Claude 3は高い日本語力を持つ最上位モデル・Opusが利用可能に
Claudeの最新バージョン「Claude 3」には性能の異なる3つのモデルが存在しています。能力が高い順に「Opus」「Sonnet」「Haiku」と呼ばれており、このうち最上位のOpusは「GTP-4を超える」とも噂される高機能版です。
無料で利用できるClaudeのモデルはSonnetのみで、OpusやHaikuを利用したい場合は課金が必要になります。
Claude3の大きな特徴は高い“日本語力”です。
生成AIはアイデア次第でいろいろな用途に使えるものの、日本語の不自然さだけはどうにもならない……。そんなふうに思っている人も多いはず。
しかし、Claude 3が生成する文章はかなり自然。「注意深く読んで自然に見える文章に修正する」という手間をほぼ省けることも多いです。
例えば、青空文庫に収録されている夏目漱石の『こころ』の冒頭部分を要約してもらうように頼んでみました。
本文中の漢字にはルビが振ってありますが、これをあらかじめ取り除くのはかなり面倒。そのままコピペしてみます。
無料で利用できるClaudeのモデルはSonnetのみで、OpusやHaikuを利用したい場合は課金が必要になります。
Claude3の大きな特徴は高い“日本語力”です。
生成AIはアイデア次第でいろいろな用途に使えるものの、日本語の不自然さだけはどうにもならない……。そんなふうに思っている人も多いはず。
しかし、Claude 3が生成する文章はかなり自然。「注意深く読んで自然に見える文章に修正する」という手間をほぼ省けることも多いです。
例えば、青空文庫に収録されている夏目漱石の『こころ』の冒頭部分を要約してもらうように頼んでみました。
本文中の漢字にはルビが振ってありますが、これをあらかじめ取り除くのはかなり面倒。そのままコピペしてみます。
ルビ部分が本文に含まれたかたちでペーストされた状態から要約してもらう
するとこのように、箇条書きで要約されたものが出力されました。
わかりやすく、こなれた文章で要約が出力される
他の生成AIに要約を頼むと、「にさんち」などの特徴的なルビが結果に干渉してくることも多いのですが、Claudeでは影響なしです。
また「私が先生と知り合ったのは鎌倉である」「その時の私はまだ若い書生であった」という2つの文章をただつなげるだけでなく、「若い書生時代の鎌倉」と、自然な文章で要約できているのもわかります。
有名な作品なので、概要を学習済であるだけかとも思いましたが、あくまで要約はテキストを貼った部分のみが対象となっていて、ここで明かされていない情報には触れられていないので、「入力された内容を、不要な情報を省いたうえで箇条書きにまとめた」結果であると考えてよさそうです。
夏目漱石のような美しく整った文章だけでなく、私が身内に向けて書いた日記のような自分のnoteの記事も要約させてみました。
また「私が先生と知り合ったのは鎌倉である」「その時の私はまだ若い書生であった」という2つの文章をただつなげるだけでなく、「若い書生時代の鎌倉」と、自然な文章で要約できているのもわかります。
有名な作品なので、概要を学習済であるだけかとも思いましたが、あくまで要約はテキストを貼った部分のみが対象となっていて、ここで明かされていない情報には触れられていないので、「入力された内容を、不要な情報を省いたうえで箇条書きにまとめた」結果であると考えてよさそうです。
夏目漱石のような美しく整った文章だけでなく、私が身内に向けて書いた日記のような自分のnoteの記事も要約させてみました。
口語的表現も入ったくだけた文章ですが……
的確な要約が出力されます。
こんなにまとまった箇条書きが出力される
わりと乱筆乱文、ネットスラングなども使っていても、影響はないようです。
他の生成AIに比べ、「日本語がこなれている」という印象は強く、ネットスラングやいわゆる「バズ構文」のような癖のあるテキストを読ませても、日本語としておかしな文章や、意味の通じない要約は生成されないようです。
ChatGPTやGeminiでも、長いメールや会社のオフィシャルなイベントについての招待状など、プロンプトを工夫すれば、どのようなフォーマットにも対応でき、要望に応じた内容のテキストを生成することができます。しかし、読みやすく、文章の趣旨と文体が一致した自然な文章を生成するには、プロンプトの改善だけでは限界があり、チェックを兼ねて人間が手直しするのが当たり前でした。
そういった手間が、Claudeならまるっと省けるのではないか……と期待できます。いくつか、自分の書いたテキストを読み込ませてみて、校正を依頼してみましたが、どれも「なるほど」「きちんと理解している」という指摘がClaudeからあったため、ライターとしてはかなり魅力を感じます。
月額料金は20ドル(約3000円)。
