オリジナルは1906年創業の「马迭尔冷饮厅」のアイスクリーム
息子がホテルで寝ている時間帯に出掛けて撮影した元祖ハルビン・中央大街アイスクリームといえる马迭尔冷饮厅(マディエアイスクリームパーラー)
ハルビン・中央大街に行ったら、みんなアイスクリームを食べる
やや誇張していうなら、ハルビンの中央大街で観光客らしい人はだいたいアイスクリームを食べていると言ってもいいほど、多くの人が絵に描いたようなクラシックな形状の棒付きアイスクリームを食べています。ちなみに観光客の大部分は中国人。筆者があまり通じない下手くそな中国語でしゃべっても「南から来たのか?」と聞かれるほど、外国人はほとんどロシア人なのでアジア系の外人は珍しいようです。
そんな中国人に聞いてもハルビン・中央大街に行ったらアイスクリームを食べるのはお約束というくらいアイスクリームが有名だといいます。いろいろと調べたのですが、どうも1906年にロシア系ユダヤ人であるジョセフ・カスプによって創業されたマディエ(ロシア語で英語のモダン)ホテルに初期段階から導入された西洋料理、シャーベット、アイスクリーム、パンから現在のアイスクリームなどを販売する部門から马迭尔冷饮厅(意訳するならマディエ(モダン)アイスクリームパーラー)となり、中国でももっと初期に営業をはじめたアイスクリームパーラーのひとつであるマディエ(モダン)アイスクリームパーラーが現在のハルビンといえばアイスクリームの始まりとなっているようです。ちなみにマディエ(モダン)ホテルはハルビン初の外資系ホテル。
そのため、ハルビンの中央大街といえば马迭尔(マディエ)のアイスクリーム、さらにそのイメージに他社も参入してハルビンといえばアイスクリームになったようです。それだけイメージが定着するには、もうひと要素くらいほしい気がするのですが……。ハルビンは冬が恐ろしく寒いのでアイスクリームを冷凍庫なしで売ることができたから、昔からアイスクリームがよく売られていた……みたいな話もあるのですが、信憑性がいまひとつだと思うのは筆者だけでしょうか。
筆者は2歳の子連れだったこともあり、タイミングが合わずマディエ(モダン)アイスクリームパーラーではなく、同じ中央大街のお店で马迭尔(マディエ)のアイスクリームを購入。気になるお味は練乳っぽい濃厚さを感じる普通のミルクアイスというのが素直な感想。马迭尔(マディエ)は1906年創業の味を今に受け継いでいるということなので、知り合いの中国人に聞いても、ネットなどの感想を読んでも、どうもクラシックなミルクアイスというのが妥当なラインのようです。価格はパッケージなしのむき出しのミルク味で5元(約100円)、パッケージありで10元(約200円)が一般的でした。20世紀初頭のモダンな味覚をエキゾチックさとノスタルジックな気持ちで味わうのがハルビンの白いアイスクリームの楽しみ方といえるでしょう。
そんな中国人に聞いてもハルビン・中央大街に行ったらアイスクリームを食べるのはお約束というくらいアイスクリームが有名だといいます。いろいろと調べたのですが、どうも1906年にロシア系ユダヤ人であるジョセフ・カスプによって創業されたマディエ(ロシア語で英語のモダン)ホテルに初期段階から導入された西洋料理、シャーベット、アイスクリーム、パンから現在のアイスクリームなどを販売する部門から马迭尔冷饮厅(意訳するならマディエ(モダン)アイスクリームパーラー)となり、中国でももっと初期に営業をはじめたアイスクリームパーラーのひとつであるマディエ(モダン)アイスクリームパーラーが現在のハルビンといえばアイスクリームの始まりとなっているようです。ちなみにマディエ(モダン)ホテルはハルビン初の外資系ホテル。
そのため、ハルビンの中央大街といえば马迭尔(マディエ)のアイスクリーム、さらにそのイメージに他社も参入してハルビンといえばアイスクリームになったようです。それだけイメージが定着するには、もうひと要素くらいほしい気がするのですが……。ハルビンは冬が恐ろしく寒いのでアイスクリームを冷凍庫なしで売ることができたから、昔からアイスクリームがよく売られていた……みたいな話もあるのですが、信憑性がいまひとつだと思うのは筆者だけでしょうか。
