外に出てこそ真価がわかる
冷房の効いた屋内では、クールリュックシートへの印象は「それなりに冷たいなあ」くらいのものでしたが、いざ灼熱の屋外に出ると……良い。クールリュックシートよ、お前の戦場はここだったのね。使用前に私が最も心配していた結露も起きません。氷だったらびしょびしょになるのに!
リュックサックを背負って自転車を走らせるのも快適です。そして私が最も気に入った利用シーンは「電車」。乗客で混み合った電車に乗り込むとき、リュックサックを背中からお腹側に掛け替えますが、これは真夏にはちょっとした苦行なのです。体温で蒸されたリュックがお腹のあたりにノッソリやって来ることを想像してみてください。イヤでしょう?
でもクールリュックシートがあると、それなりにひんやりした状態のリュックサックがお腹に当たるわけです。肩甲骨や広背筋あたりを冷やしていたクールリュックシートが、今度は胸元やみぞおちあたりを冷やしてくれる。思わずリュックサックをギュッと抱きしめたくなります。満員電車で乗車マナーを守っているだけなのに、気持ちがいい!
ちなみに「ひょっとしてランニング中もいいんじゃない?」と思って試してみましたが、残念ながら私のスタイルには合いませんでした。真夏のランニングではとんでもない量の汗をかくので、私は「冷たさ」よりも「通気性」を追い求めたいのです。ペラッペラのタンクトップをヒラヒラさせながら走るのが私は好き。ということで、背中を覆うリュックサックや硬い板状のクールリュックシートは、ちょっとミスマッチでした。荷物を持って軽々と走る人には憧れるんですけどね。
リュックサックを背負って自転車を走らせるのも快適です。そして私が最も気に入った利用シーンは「電車」。乗客で混み合った電車に乗り込むとき、リュックサックを背中からお腹側に掛け替えますが、これは真夏にはちょっとした苦行なのです。体温で蒸されたリュックがお腹のあたりにノッソリやって来ることを想像してみてください。イヤでしょう?
でもクールリュックシートがあると、それなりにひんやりした状態のリュックサックがお腹に当たるわけです。肩甲骨や広背筋あたりを冷やしていたクールリュックシートが、今度は胸元やみぞおちあたりを冷やしてくれる。思わずリュックサックをギュッと抱きしめたくなります。満員電車で乗車マナーを守っているだけなのに、気持ちがいい!
ちなみに「ひょっとしてランニング中もいいんじゃない?」と思って試してみましたが、残念ながら私のスタイルには合いませんでした。真夏のランニングではとんでもない量の汗をかくので、私は「冷たさ」よりも「通気性」を追い求めたいのです。ペラッペラのタンクトップをヒラヒラさせながら走るのが私は好き。ということで、背中を覆うリュックサックや硬い板状のクールリュックシートは、ちょっとミスマッチでした。荷物を持って軽々と走る人には憧れるんですけどね。
この冷たさ、なんだか懐かしい……!
最後にもう1つ、クールリュックシートの大変チャーミングなところを紹介します。このシート、基本的には外出時に最も輝く涼感アイテムですが、冷房の効いた部屋でも、つい、なんとなく触ってしまうのです。
お風呂上がりや、なんとなく気だるい夕方に、腕や太ももをクールリュックシートに押しつけてボーッとしてしまいます。これととてもよく似た行為を、かつての私はやったことがある気がする……なんだっけ……。クールリュックシートにグリグリと腕を押し当てて思案すること数分、薄暗くひんやりとした台所の床を思い出しました。
小学生の頃の私は、さほど友達もおらず、外で遊ぶ快活さもなく、夏休みや真夏の週末は冷蔵庫や台所の床に1日中へばり付いてゴロゴロしていました。冷たさを全身で味わって、やがて体温で床が温まると体をゴロンと移動させ、まだ私の熱に侵食されていないエリアを探してへばりつく。そのさまはまるでタニシのよう。まあ、私はタニシではなく人間だったので、タニシには「ウチらとアンタと一緒にしないでくれ」と言われそうですが。あれほど「何もしていない」状態はなかったけれど、楽しかったなあ。
クールリュックシートがくれるちょうどよい冷たさは、そんなノスタルジーをかき立てる優しい心地よさでもあります。私のようにタニシを思い出す人は少ないかもしれませんが、電車では間違いなく快適。ぜひ使ってみてね!
お風呂上がりや、なんとなく気だるい夕方に、腕や太ももをクールリュックシートに押しつけてボーッとしてしまいます。これととてもよく似た行為を、かつての私はやったことがある気がする……なんだっけ……。クールリュックシートにグリグリと腕を押し当てて思案すること数分、薄暗くひんやりとした台所の床を思い出しました。
小学生の頃の私は、さほど友達もおらず、外で遊ぶ快活さもなく、夏休みや真夏の週末は冷蔵庫や台所の床に1日中へばり付いてゴロゴロしていました。冷たさを全身で味わって、やがて体温で床が温まると体をゴロンと移動させ、まだ私の熱に侵食されていないエリアを探してへばりつく。そのさまはまるでタニシのよう。まあ、私はタニシではなく人間だったので、タニシには「ウチらとアンタと一緒にしないでくれ」と言われそうですが。あれほど「何もしていない」状態はなかったけれど、楽しかったなあ。
クールリュックシートがくれるちょうどよい冷たさは、そんなノスタルジーをかき立てる優しい心地よさでもあります。私のようにタニシを思い出す人は少ないかもしれませんが、電車では間違いなく快適。ぜひ使ってみてね!
花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori