GMOグローバルサインが「総務大臣によるタイムスタンプ認定制度」認定を取得、電子認証局が管理・運用を行う認定タイムスタンプサービスを提供開始

安蔵 靖志

DXGMOインターネットグループ業務効率化
GMOインターネットグループで電子認証サービスを展開するGMOグローバルサインは2024年3月18日に、国が認定するタイムスタンプ制度で認定を取得していなかった新規参入事業者として初の認定を受けました。

これに伴い、2024年6月に電子認証局が管理・運用する認定タイムスタンプサービス「認定タイムスタンプ byGMO」の提供を開始すると発表しました。電子帳簿保存法など国内の法令への適合だけでなく、文書署名用証明書などの既存サービスと組み合わせた利用でも、文書保存の信頼性向上につながります。

信頼性と法的効力が確認された「認定タイムスタンプ」

タイムスタンプとは「その時点で当該電子文書が確かに存在していたこと」「その時点から当該電子文書が改ざんされていないこと」を示すもので、文書の日付と内容に関する証拠としての信頼性を高め、取引内容の確認や法的紛争の際に重要な役割を果たします。

認定タイムスタンプでは、これら2点をを第三者的に証明できる

タイムスタンプは、存在と改ざんを第三者的に証明できる、いわば時刻証明書にあたるものです

認定タイムスタンプとは、タイムスタンプの仕組みを国(総務省告示)による認定要件の枠組みの中で満たしたもので、主な要件としては以下の通りです。

・デジタル署名方式を用いること
・時刻源は国立研究開発法人情報通信研究機構のUTC(NICT)とすること
・発行する(した)タイムスタンプと当該時刻源との時刻差が1秒以内となるよう、時刻の品質を管理及び証明する措置を講じること
・タイムスタンプは十分な安全性を有する暗号技術や装置等を用いて生成・管理すること

※総務省資料(https://www.soumu.go.jp/main_content/000742673.pdf)より抜粋

GMOグローバルサインが6月から開始するタイムスタンプサービスは、上記要件を満たした上に、海外で既にGMOグローバルサインが運用しているタイムスタンプ局での知見やノウハウを活用したシステムである点が特徴です。

認定タイムスタンプの仕組み

認定タイムスタンプでは、文書データについて一意の識別子を生成する「ハッシュ値」と、データの信頼性と安全性を確保するための「PKI(公開鍵暗号基盤:Public Key Infrastructure)」の2つの技術が主に使われています。

文書データが変更されると、ハッシュ値も変わるため、データの改ざんを検出するのに役立ちます。データのハッシュ値は、データが特定の時点で存在したことを証明するためにタイムスタンプに含まれます。

PKIはデジタル証明書を発行し、公開鍵と秘密鍵を使用してデータの信頼性と安全性を確保するために利用されます。そして信頼できる第三者がデータのタイムスタンプを付与し、その信頼性を保証します。PKIを使用することで、タイムスタンプが改ざんされていないことを確認できます。

認定タイムスタンプの仕組み

1.電子文書からハッシュ値を計算
2.ハッシュ値をタイムスタンプリクエストとしてTSA局へ送信
3.TSUにてハッシュ値に時刻情報などを付与。なお時刻は標準時と高精度で同期したものを利用
4.TSA局の秘密鍵でデジタル署名を結合
5.タイムスタンプトークンとして利用者に発行。利用者はそれを保管
6.その後署名検証のために、再度電子文書からハッシュ値を計算
7.保管していたタイムスタンプトークンを、TSA局の公開鍵で復号しハッシュ値を取り出す
8.6.と7.の2つのハッシュ値を比較。同一のものであれば「タイムスタンプが押された時刻に電子文書が存在し、かつそこから改ざんされていない」ことを証明可能。不一致の場合は変更や改ざんがあることになる

認定タイムスタンプの使い方

認定タイムスタンプは、データやドキュメントの改ざん防止や時系列の正確な記録を提供するものです。安全性と信頼性が重視されるため、取引や証跡管理などで効果を発揮します。

タイムスタンプの利用イメージ

GMOグローバルサインの認証タイムスタンプの特徴

電子認証局運営企業ならではの強みを生かしたサービスを提供

GMOグローバルサインは、総務省による認定としては初のタイムスタンプサービス事業者4社のうち1社です。電子認証局を運営する企業ならではの強みを生かしたサービスを提供します。

海外での運用知見も生かしたサービスの提供

GMOグローバルサインは、既にEUにおいてeIDAS規則(電子識別および認証サービスのための欧州連合規則(EU)No 910/2014)認定のタイムスタンプサービスを展開しており、厳格な運用体制、サービス提供の知見を有しています。

既存サービスとの組み合わせによる信頼性の向上

20年以上にわたって電子証明書の発行やセキュリティ関連サービスを提供してきた経験を生かし、認定タイムスタンプと既存サービス(文書署名用証明書など)の組み合わせにより、データの完全性と真正性の保証、法的証拠としての強化、セキュリティの向上、取引の信頼性と透明性の向上など、既存サービスのさらなる差別化を図ることができます。

料金プラン

「認定タイムスタンプ byGMO」の料金プランは月額1万円から利用できる従量制プランと、定額制プラン(料金は要問い合わせ)を用意されます。

認定タイムスタンプ byGMOの料金プラン

「認定タイムスタンプ byGMO」認定取得記念キャンペーンを開催

GMOグローバルサインは、「認定タイムスタンプ byGMO」のサービス提供開始前から記念キャンペーンを開催。2024年6月に提供を開始する「認定タイムスタンプ byGMO」を下記期間中に成約した場合、キャンペーン価格で提供されます。

期間:2024年3月18日(月)~2024年12月20日(金)
対象:「認定タイムスタンプ byGMO」導入の方
内容:
・2024年6月28日までの申し込み者:60%OFF
・2024年9月30日までの申し込み者:50%OFF
・2024年12月20日までの申し込み者:40%OFF


2022年1月に改正の電子帳簿保存法が2024年1月に施行されたことで、電子取引における電子データ保存が完全義務化されました。タイムスタンプの付与要件は以前より緩和されているものの、電子データの発行者側はタイムスタンプの付与が必要になります。認定タイムスタンプサービスを検討している企業の担当者に「認定タイムスタンプ byGMO」は注目のサービスです。

安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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