ラーメンを食べるとなぜか鼻水が……この現象には名前がある
3月後半から5月にかけては、スギやヒノキ花粉がピークを迎え、アレルギー性鼻炎を持つ人にはつらい季節になります。一方で、ラーメンやうどん、熱いスープなどを口にすると、あまり粘りのない水のような鼻水が出たり、鼻づまりが和らいだりすることがあります。
こうした現象は医学的には「味覚性鼻炎(gustatory rhinitis)」と呼ばれ、感染やアレルギーが原因ではない鼻炎の一種です。食事中の刺激が神経を過敏にし、それに反応した鼻の粘膜が鼻水を分泌することで起こると考えられています。
味覚性鼻炎の人は、料理を口にした直後から、鼻のかゆみや鼻づまり、後鼻漏(こうびろう)、くしゃみ、涙目といった症状が現れることがあります。ただし、腹痛やめまい、じんましん、口の中や体のかゆみ・腫れ、吐き気、呼吸のしづらさ嘔吐などがある場合は、味覚性鼻炎ではなくアレルギー反応の可能性もあるため、症状が強いときには医師に相談するとよいでしょう。
味覚性鼻炎のはっきりとした原因はまだ解明されていません。ただ、食べ物の刺激が自律神経に働きかけて、反射や異常な反応を引き起こしているというのが有力な説です。特に熱いものや辛いものを食べたとき、その刺激がトリガーとなって、「ムスカリン受容体」という鼻の粘膜にあるセンサーのような部分に作用し、鼻水の分泌が促されると推測されています。
1989年に発表された研究で、辛いものを食べた後は鼻水に含まれるタンパク質量が大きく増加することが明らかになりました。この反応は、ムスカリン受容体の働きを抑える薬(アトロピン)で軽減できます。
ほかにも、食事の刺激で唾液や胃酸だけでなく、鼻腔周辺の自律神経まで活性化されて鼻水が増えるケースもあるようです。さらに、咀嚼などの動きによって神経が刺激され、鼻水が出やすくなるとも考えられています。
味覚性鼻炎なら、少し鼻水が出ても鼻をかめば気にならないことがほとんどです。熱い麺類や辛いものを食べるたびに薬を飲むというのは、あまり現実的な話ではありません。もし症状が強くて気になる場合は、医師に相談してみるのもいいでしょう。
こうした現象は医学的には「味覚性鼻炎(gustatory rhinitis)」と呼ばれ、感染やアレルギーが原因ではない鼻炎の一種です。食事中の刺激が神経を過敏にし、それに反応した鼻の粘膜が鼻水を分泌することで起こると考えられています。
味覚性鼻炎の人は、料理を口にした直後から、鼻のかゆみや鼻づまり、後鼻漏(こうびろう)、くしゃみ、涙目といった症状が現れることがあります。ただし、腹痛やめまい、じんましん、口の中や体のかゆみ・腫れ、吐き気、呼吸のしづらさ嘔吐などがある場合は、味覚性鼻炎ではなくアレルギー反応の可能性もあるため、症状が強いときには医師に相談するとよいでしょう。
味覚性鼻炎のはっきりとした原因はまだ解明されていません。ただ、食べ物の刺激が自律神経に働きかけて、反射や異常な反応を引き起こしているというのが有力な説です。特に熱いものや辛いものを食べたとき、その刺激がトリガーとなって、「ムスカリン受容体」という鼻の粘膜にあるセンサーのような部分に作用し、鼻水の分泌が促されると推測されています。
1989年に発表された研究で、辛いものを食べた後は鼻水に含まれるタンパク質量が大きく増加することが明らかになりました。この反応は、ムスカリン受容体の働きを抑える薬(アトロピン)で軽減できます。
ほかにも、食事の刺激で唾液や胃酸だけでなく、鼻腔周辺の自律神経まで活性化されて鼻水が増えるケースもあるようです。さらに、咀嚼などの動きによって神経が刺激され、鼻水が出やすくなるとも考えられています。
味覚性鼻炎なら、少し鼻水が出ても鼻をかめば気にならないことがほとんどです。熱い麺類や辛いものを食べるたびに薬を飲むというのは、あまり現実的な話ではありません。もし症状が強くて気になる場合は、医師に相談してみるのもいいでしょう。
太陽を見るとくしゃみが出るのは遺伝?
