熊本県が電子契約サービス「GMOサイン」を導入、DXにより企業と県、双方の業務効率化へ

2024.12.10

GMOグローバルサイン・ホールディングスは、同社が開発・運営する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を、熊本県が導入したと発表しました。

「超スマート社会くまもと」の実現に向けて電子印鑑GMOサインを導入

熊本県は2021年3月に熊本県情報化推進計画を策定し、「県民誰もがICTの恩恵を享受し、安全・安心・便利なくらしができる超スマート社会くまもと」の実現に向け、地域の住民や事業者を対象に行政サービスのデジタル化を推進しています。

電子印鑑GMOサインの導入により同県は、紙の契約書と同等の法的効力を保持しつつ、印刷・製本・郵送や来庁の手間を削減できるようになります。業務の効率化や利便性の向上が見込めるほか、電子化に伴う印刷や収入印紙代等のコストの削減を通じて、事業者への経営支援の効果が期待できます。

また同県は、豊富な水資源と九州の中央に位置するアクセスの良さを強みに、国内外の企業誘致を積極的に進めています。2021年には、半導体の受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造股份有限公司（TSMC）が熊本県内に日本初の製造工場の建設を決定。それを契機に、県内への半導体関連企業・IT関連企業などの誘致、人材の確保・育成、インフラ整備の強化などが進められており、経済波及効果へ期待が高まっています。

電子印鑑GMOサインは、マニュアルなどを読み込まなくても直感的に操作できるシンプルな操作設計に加え、日本語を含む8カ国語（日本語、英語、中国語（簡体字北京語）、スペイン語、ポルトガル語、タイ語、ベトナム語、ミャンマー語）に対応しているため、使用言語に縛られず契約を締結できます。またデジタル上で書類を送受信できることから、高額になりやすい国外への書類郵送費を削減できます。国籍の異なる企業間で行う契約締結の懸念を取り除き、物品・サービス・情報など経済的資源の移動を自由にするグローバルな商取引をサポートします。

契約の締結から管理までをワンストップで行える「電子印鑑GMOサイン」

電子印鑑GMOサインは、契約の締結から管理までをワンストップで行えるクラウド型の電子契約サービスです。印紙税や郵送費の削減、契約締結にかかる手間の軽減や時間の大幅な短縮により、業務の効率化を実現できます。

署名タイプは、一般的な「メールアドレス等により認証を行う立会人型（契約印タイプ）」と、「電子認証局による厳格な本人認証を行う当事者型（実印タイプ）」に加え、ハイブリッド契約（送信元は当事者型・相手方は立会人型）にも対応できます。契約内容に応じて署名タイプを使い分けることで、利便性と安全性のバランスを取りやすい点が特長です。

電子契約の流れ

情報セキュリティマネジメントシステム（ISMS）の国際規格である「ISO/IEC 27001」、クラウドサービスセキュリティ「ISO/IEC27017」を取得しています。また、米国公認会計士協会（AICPA）によるサイバーセキュリティフレームワークの国際認証「SOC2 type2」の取得、日本政府の定めるセキュリティ基準を満たす「ISMAP」への登録を果たすなど、国内外の外部機関からも安全性の高さを評価されています。

GMOグローバルサインHDは、今後も行政サービスの向上を目指すとともに、DXによる自治体の業務効率化や、電子化に伴う印刷や収入印紙代等のコストの削減による事業者への経営支援、またペーパーレス化を通じた環境保護・SDGsへの貢献を推進していくとのことです。

TSMC熊本工場の稼働が始まった熊本県では、地域経済の活性化とグローバルなビジネス展開が期待されています。今回の電子契約サービスの導入は、これらの経済活動の活性化とグローバル化、そして災害時の対応力強化につながり、より持続可能な発展を遂げるための重要な一歩といえるのではないでしょうか。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。