『ミラベルと魔法だらけの家』は世界的なムーブメントに
そして、『ミラベルと魔法だらけの家』はディズニーとタッグを組んだ2つめの長編アニメーションで、これもまたレリゴーレベルの驚異的なムーブメントを起こしました。楽曲『秘密のブルーノ』が全米ビルボードチャートの1位を連続して獲得し、劇場公開からしばらくたってジワジワとヒットし始めたのです。本作は戦略的に、劇場公開からわずか30日後にディズニープラスにて世界配信が行われたのですが、この楽曲に注目が集まったのはまさに配信が行われた直後から。その意味では、短期間での配信も成功というところでしょう。
『秘密のブルーノ』は、映画のストーリーの転換点であるとある「夕食」をきっかけに、すべての出演者がそれぞれのメロディを持ち、それらが有機的に組み合わさった高度な楽曲です。しかもキャッチーであり、直感的に理解できる構成となっていました。個人的には先の『I am Moana』と同じくらい、衝撃を受けました。
『秘密のブルーノ』は、映画のストーリーの転換点であるとある「夕食」をきっかけに、すべての出演者がそれぞれのメロディを持ち、それらが有機的に組み合わさった高度な楽曲です。しかもキャッチーであり、直感的に理解できる構成となっていました。個人的には先の『I am Moana』と同じくらい、衝撃を受けました。
この『ブルーノ』ブームはさすがに読めなかったのか、今回のアカデミー賞のノミネート楽曲としては提出されていません。『Dos Oruguitas』は直球のディズニーテーマ曲といったところで順当な選出とはいえます。しかしアカデミーはなんとこの『秘密のブルーノ』をライブパフォーマンスとしてオープニングに流すと発表しました。アメリカでは、それほどまでにリン=マニュエル・ミランダの楽曲が愛されているのです。アメリカのトーク番組「ジミー・キンメル・ライブ」では、リン=マニュエル・ミランダが出演するこんな面白CMまで登場しました。
ディズニーはこれで、クラシックなディズニー作品を作るアラン・メンケン、常にヒットソングを作り出せる技術力のあるロバート・ロペスとクリステン・アンダーソン・ロペス夫妻、そして多才なリン=マニュエル・ミランダという、黄金期に引けを取らない楽曲制作陣を抱えることになりました。そしてハリー・ベイリーがアリエル役を担当する実写版『リトル・マーメイド』においては、オリジナル版でも楽曲制作を担当したアラン・メンケンが、そしてそこにリン=マニュエル・ミランダが加わることを発表しています。こちらも、とても楽しみです。
We’re off and swimming! https://t.co/av6udBuIlp
— Alan Menken (@AIMenken) April 10, 2019
ここまで挙げた作品は、どれもディズニープラスで見ることができます。『ミラベルと魔法だらけの家』を見て音楽的に気になった方は、ぜひ『モアナと伝説の海』『メリー・ポピンズ リターンズ』などもあわせてチェックしてみてください。すべてチェックしたら、きっとあなたもリン=マニュエル・ミランダのファンになっているでしょう!
宮田 健
ライター
2012年よりITセキュリティのフリーライターとして活動するかたわら、個人活動として“広義のディズニー”を取り上げるWebサイト「dpost.jp」を1996年ごろから運営中。テーマパークやキャラクターだけではない、オールディズニーが大好物。2020年、2022年には講談社「ディズニーファン」に短期連載も。
Webサイト:https://dpost.jp/
X:@dpostjp