さて、こんなに便利なチャットAIですが、「質問した機密内容をAIが誰かに答える」なんてトラブルも心配されています。質問により学習をするAIであれば、いつかは起こり得る事象なのかもしれないなと感じます。

ただ、これらのリスクも、使う側の人間のリテラシー強化により避けることが可能です。

例えば僕が、「4月1日から揚げシューマイ入りラーメンを発売する、あいうえお商事のプレスリリースを書く広報担当者」だったとしましょう。AIにプレスリリースの草案を書いてもらうのはよいのですが、その際に気をつけるべきは、質問を「抽象化」すること、または別のことに置き換えて質問するということです。

例えば、日付や具体的な会社名などは、AIがテキストを吐き出した後にこちらで書き換えれば済む話です。また、「揚げシューマイ入りラーメン」という製品の特異性も、必ずしも書き込む必要はありません。

一般に、翻訳サービスや校正サービスなどインターネット上で提供されているソフトウェアサービスには、すでに公開された公知の事実以外の情報は入力しない方が無難です。これはチャットAIでも同じことがいえます。

また、AIによって生成した下書きは必ず、自分で書き上げる能力がある人が最終チェックをするなど、品質を担保するフローを入れることも大事かもしれません。

誰でも長文が書けるようになるということは、文章の良し悪しがわからない人でも「一見まともな長文を量産できる」ということです。そして、アウトプットの最終確認が可能な「人間」の価値はますます高まり、また必要不可欠にもなっていきます。

チャットAIは猛烈なスピードで進化をしています。それに追いつくように我々も、質問の仕方、吐き出された情報の扱い方、そして情報の渡し方（入力内容）に関するスキルを向上する必要がありそうです。