブルに対する指針となるため(40代/職種:カメラマン・映像クリエイター・イラストレーターなど)
「どちらかといえば思わない」「思わない」
・手間が増えるだけではないかと感じる(40代/職種:ITエンジニア)
・クライアントが積極的に新法を守る意識を持たなければ意味がない(40代/職種:その他)
※回答の一部を、読みやすくするために文言調整
「思う」「どちらかといえば思う」
・法的に明文化されることで、取引で理不尽な目に遭う可能性は低くなると思う(30代/職種:デザイナーなど)
・クライアントとのトラブルに対する指針となるため(40代/職種:カメラマン・映像クリエイター・イラストレーターなど)
「どちらかといえば思わない」「思わない」
・手間が増えるだけではないかと感じる(40代/職種:ITエンジニア)
・クライアントが積極的に新法を守る意識を持たなければ意味がない(40代/職種:その他)
※回答の一部を、読みやすくするために文言調整
フリーランスの約4割がトラブル経験、「報酬の未払い等」が最多
次に、仕事をする中で経験したトラブルについて聞きました。フリーランスとして働く中で、クライアントとの契約や取引でトラブルにあった(その可能性があった)か、質問すると、約36.7%が「ある」と回答し、フリーランスがトラブルに遭遇する可能性は低くはないことがわかりました。具体的なトラブルの内容としては、「報酬の未払い・遅延が生じた」が最多で60%を超えました。
「クライアントとの契約や取引でトラブルになる、もしくはなりそうになったことがあるか」への回答結果
「トラブルになる、もしくはなりそうになった原因」への回答結果
トラブル解決のためのサポート利用はわずか1割
クライアントとのトラブルを回避するために日頃から心がけていることを聞くと、「コミュニケーションをとる」が最多で約61.2%。「事前に契約書を確認」「仕事を受けるかどうか慎重に検討」といった回答が目立ちましたが、トラブルになる前に「友人や知人に相談」「専門家に相談」といった回答は少数でした。
「クライアントとのトラブルを避けるために日頃心がけていること」への回答結果
トラブルがあった際に頼ることができるサポートやサービスを利用したことがあるかという質問に対しては、「ある」と回答した人はわずか約10%。「ない」と回答した人には、そもそもトラブルに遭遇していない人も含まれると思われますが、まだサポートやサービスを利用することが広く浸透していない可能性もあります。
「トラブル時にサポートやサービスに頼ったことがあるか」への回答結果
フリーランスとして安心して仕事をするために、クライアントとトラブルが発生した際にどんなサポートがあれば良いか聞くと、複数回答が可能な中、「弁護士に相談できる」「トラブルによる損害を補償してもらえる」という回答がどちらも70%に達しました。トラブルを回避・軽減するために相談したいというニーズだけでなく、トラブルが起こってしまった後の補償も安心材料になると考えるフリーランスが多いと推測されます。
「クライアントとのトラブル発生時にあると良いと思うサポート」への回答結果
調査概要
調査テーマ:フリーランス新法に関するアンケート
調査対象:「FREENANCE byGMO」の登録ユーザー
調査期間:2024年9月27日~10月3日
有効回答数:430件
調査方法:インターネット調査
調査主体:FREENANCE byGMO
調査テーマ:フリーランス新法に関するアンケート
調査対象:「FREENANCE byGMO」の登録ユーザー
調査期間:2024年9月27日~10月3日
有効回答数:430件
調査方法:インターネット調査
調査主体:FREENANCE byGMO
多くの人がフリーランスを取り巻く環境の改善に期待
今回の調査では、フリーランス新法の内容まで理解している人は少なかったものの、理解している人の多くが、新法によってフリーランスを取り巻く環境が改善されることを期待していることがわかりました。また、フリーランスはトラブルが起こった際に、誰かに相談したり、サポートサービスを利用したりすることは少ないと推測されます。新法の施行によりフリーランスを取り巻く環境が変わることに加え、実際にトラブルが起こってしまった際のサポートの充実や、これに関する認知度を高めることが、フリーランスがより安心して働くために重要だと考えられます。
フリーランス新法は、フリーランスの人が安心して働ける環境を整備するため、フリーランスと企業などの発注事業者の間の取引の適正化とフリーランスの就業環境の整備を図ることを目的としています。
フリーランス新法は、フリーランスの人が安心して働ける環境を整備するため、フリーランスと企業などの発注事業者の間の取引の適正化とフリーランスの就業環境の整備を図ることを目的としています。
フリーランス法の概要は公正取引委員会の「フリーランス法特設サイト」などで確認できます
業務委託をした場合には書面等によってただちに取引条件を明示すること、60日以内に報酬支払い期日を設定し、期日内に報酬を支払うこと、そのほか育児介護等と業務の両立に対する配慮、ハラスメント対策に係る体制整備など、全部で7つの項目が設けられています。
働き方改革や働き方の多様化が進む中で、副業としてフリーランスで働く人も増えています。フリーランスとして働き始める際にはこれらの制度を十分に理解・活用し、不当な扱いを受けないよう発注事業者と交渉することが大切です。また、事業者側もフリーランス新法を順守することによって、経営リスクを下げることにつながるはずです。
フリーランス新法施行後も、さらなる制度の整備や社会全体の意識改革が必要ですが、フリーランスの労働環境改善や働き方改革を実現するための大きな一歩になるのではないでしょうか。
働き方改革や働き方の多様化が進む中で、副業としてフリーランスで働く人も増えています。フリーランスとして働き始める際にはこれらの制度を十分に理解・活用し、不当な扱いを受けないよう発注事業者と交渉することが大切です。また、事業者側もフリーランス新法を順守することによって、経営リスクを下げることにつながるはずです。
フリーランス新法施行後も、さらなる制度の整備や社会全体の意識改革が必要ですが、フリーランスの労働環境改善や働き方改革を実現するための大きな一歩になるのではないでしょうか。
安蔵 靖志
Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。