SNSの利用実態は? 10代から50代の男女3000人を調査

安蔵 靖志

GMOインターネットグループネットサービス
LINE、YouTube、TwitterといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、今や私たちの生活に欠かせないものとなりつつあります。さまざまあるSNSの中で、その使い分けや使用目的は、人によっても年代によっても異なります。

そこで、GMOインターネットグループのGMOリサーチは、運営する会員登録数約70万人のアンケートサイト「infoQ」を利用したSNSの利用実態調査を実施しました。

infoQを利用している全国10代~50代の男女3000人を対象にSNSの利用実態について調査したところ、SNS利用の多様化に加え、年代やとりまくコミュニティによっても利用目的に差が生まれることが分かりました。

なお本調査は、アンケートサイトinfoQの利用者が対象のため、アンケートの回答者は日常的にインターネットを利用している人となっています。

利用頻度が高いSNSトップはLINE! 今後の新勢力にも注目

【Q1.】利用しているSNSは?

調査対象3000人のうち「SNSを利用している」と回答した2730人に対し、利用しているSNSを複数回答で聞いたところ、以下の順にSNSが並ぶ結果となりました。

【Q1.】利用しているSNS

結果は「LINE」がトップとなりました。友人や知人との連絡手段として活用されていると想定されます。年代別の利用率を見ていくと、調査対象者のうち10代~30代の男女で平均84.1%、40代以降でも平均79.6%と、全世代を通じて高い利用率であることが分かりました。年齢の枠を越え、メールに代わる連絡手段として広く活用されているようです。

「LINE」に続き、利用頻度が高いSNSの2位は「YouTube」でした。YouTubeは、テレビの代替・情報収集ツールとして活用されているとが考えられます。近年ではテキスト情報よりも動画で情報収集する人が増え、それに伴って情報収集用のコンテンツが充実してきていることから、上位にランクインしたようです。

従来のメールやテレビといった、連絡手段やメディアとしてのツールの代替としてSNSの利用頻度が高くなっている実態が分かりました。また、7位~10位は以下の通りでした。

・7位:Pinterest:6.7%
・8位:note:3.2%
・9位:Zenly:2.1%
・10位:LinkedIn:1.2%


上記の選択肢以外にも、SNSの初期に人気のあった「mixi」や、メディアミックスサービスとして注目される「Tumblr」の回答もありました。今回のアンケートで下位となっているSNSも、今後はトレンドの変動で認知度がアップされる可能性があるので要注目です。

「LINE」「YouTube」「Twitter」で全体の4分の3を占める結果に!

【Q2.】中でも利用頻度が最も高いSNSは?

次に、どのようなSNSが多く使われているのかを見ていきましょう。調査対象3000人に「利用頻度の高いSNSは?」と質問したところ、使用頻度が高いSNSはグラフの通りになりました。

【Q2.】中でも利用頻度が最も高いSNS

上位3つの「LINE」「YouTube」「Twitter」で、なんと4分の3を占めていました。これらSNSの比率はほぼ同等の結果となりました。

また、SNSを利用しない方の割合も明らかになりました。「SNSを利用していない」という方は全年代を通して約10%程度で、年齢別で見ると50代では女性17.7%、男性16.7%という結果でした。本記事の後半では、利用しない人への調査結果も掲載しています。

SNSの利用目的は「検索目的のある情報収集のため」が6割を越え、トップに

【Q3.】SNSを利用する目的は?

続いて、SNSを利用する人の具体的な利用目的を見ていきましょう。

【Q3.】SNSを利用する目的

検索目的の有無に関わらず、「情報収集」が情報発信より大きな割合を占めました。情報発信(個人利用)としての利用目的が16.0%に対し、情報収集・娯楽などの割合が50%を超えていることから、全世代ではSNSを利用して自ら発信することは、いまだ少数派と分かりました。

暇つぶしの中で、世の中の最新情報や知人・有名人の近況をチェック

【Q4.】SNSを使う動機や理由は?

