福島県須賀川市が電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」の導入を決定

2024.10.7

GMOグローバルサイン・ホールディングスは、自社が開発・運営する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を、福島県須賀川市が導入すると発表しました。須賀川市は、財政課の入札案件で電子印鑑GMOサインの利用を開始し、以降全庁へ利用範囲を拡大する方針です。

地域情報化計画に基づいたDXに向けて電子印鑑GMOサインを採用

須賀川市は、2022年に策定された「第5次須賀川市地域情報化計画」のもと、デジタル技術の活用による市民の利便性向上、自治体職員の業務効率化、継続的な情報セキュリティ対策強化などに取り組んでいます。今回は、契約事務の効率化や事業者の事務作業の軽減を図るため電子契約サービスの導入に至りました。

市は電子印鑑GMOサインを導入することで、紙の契約書と同等の法的効力を保持しつつ、印刷・製本・郵送や来庁の手間を削減することができるようになります。これにより、業務効率化や利便性の向上が可能となり、電子化に伴う印刷や収入印紙代等のコストの削減を通じて、地元事業者への経営支援の効果が期待できます。

さらに、各種外部機関のセキュリティ認証を取得する高い安全性も確保されていることに加えて、例規整備や説明会等のサポート体制が充実していることから、電子契約を初めて利用する自治体・相手方も安心して利用できます。

これらの理由から、安全性と利便性を両立しながら行政業務を効率化できる点が評価され、電子印鑑GMOサインの導入が決定しました。

契約の締結から管理までをワンストップで行える電子印鑑GMOサイン

電子印鑑GMOサインは、契約の締結から管理までをワンストップで行えるクラウド型の電子契約サービスです。印紙税や郵送費の削減、契約締結にかかる手間の軽減や時間の大幅な短縮により、業務の効率化を実現できます。

署名タイプは、一般的な「メールアドレス等により認証を行う立会人型（契約印タイプ）」と、「電子認証局による厳格な本人認証を行う当事者型（実印タイプ）」に加え、ハイブリッド契約（送信元は当事者型・相手方は立会人型）にも対応できます。契約内容に応じて署名タイプを使い分けることで、利便性と安全性のバランスを取りやすいことが特長です。

電子契約の流れ

電子印鑑GMOサインは情報セキュリティマネジメントシステム（ISMS）の国際規格である「ISO/IEC 27001」、クラウドサービスセキュリティ「ISO/IEC27017」を取得しています。また、米国公認会計士協会（AICPA）によるサイバーセキュリティフレームワークの国際認証「SOC2 type2」の取得、日本政府の定めるセキュリティ基準を満たす「ISMAP」への登録を果たすなど、国内外の外部機関からも安全性の高さを評価されています。

GMOグローバルサイン・ホールディングスは、今後も全国各地の自治体DXに関する知見を提供し、各自治体とともに庁内における契約業務の効率化や安全性を確保した行政サービスの向上、ペーパーレス化を通じた環境保護・SDGsへの貢献を推進していくとのことです。

2020年に発生してまたたく間に広がったコロナ禍により、テレワークの導入やオンライン教育の実施、オンライン診療実現のための規制緩和など、ICTを活用したさまざまな取り組みが行われてきました。このタイミングのデジタル化による急速な社会の進化は、多くの人が目の当たりにしたのではないかと思います。

デジタル化の利便性を多くの国民が享受し、実感している現代において、企業だけでなく自治体も効率化や市民サービス向上に向けたDXの取り組みを進めていく必要があります。現在、多くの自治体が電子契約サービスの導入を検討しており、実証実験の実施や本格導入が急ピッチで進んでいる状況です。あと数年もすれば、電子契約サービスを導入していない自治体は時代遅れといわれるようになるでしょう。コスト削減や利便性向上、市民サービス向上に向け、より多くの自治体が少しでも早く電子契約サービスを導入し、日本の社会全体のアップデートが進むことを期待したいところです。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。