明るい太陽や強い光を見た瞬間、思わず鼻の奥がむずがゆくなり「ハクション!」とくしゃみが出る現象は「光くしゃみ反射」として知られています。医学的にはAutosomal Dominant Compelling Helio-Ophthalmic Outburst、Photic Sneeze Reflex(光くしゃみ反射)と称される遺伝による反射です 。
光くしゃみ反射は、報告によるものの世界の20〜35%程度の人に見られ、親から子へ遺伝するケースも報告されています。
光くしゃみ反射のメカニズムはまだ解明されていませんが、解剖学的には、主に強い光を浴びたときや、暗い場所から急に明るい場所に出たときの刺激が関係していると考えられています。
強い光の刺激は、まず目の奥にある網膜で感知され、「視蓋前域(しがいぜんいき)オリーブ核」、「エディンガー・ウェストファル核(Edinger-Westphal Nucleus、以下、EW核)」といった脳の部位を経由しながら、「毛様体神経節」へと伝わります。そして最後に「瞳孔括約筋」に到達し、瞳孔が縮みます。これが、よく知られている「対光反射」の仕組みです。
ただEW核からの信号の一部は、顔面神経を通じて脳を支配する「翼口蓋(ようこうがい)神経節」へも伝わります。ここは涙や唾液、鼻水の分泌をコントロールする場所で、さらに「蝶口蓋(ちょうこうが)神経」を介して鼻の粘膜が刺激されます。その結果、鼻水が分泌され、くしゃみへとつながる場合があるのです。
このようにして強い光を浴びると、鼻の粘膜が刺激されて鼻水が分泌されます。すると、その感覚が「三叉神経」を通って脳に伝わり、「三叉神経脊髄路核」や、延髄にある“くしゃみ反射中枢”が刺激されることで、くしゃみが反射的に引き起されると考えられています。
ちなみに、この反射は一瞬で起こるため、その分すぐに次の反射が起こりやすい特徴があります。いったんくしゃみが出ると、連続してくしゃみが出るのはそのせいです。
光くしゃみ反射は、基本的に体に害はありません。ただし、急に強い光を浴びてくしゃみが出やすい人は、例えば、車を運転中にトンネルを出た瞬間などは要注意です。ドライブ用の偏光サングラスで目に入る光の刺激を抑えると良いでしょう。
光くしゃみ反射は、報告によるものの世界の20〜35%程度の人に見られ、親から子へ遺伝するケースも報告されています。
光くしゃみ反射のメカニズムはまだ解明されていませんが、解剖学的には、主に強い光を浴びたときや、暗い場所から急に明るい場所に出たときの刺激が関係していると考えられています。
強い光の刺激は、まず目の奥にある網膜で感知され、「視蓋前域(しがいぜんいき)オリーブ核」、「エディンガー・ウェストファル核(Edinger-Westphal Nucleus、以下、EW核)」といった脳の部位を経由しながら、「毛様体神経節」へと伝わります。そして最後に「瞳孔括約筋」に到達し、瞳孔が縮みます。これが、よく知られている「対光反射」の仕組みです。
ただEW核からの信号の一部は、顔面神経を通じて脳を支配する「翼口蓋(ようこうがい)神経節」へも伝わります。ここは涙や唾液、鼻水の分泌をコントロールする場所で、さらに「蝶口蓋(ちょうこうが)神経」を介して鼻の粘膜が刺激されます。その結果、鼻水が分泌され、くしゃみへとつながる場合があるのです。
このようにして強い光を浴びると、鼻の粘膜が刺激されて鼻水が分泌されます。すると、その感覚が「三叉神経」を通って脳に伝わり、「三叉神経脊髄路核」や、延髄にある“くしゃみ反射中枢”が刺激されることで、くしゃみが反射的に引き起されると考えられています。
ちなみに、この反射は一瞬で起こるため、その分すぐに次の反射が起こりやすい特徴があります。いったんくしゃみが出ると、連続してくしゃみが出るのはそのせいです。
光くしゃみ反射は、基本的に体に害はありません。ただし、急に強い光を浴びてくしゃみが出やすい人は、例えば、車を運転中にトンネルを出た瞬間などは要注意です。ドライブ用の偏光サングラスで目に入る光の刺激を抑えると良いでしょう。

Munenori Taniguchi
ライター。ガジェット全般、宇宙、科学、音楽、モータースポーツetc.、電気・ネットワーク技術者。
実績媒体:TechnoEdge、Gadget Gate、Engadget日本版、Autoblog日本版、Forbes JAPAN他
Twitter:@mu_taniguchi