「SNSを使う動機や理由に、当てはまるものをすべて教えてください」との質問に対し、特に多い回答は以下の通りになりました。

【Q4.】SNSを使う動機や理由

ついつい見てしまう「暇つぶし」と回答した方が、4割を占めることが分かりました。隙間時間など手持ち無沙汰になった際に、気軽に利用されていると考えられます。また、情報収集の中でも「最新情報」と並んで「知人・有名人の近況」をチェックする手段として使われていることも分かりました。

よりリアルが求められる?芸能人本人が運用したアカウントと一般人の投稿に高い支持

【Q5.】あなたがよく見るお気に入りのアカウントは?

では、ユーザーがよく見ているアカウントやジャンルはどういったものなのでしょうか。「あなたがよく見るアカウントやお気に入りのアカウントのジャンルに当てはまるものを教えてください」という質問(複数選択)に対し、一番多い回答が「芸能人(本人が運用してるアカウント)」(34.5%)で、「一般の方の投稿」(34.2%)が続きました。

【Q5.】よく見るお気に入りのアカウント

芸能人のアカウントについては、本人が運用してるアカウントが34.5%なのに対し、本人以外が運用してるアカウントは10.7%と、本人が運営しているアカウントの方が高い結果になりました。一般の人のアカウントも34.2%と高いことからも、リアルな声が“本人から直接届く”ことがSNSの大きな魅力となっていると考えられます。

情報収集はTwitterが圧倒的に利用されている結果に

【Q6.】知人や家族以外(企業や芸能人など)の情報を得る際に、最も利用するSNSは?

では、リアルな情報を得るためのSNSとして、いったいどのSNSが人気なのでしょうか。「知人や家族以外(企業や芸能人など)の情報を得る際に、最も利用するSNSは?」との質問に対する回答を見ていきましょう。

【Q6.】知人や家族以外(企業や芸能人など)の情報を得る際に、最も利用するSNS

Twitterが、ほかと大きく差をつけて第1位となりました。近年、若年層の間で人気になっている印象の強いInstagramは2位という結果でした。

なぜTwitterが支持を得ているのか、どのような点にユーザーはメリットを感じているのか、次の章で見ていきましょう。

Twitterはジャンルの幅広さと情報収集しやすさがユーザーに人気

【Q7.】なぜTwitterが支持されているのか?

「あなたがTwitterのメリットだと感じるものを教えてください」とという質問(複数選択)に対する回答は以下の通りでした。

●ジャンルの幅広さについて
・有名人の利用者が多い(24.8%)
・情報が豊富である(24.6%)
・企業の利用者が多い(18.3%)

●情報収集について
・検索がしやすい(16.9%)
・機能が使いやすい(14.2%)
・匿名性が高い(11.8%)

【Q7.】Twitterが支持されている理由

このような結果から、Twitterは情報収集に特化した機能が充実しており、特に「本音の情報」を収集するのに適したSNSと認識されているとが推測されます。

また、企業の利用者が多い、有名人の利用者が多いという項目からも分かるように、企業・有名人の活用度合いの高さが、ユーザーの利用頻度や情報量の満足度にも影響していると考えられます。

ここでは、Twitterがユーザーからの圧倒的な支持を受けている理由を、情報を受け取る立場から見てみました。各SNSは、特徴やユーザーの好みにより、使い分けが行われていることが見えてきました。

情報発信や知人・家族の情報収集は「LINE」が最多

【Q8.】自分自身の情報を発信したり、知人や家族の情報を得るために利用するSNSは?

次に、自分自身の情報を発信したり、知人や家族の情報を得るために利用するSNSを尋ねました。

【Q8.】自分自身の情報を発信したり、知人や家族の情報を得るために利用するSNS

利用割合・利用頻度でも1位だったLINEが、自身の情報発信や近しい関係である人の情報を得るために利用するSNSとしても多くの割合を占めました。ほかのSNSに比べ比較的クローズドな環境で利用できることから、身近な人達とのコミュニケーションツールとして活用されていることが推測されます。年代・性別ごとに見ると、20代・30代男性においては2位のInstagramよりもTwitterを利用している割合が高くなりました。

