子どもの頃からオールタイムベスト、森永製菓の「ダース」
ルポミエのトランシュオランジュや、ボナのカカオ・レアル・デル・ソコヌスコと同じくらいお気に入りなのが森永製菓の「ダース」です。子どもの頃からずっと大好き。オールタイムベスト!
ダースは私にとって革命的存在でした。なめらかな口当たりやミルクとカカオの甘い香りもさることながら、見た目がつるんと愛らしいんですよね。小さくてツルツルしたかわいいものがトレイに3×4できちんと並んでいるのが良い。かけ算を覚えたての当時の私は「3×4で、たしかに12個ある」と納得しましたし、ついでに「12個の集まりを“ダース”と呼ぶ」こともダースで知りました。発売当初の英語表記はDARSではなくDOZENで、それがまた謎めいた魅力だったと思います。
美味かつキレイなものが自分の手の中にあり、それが12個美しく並んでいる状態が、個人的にパーフェクトだったわけです。
で、当時から食い意地の強さが人並み以上だった私は、1個食べては番町皿屋敷のようにチョコを数え、ダースが12個から遠ざかっていくことがなんだか世界が欠けていくようで許せませんでした。食べたらそりゃ減っていくのは当然で、ある意味ではちゃんと満ち足りているのに、私の身に起こってはいけないことが起こっているように思えたのです。そうやって不条理だと腹を立てるくせに、数日後にはキッチリ完食して12を0にする自分の業の深さも、トレイが空っぽになるカタルシスも、今に思えばダースのおいしさの一部でした。
ダースは私にとって革命的存在でした。なめらかな口当たりやミルクとカカオの甘い香りもさることながら、見た目がつるんと愛らしいんですよね。小さくてツルツルしたかわいいものがトレイに3×4できちんと並んでいるのが良い。かけ算を覚えたての当時の私は「3×4で、たしかに12個ある」と納得しましたし、ついでに「12個の集まりを“ダース”と呼ぶ」こともダースで知りました。発売当初の英語表記はDARSではなくDOZENで、それがまた謎めいた魅力だったと思います。
美味かつキレイなものが自分の手の中にあり、それが12個美しく並んでいる状態が、個人的にパーフェクトだったわけです。
で、当時から食い意地の強さが人並み以上だった私は、1個食べては番町皿屋敷のようにチョコを数え、ダースが12個から遠ざかっていくことがなんだか世界が欠けていくようで許せませんでした。食べたらそりゃ減っていくのは当然で、ある意味ではちゃんと満ち足りているのに、私の身に起こってはいけないことが起こっているように思えたのです。そうやって不条理だと腹を立てるくせに、数日後にはキッチリ完食して12を0にする自分の業の深さも、トレイが空っぽになるカタルシスも、今に思えばダースのおいしさの一部でした。
私的オールタイムベスト、森永「ダース」
幼少期に出合った革命的チョコでいうと明治の「メルティーキッス」も口に入れた瞬間にあまりのおいしさに激震が走った忘れがたい存在です。カカオパウダーのソフトな苦味をおいしく感じてビックリしたんですよね。「苦い」と「おいしい」が結びつくなんて、抹茶の濃茶以外では経験がなかったのです。ということでこちらも数十年来のオールタイムベスト。ダースもメルティーキッスも末永く私のそばにいてほしいです。
「苦い」が「おいしい」、明治「メルティーキッス」
記憶に残るチョコレートは数知れず
2026年に日本で入手しやすいチョコレートのうち、私の記憶と結びついている大好きなものを3つ取り上げました。番外編として、かつて日本でも手に入っていたけれど現在は見かけないチョコレートを挙げると、イタリアのルカ・マンノーリのアーモンドプラリネにもう一度出合いたいです。クラッシュしたアーモンドと香ばしくキャラメリゼされた砂糖のシャリシャリ感! プラリネってこんなにおいしいものなのかと感動して以来、いろいろなプラリネを試しています。どのプラリネもおいしいですよ。大満足。ただし、その満足の数%はマンノーリのプラリネとの思い出でできています。こんなふうに、かわいらしいが罪作りな存在が、私にとってのチョコレートなのです。

花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori













