渋谷30分圏内のグルメ天国!? 横浜・白楽「六角橋商店街」

2022.7.6

3. サリサリカリー

パキスタンカレーのお店『サリサリカリー』（神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-9-2）。ランチタイムの行列は避けられない人気店で、メイン料理は「スリーコースセット」（税込1200円）ひとつしかないため、ほとんどの人がそれをオーダーします。ちなみに持ち帰りもできますよ。

ランチタイム、奇抜な看板の前には、多数の人たちが行列を作っています

カレーや弁当を持ち帰って自宅で食べることもできます

スリーコースセットはカレー、サラダ、チャイがセットになったもので、メインディッシュのカレーは他に類を見ない出来栄えです。水を一切使用せず、食材のエキスだけで仕上げられたカレーで、鶏肉の存在を強く感じる仕上がり。スプーンで持ち上げれば、見た目以上に「重い」密度を感じます。

パリパリ新鮮なにんじん、きゅうり、キャベツのサラダはカレーの箸休めにバッチリ

スリーカレーセットはカレー、サラダのほかにチャイが付きます

その味ですが、極めてハッキリとしたテイスト。鶏肉の優しい食感と旨味、トマトの爽やかな酸味、たまねぎのほのかな甘味、そして冴えたる塩テイスト。

水だけでなく化学調味料も不使用で、味付けはスパイスと塩のみという話です。タマネギやトマトなど、そのほか複数の食材を大量に使って仕上げているため、濃くて密度のあるカレーに仕上がっているのだと思います。

チキンがたっぷりなカレー。食べればホロホロと崩れて旨味とスパイシーさを放ちます

このカレーですが、ふたつの要素があることに気が付くはず。チキンがスパイスを纏（まと）っている部分と、サラサラでオイリーな部分です。チキン部分はおかずのごとくライスにのせて食べ、サラサラでオイリーな部分はライスを浸して食べる。どちらも美味です。これ、カレーであることは確かですが、チキンの煮込み料理と感じる人もいるかもしれませんね。

具だくさんカレーならぬ、チキンだくさんカレー。とことんチキンを味わえます

食後のチャイは刺激的なカレーに包まれた味覚をスッキリさせてくれます

もうひとつ注目すべきはライス。やや硬めに炊かれたライスは、カレーと抜群の相性。しっかりとカレーを吸収して、“スパイシーな辛さと融合したライスの甘味”が楽しめます。

店名：サリサリカリー
住所：神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-9-2
営業時間：11:30～14:00 17:00～20:00 土日祝11:30～20:00
定休日：木曜・第3水曜
備考：臨時休業や時短営業等をしている場合がありますのでご確認ください

4. くり山

白楽には人気のラーメン店がいくつかありますが、つけ麺もラーメンも間違いないものを食べたければ『くり山』（神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-17-29）は間違いなく選択肢に入るお店です。

店主は『旧東池袋大勝軒』と『旧大崎六厘舎』で修業した熟練の職人で、つけ麺が絶賛されているお店。使っている製麺機はあの大勝軒の故・山岸一雄氏から譲り受けた物だそう。“つけ麺界のサラブレッド”とファンの間では称されています。

そしてラーメン、いわゆる中華そばも高い評価を得ているのです。

店舗は商店街からはずれた住宅街にポツンとあります

今回は、つけ麺に勝るとも劣らない高評価を得ている「中華そば」（税込750円）に「味玉」（税込100円）を乗せて食べてみました。

店先にある券売機で食券を買い、店内に案内されるまで並んで待ちます。タイミングが良いと待たずに入れますが、ランチタイムは複数の人たちが並んでいるので、時間に余裕を持っていくと良いでしょう。

つけ麺、中華そば、各種トッピング、ビールもありますよ

店内にはテーブル席もありますが、筆者は1人客なのでカウンター席へ。座って待つこと数分、味玉入りの中華そばが店員さんから手渡されました。

美しく整然と盛られた具はチャーシュー、ナルト、メンマ、海苔、刻みねぎ、そしてトッピングの味玉。スープの湖面には細かい油玉がギッシリと浮いていて、油膜を作っています。そのためか湯気は少なめ。丼の側面に触れるとアツアツなので、油膜が保温の役割をしているともいえます。

大判のチャーシューがインパクト大な盛り付け。スープが濃厚で沈む麺がほとんど見えません

ナルト、海苔、メンマ、そのほかたくさんの具が盛られています

箸で麺をサルベージすると、中太麺にしがみついた魚介豚骨ベースのスープが強い香りを放ちます。これがもう、限りなく香ばしく、スープが濃いことを食べる前から教えてくれます。

期待してズズッとすすれば、期待以上、想像以上の“ガツン！”とした魚介の香りが味覚と嗅覚を包み込みます。それでいて、ツルツルシコシコの中太麺が楽しすぎる。小麦の旨味を放ちながらプリプリ食感でダンシング。

ニンニクなどの無料トッピングは自分で丼に投入します

レンゲでスープをすくえば、ドロドロではなく思っていたよりサラサラ。それなのにスープを飲んだ瞬間から広がる魚介の旨味はディープで濃厚。たまりません。

美しさを感じるほどのストレート麺は、持ち上げると魚介豚骨の香りを放ちます

スープはダシの旨味が濃いので飽きずにレンゲで飲み続けられます

チャーシューはパサパサ系とジューシー系の中間的食感で、たっぷりとスープに浸してから食べると、よりジューシー感が高まって美味。やや弾力がありながらもホロホロと崩れゆくチャーシューの柔らかさも堪能できます。

味玉はやや甘めで、レンゲでスープとともに味玉をすくい、ともに食べると「甘味」＋「旨味」＋「塩気」で楽しめます。

チャーシューはしっかりスープに沈めてから食べると、美味しさが引き立ちますよ

味玉は終盤に割って食べると味覚を包んでいた塩気がリセットされ、さらに強いコクが楽しめます

くり山の中華そば、たまらない一杯でした。つけ麺で高い評価を得ているお店なので、初見の場合はつけ麺でも良いでしょう。でも、2回目やそれ以降の来訪では、ぜひとも中華そばを味わってみてください。この店の計り知れない可能性を知ることができますよ。

店名：くり山
住所：神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-17-29
営業時間：11:00～15:00 18:00～21:00 土日祝11:00～21:00
定休日：火曜
備考：臨時休業や時短営業等をしている場合がありますのでご確認ください

今回ご紹介したお店は、どこも白楽駅から徒歩圏内の六角橋商店街周辺。東京都内からも、横浜からも行きやすい地域にあり、渋谷勤務の方が暮らすにもよい、無理がない距離でしょう。白楽駅で降りたことがない人も少なくないでしょうが、それは実にもったいない。グルメな人にこそ、この街の魅力を知ってもらいたいと思うのでした。

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クドウヒロカズ

旅人・編集者・ライター
ガジェット通信、ロケットニュース24、Pouchの初代編集長・創設者。TVチャンピオン「焼肉王選手権」「デカ盛り王選手権」共に準優勝。日清公認どん兵衛士。空条海苔助の名義で「世にも微妙なグルメレストラン」「彦龍のノリヒコさん」出版。「月曜から夜ふかし」出演。無人航空従事者試験3級、一級小型船舶免許所持。秘境レポには定評あり。昭和的な「個人経営の焼肉屋」をめぐる旅をする焼肉マニア。