Q6の「知人や家族以外(企業や芸能人など)の情報を得る際に、最も利用するSNSは?」では、情報収集として活用されているSNSはTwitterが1位でしたが、自身の発信では、LINE・Instagramの方がTwitterよりも活用されていました。

これらのことから、Instagramの方がストーリーズや友人限定機能のアクティビティが高く、発信するハードルが低いと考えられます。

また発信の動機という点では、SNS利用の動機を問うQ4の設問でも「自身の近況を知ってほしい」「自身の画像や文章を見てもらいたい」「行動記録を残したい」といった、発信の前提となる動機はそれぞれ10%以下でした。

また「あなたが投稿・発信するSNSを教えてください 」といった質問でも、SNSを利用する2730人のうち約半数に迫る1335人が「投稿はしない」と回答しています。ここからも、同じSNSの利用において活用方法が大きく二分されているようです。SNS利用の多様化に加え、年代やとりまくコミュニティーによっても利用目的に差が生まれることが想定されます。

SNSを利用しない人は「電話」「SMS」「キャリアのメール」を利用

【Q9.】SNSを利用していない人の連絡手段は?

Q1で「SNSを利用しない」と回答した人に、よく利用する連絡手段を聞いたところ、回答は以下のようになりました。

【Q9.】SNSを利用していない人の連絡手段

SNSを使用しない場合は、電話とメールが主要の連絡手段となっています。メールについてはキャリアメール、フリーメールを合わせると全体の43.8%を占めています。

SNSを利用しない理由を問う設問では、「興味がない」「必要がない」といった回答が目立ちました。また、「個人情報が漏れる」「スマホを持っていないから」といった声も見受けられました。各連絡手段は、それぞれのライフスタイルや周囲との付き合い方の好みに合わせて選択されているようです。

知り合った人と最初に交換する連絡先は「LINE」

【Q10.】プライベートで知り合った人と最初に交換する連絡先は?

では、なぜ多くの人はSNSを利用するのでしょうか。SNSを利用する2730人に対し、プライベートで知り合った人と最初に交換するツールを聞きました。

【Q10.】プライベートで知り合った人と最初に交換する連絡先

LINEが圧倒的トップで利用されていますが、2位はSNSではなく電話番号やメールアドレスとなりました。

また、性別・年代別でまとめたグラフの通り、「電話番号を交換する」と回答した人は30代以降の男性に多い傾向にあり、年齢が若くなるにつれてやはりSNSでの連絡先交換の活用比率が高くなりました。

4位にランクインしているInstagramですが、内訳を見ると10代で多い傾向でした。10代女性は32.7%、10代男性も17.9%が最初の連絡手段としてInstagramを選んでいました。InstagramのDM(ダイレクトメール)が、LINEと同様にコミュニケーションツールとして多く使われているようです。

デジタルネイティブ世代では、電話番号を交換するという選択肢に加え、Instagramを中心としたSNS上で、当たり前に連絡先を交換していることが伺えます。SNSによる連絡先交換では、従来の電話番号やメールアドレスとは異なり、趣味や世界観、プロフィールを相互に理解しやすいといったメリットもあるのではないでしょうか。

新しい機能を備えたSNSの登場や台頭とともに、活用方法が多様化してきました。それこそが、電話やメールといった連絡手段の代替ツールだけではない「SNSの魅力」となっているのかもしれません。若年層によるアプリの活用方法が、今後は多数派になることも考えられるでしょう。


今回の調査では、SNS利用実態の現状を見てきました。SNSはこれからも、端末やアプリの技術的進歩、ユーザーのニーズに合わせてますます発展していくことでしょう。ユーザー自身がより充実した生活を送るため、生活の一部として、SNSがライフスタイルや好みに合わせて活用されていくことが考えられます。

自分のニーズやライフスタイルに合わせて必要な情報を手に入れ、上手にSNSを活用できる方法を探してみてはいかがでしょうか。

【調査概要】
・調査方法:infoQでwebアンケート実施
・調査期間:2022年6月15日(水)~2022年6月16日(木)
・有効回答:3000サンプル
・調査対象:全国15~59歳男女

安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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