筆者は2歳の子連れだったこともあり、タイミングが合わずマディエ(モダン)アイスクリームパーラーではなく、同じ中央大街のお店で马迭尔(マディエ)のアイスクリームを購入。気になるお味は練乳っぽい濃厚さを感じる普通のミルクアイスというのが素直な感想。马迭尔(マディエ)は1906年創業の味を今に受け継いでいるということなので、知り合いの中国人に聞いても、ネットなどの感想を読んでも、どうもクラシックなミルクアイスというのが妥当なラインのようです。価格はパッケージなしのむき出しのミルク味で5元(約100円)、パッケージありで10元(約200円)が一般的でした。20世紀初頭のモダンな味覚をエキゾチックさとノスタルジックな気持ちで味わうのがハルビンの白いアイスクリームの楽しみ方といえるでしょう。
马迭尔(マディエ)のアイスクリームはクラシックな練乳入りミルクアイスキャンディーといった印象。味よりもハルビンで食べることに意味があるのでしょう
ミルクアイスキャンディーなので、子どもも食べやすい手軽な名物グルメです
エキゾチックとノスタルジックをプラスして味わうハルビン名物
ハルビンの歴史的背景を学んでおくとより楽しめる名物たち
歴史的な建物を残す通りでありながら、ハルビンでも有数のショッピング街なので、有名ブランドのロゴマークなども配置されています
現在1000万人超の人口を抱える大都市ハルビンですが、1890年代後半にロシアの南下政策による東清鉄道の建設が始まるまでは、ほとんど人の住んでいない地域だったといいます。東清鉄道の建設によってアジアとヨーロッパをつなぐ交通の要所となり、人口が急激に増えたそうです。
今回、紹介した「赤いソーセージ」「黒いパン」「白いアイスクリーム」は20世紀初頭のロシア統治時代からロシア文化などに強い影響を受けた、まさにモダンでエキゾチックな都市であるハルビンらしい名物といえるでしょう。
ハルビンは1890年代後半の東清鉄道の建設から始まって、日露戦争、南満州鉄道、伊藤博文暗殺、三国干渉、第2次世界大戦など、激動の半世紀をたどった日本、中国、ロシアの近代史のなかでも重要な都市といえます。そのため近代史の知識があるとロシア文化の影響を受けた「赤」「黒」「白」のハルビン名物をより深く楽しむことができるでしょう。残念ながら、筆者には、その知識が不足していたので、帰国してからいろいろと調べたのですが、非常に興味深く感じました。
ハルビンに行く前に予習をしても、行ってから調べてみても、特に歴史を気にしなくても、「赤いソーセージ」「黒いパン」「白いアイスクリーム」は、すべて試しても50元(約1000円)以下で楽しめる手軽なハルビン名物なので、とてもおすすめです。ハルビンに行ったら、ぜひ忘れずに試してみてください。
今回、紹介した「赤いソーセージ」「黒いパン」「白いアイスクリーム」は20世紀初頭のロシア統治時代からロシア文化などに強い影響を受けた、まさにモダンでエキゾチックな都市であるハルビンらしい名物といえるでしょう。
ハルビンは1890年代後半の東清鉄道の建設から始まって、日露戦争、南満州鉄道、伊藤博文暗殺、三国干渉、第2次世界大戦など、激動の半世紀をたどった日本、中国、ロシアの近代史のなかでも重要な都市といえます。そのため近代史の知識があるとロシア文化の影響を受けた「赤」「黒」「白」のハルビン名物をより深く楽しむことができるでしょう。残念ながら、筆者には、その知識が不足していたので、帰国してからいろいろと調べたのですが、非常に興味深く感じました。
ハルビンに行く前に予習をしても、行ってから調べてみても、特に歴史を気にしなくても、「赤いソーセージ」「黒いパン」「白いアイスクリーム」は、すべて試しても50元(約1000円)以下で楽しめる手軽なハルビン名物なので、とてもおすすめです。ハルビンに行ったら、ぜひ忘れずに試してみてください。
齋藤 千歳
フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。