課金により使えるモデルが増えるだけでなく、混雑時の優先的な処理や、チャットでやり取りする文章量や回数の利用上限も、無料版の5倍以上を確保できるとのこと。長いテキストの要約や校正作業ではかなりトークンを消費することになりそうなので、Claude 3をガッツリと使うなら課金したほうが快適そう……とは感じます。
しかし、Claude3の日本語力だけでOK!と言い切れるかといえば、そうでもありません。他生成AIは、箇条書きではなく、文章を短くまとめるスタイルの要約もできますが、Claude 3は基本的に箇条書きが出力されるのです。
また、既存のデータを整理してまとめる作業、たとえば、会議の文字起こしを議事録にまとめたり、プレゼン資料を作成したりといった用途には、構成力(情報をどの順番で提示するか)がやや物足りないようにも感じます。
他の生成AIは、フォーマットさえ指定すれば会議の録音データの文字起こしを丸投げして議事録に……といったこともできましたが、Claude 3ではちょっと難しそうです。
語彙(ごい)力の高さや言葉選びの美しさなどが求められる用途で、戦力として期待できるのは間違いありません。しかし、ビジネスにおいて幅広く活用するには、議事録としてのフォーマットを事細かに指定する必要があることや、「○○についての話題を盛り込んでください」などの追加指示をして肉付けをするといった、新たな一手間が必要になることが多いでしょう。
他の生成AIに比べ、「日本語がこなれている」という印象は強く、ネットスラングやいわゆる「バズ構文」のような癖のあるテキストを読ませても、日本語としておかしな文章や、意味の通じない要約は生成されないようです。
ChatGPTやGeminiでも、長いメールや会社のオフィシャルなイベントについての招待状など、プロンプトを工夫すれば、どのようなフォーマットにも対応でき、要望に応じた内容のテキストを生成することができます。しかし、読みやすく、文章の趣旨と文体が一致した自然な文章を生成するには、プロンプトの改善だけでは限界があり、チェックを兼ねて人間が手直しするのが当たり前でした。
そういった手間が、Claudeならまるっと省けるのではないか……と期待できます。いくつか、自分の書いたテキストを読み込ませてみて、校正を依頼してみましたが、どれも「なるほど」「きちんと理解している」という指摘がClaudeからあったため、ライターとしてはかなり魅力を感じます。
月額料金は20ドル(約3000円)。
課金により使えるモデルが増えるだけでなく、混雑時の優先的な処理や、チャットでやり取りする文章量や回数の利用上限も、無料版の5倍以上を確保できるとのこと。長いテキストの要約や校正作業ではかなりトークンを消費することになりそうなので、Claude 3をガッツリと使うなら課金したほうが快適そう……とは感じます。
しかし、Claude3の日本語力だけでOK!と言い切れるかといえば、そうでもありません。他生成AIは、箇条書きではなく、文章を短くまとめるスタイルの要約もできますが、Claude 3は基本的に箇条書きが出力されるのです。
また、既存のデータを整理してまとめる作業、たとえば、会議の文字起こしを議事録にまとめたり、プレゼン資料を作成したりといった用途には、構成力(情報をどの順番で提示するか)がやや物足りないようにも感じます。
他の生成AIは、フォーマットさえ指定すれば会議の録音データの文字起こしを丸投げして議事録に……といったこともできましたが、Claude 3ではちょっと難しそうです。
語彙(ごい)力の高さや言葉選びの美しさなどが求められる用途で、戦力として期待できるのは間違いありません。しかし、ビジネスにおいて幅広く活用するには、議事録としてのフォーマットを事細かに指定する必要があることや、「○○についての話題を盛り込んでください」などの追加指示をして肉付けをするといった、新たな一手間が必要になることが多いでしょう。
結局、生成AIサービスはどう選ぶべき?
各サービスの大まかな傾向としては。ChatGPTはどんなプロンプトでも一定の質を担保した回答が返ってくることと、構成力が魅力。画像を生成する機会が多い人にも向いていると感じます。Geminiはプロンプトに忠実なシンプルな出力を得意としており、そこにGoogle各サービスがシームレスに連携してくるメリットが強みです。Claude 3は日本語力の高さは今のところ唯一無二であるものの、活用の仕方は未知数……という印象です。
全部に課金する必要はないですが、GeminiやChatGPTの出力をClaudeで自然な日本語にまとめるなど、「いいとこ取り」の使い方が、現状では一番コスパ、及びタイパがよいのでは?と感じました。
全部に課金する必要はないですが、GeminiやChatGPTの出力をClaudeで自然な日本語にまとめるなど、「いいとこ取り」の使い方が、現状では一番コスパ、及びタイパがよいのでは?と感じました。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019