GMOインターネットグループでサイバー攻撃対策事業を展開するGMOサイバーセキュリティ byイエラエ（以下、イエラエ）は、韓国ソウル市に本部を置く私立大学・慶熙（キョンヒ）大学校の融合セキュリティ大学院と、2025年2月12日に業務提携に関する覚書を締結。同年4月1日には具体的な連携内容を含む共同研究契約を結ぶ予定だという。

慶熙大学校は1949年に設立され、その1つである融合セキュリティ大学院は2023年新設の特殊大学院として、韓国科学技術情報通信部および情報通信企画評価院（IITP）の「情報通信放送革新人材醸成事業」に選定されている。「情報セキュリティ」「無人移動体」「無線通信」「AI・ビジョン」の4つのコア技術分野を扱っており、無人移動体システムのハッキングやセキュリティに特化した教育・研究を実施。国際ドローンハッキング大会（HackTheDrone）の問題開発にも携わるなど、優秀なホワイトハッカーを多く輩出している。

一方、イエラエは「世界一のホワイトハッカーの技術力を身近に」を理念とし、国内最大規模のホワイトハッカーからなるサイバーセキュリティのプロフェッショナルカンパニー。これまでネットワーク、アプリケーション、IoT、クラウドなど多岐にわたる分野で脆弱性診断やペネトレーションテスト、セキュリティコンサルティングなどの実績を積み上げてきたが、昨今の宇宙産業の急拡大を背景に、宇宙空間におけるサイバーセキュリティ分野にも領域を拡大している。

2024年のHackTheDroneの決勝で、イエラエが世界1位を獲得したことをきっかけに両者は交流と深めたという。それぞれのIoTやドローン分野でのサイバーセキュリティ技術を深め合う過程で、無人移動体技術とサイバーセキュリティの融合をさらに進め、衛星や地上設備を含む宇宙システムへの展開を目指すべく、今回の業務提携に至ったとしている。

地上と宇宙空間とのデータ量は今後、宇宙関連のサービス拡大によりますます増大することが予想される。しかしITシステムやIoT製品と同様、宇宙システムに対してもハッキングや情報詐取などのサイバー攻撃が確認されており、その安全性に対する懸念が高まっている。

今回の提携により両者は、宇宙システムへのサイバー攻撃リスク解明と対策技術開発に向け、以下の取り組みを推進していくとしている。

・宇宙セキュリティ分野における共同研究の実施
・外部カンファレンスなどでの研究成果の共同発表
・イエラエでのインターンシップ活動・研究交流

慶熙大学校融合セキュリティ大学院が持つ無人移動体セキュリティに関する知見と、イエラエが培ってきた幅広いセキュリティ技術を結集し、人工衛星や地上設備の通信ネットワークなどを含む宇宙システムへ展開。宇宙システムにおけるサイバー攻撃リスクに備えるため、宇宙空間におけるサイバーセキュリティ技術の向上に貢献し、安全で持続可能な宇宙利用の実現を目指すとしている。