もうすぐ本格的な紅葉シーズン。秋、山、温泉……とくれば、「箱根」を連想する方も多いでしょう。でも、色づいた紅葉が遠くまで見渡せる光景を期待しているなら、ちょっと待って。スギ・ヒノキの植林が多く、自然林の植生も多様で標高差がある箱根では、イロハカエデなどの決まった種類の木々が一斉に真っ赤になる、ということはありません。
「じゃあ箱根には紅葉スポットはないの?」……いえいえ、そんなこともありません。箱根が好きすぎて移住した筆者が、箱根の紅葉の見どころ・穴場や、渋滞をできるだけ回避するためのルート選びなどについて、お伝えします。
「じゃあ箱根には紅葉スポットはないの?」……いえいえ、そんなこともありません。箱根が好きすぎて移住した筆者が、箱根の紅葉の見どころ・穴場や、渋滞をできるだけ回避するためのルート選びなどについて、お伝えします。
箱根湯本と芦ノ湖で紅葉時期が違う?「最低気温8℃」ルールで見頃をチェック
そもそも「箱根」と一口に言っても、玄関口である箱根湯本駅周辺の標高が約95メートルであるのに対し、芦ノ湖水面は725メートル。箱根のほぼ中央に位置する駒ヶ岳は1356メートル、最高峰の神山が1438メートルと、その標高差は1000メートル以上にもなります。
美しい紅葉にはいくつかの条件が必要で、中でも気温が下がることは重要。葉が黄色や赤に色づくにはまず、葉に含まれるクロロフィル(葉緑素)が分解されなければなりません。十分に分解が進むのは、最低気温が8℃ぐらいまで下がった状態が、2〜3週間ほど続くことが目安とされています。
ちなみに葉っぱが赤くなるためには、アントシアニンという赤い色素の合成も必要。アントシアニンの合成には日光が重要な役割を果たすので、日当たりの良さや晴れの日が多いことも鮮やかな紅葉を楽しむための条件となります。
気温の話に戻りましょう。気温は100メートルで約0.6℃下がるので、630メートルの標高差がある箱根湯本と芦ノ湖畔とで、理論値では約4℃の気温差があるということになります。つまり麓ではまだ紅葉には少し早い時期でも、山の上の方では紅葉が始まっているエリアもあるということ。裏を返せば麓で紅葉が見頃を迎える頃、標高の高いところでは紅葉の最盛期は終わっているかもしれません。箱根湯本周辺の紅葉の見頃は11月中旬〜12月上旬ごろ。しかし標高が高い芦ノ湖や駒ヶ岳では、それより1〜2週間早い11月上旬から紅葉の見頃を迎えるスポットも出てきます。
また、前述したように「全山が真っ赤に紅葉」とはいかない箱根ですが、コナラ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、ブナなど、カエデ以外のさまざまな樹木がそれぞれに紅葉します。個性豊かな紅葉がかえって魅力といえるでしょう。
ということで、ここからは箱根の各エリアそれぞれの紅葉の見どころを、箱根で自然観察会のボランティアガイドなどとしても協力する筆者の独断と偏見で紹介していきます。
※情報はいずれも2024年9月時点のもの。各スポットの最新情報は、以下の天気情報サービスやそれぞれのスポットのウェブページ、SNSアカウントなどでご確認ください。
・神奈川の紅葉情報【2024】 - ウェザーニュース
・神奈川県の紅葉見頃予想 | お天気ナビゲータ
美しい紅葉にはいくつかの条件が必要で、中でも気温が下がることは重要。葉が黄色や赤に色づくにはまず、葉に含まれるクロロフィル(葉緑素)が分解されなければなりません。十分に分解が進むのは、最低気温が8℃ぐらいまで下がった状態が、2〜3週間ほど続くことが目安とされています。
ちなみに葉っぱが赤くなるためには、アントシアニンという赤い色素の合成も必要。アントシアニンの合成には日光が重要な役割を果たすので、日当たりの良さや晴れの日が多いことも鮮やかな紅葉を楽しむための条件となります。
気温の話に戻りましょう。気温は100メートルで約0.6℃下がるので、630メートルの標高差がある箱根湯本と芦ノ湖畔とで、理論値では約4℃の気温差があるということになります。つまり麓ではまだ紅葉には少し早い時期でも、山の上の方では紅葉が始まっているエリアもあるということ。裏を返せば麓で紅葉が見頃を迎える頃、標高の高いところでは紅葉の最盛期は終わっているかもしれません。箱根湯本周辺の紅葉の見頃は11月中旬〜12月上旬ごろ。しかし標高が高い芦ノ湖や駒ヶ岳では、それより1〜2週間早い11月上旬から紅葉の見頃を迎えるスポットも出てきます。
また、前述したように「全山が真っ赤に紅葉」とはいかない箱根ですが、コナラ、ヤマボウシ、ヒメシャラ、ブナなど、カエデ以外のさまざまな樹木がそれぞれに紅葉します。個性豊かな紅葉がかえって魅力といえるでしょう。
ということで、ここからは箱根の各エリアそれぞれの紅葉の見どころを、箱根で自然観察会のボランティアガイドなどとしても協力する筆者の独断と偏見で紹介していきます。
※情報はいずれも2024年9月時点のもの。各スポットの最新情報は、以下の天気情報サービスやそれぞれのスポットのウェブページ、SNSアカウントなどでご確認ください。
・神奈川の紅葉情報【2024】 - ウェザーニュース
・神奈川県の紅葉見頃予想 | お天気ナビゲータ
芦ノ湖周辺【見頃:11月上旬〜下旬】
遊覧船(箱根海賊船/箱根遊船)
2社の遊覧船が就航する芦ノ湖では、湖をぐるりと囲む山の紅葉を船上からのんびり楽しむことができます。天気がよければ、外輪山の向こうに富士山を望むことも。昼以降は山の上に雲が出やすいので、晴れ予報の日でも午前中に行く方が富士山を拝める確率が高くなります。
芦ノ湖から運がよければ紅葉と富士山がダブルで楽しめる
2社の船はそれぞれ3港を巡回する航路を取っていて、往復運賃を払えば乗船した元の港へ戻るまでは途中下船してもOK。湖畔の道路(特に元箱根・箱根神社付近)は、紅葉シーズンの休日には非常に混雑するので、徒歩と船を活用して賢く移動しましょう。
箱根駒ヶ岳ロープウェー
標高差600メートルを一気に登る箱根駒ヶ岳ロープウェーでは、山腹を覆う紅葉の上で優雅に空中散歩が楽しめます。箱根遊船の箱根園港、伊豆箱根バスの箱根園バス停から山麓の駅にすぐアクセスできます。
駒ヶ岳ロープウェーから駒ヶ岳の紅葉を見上げる
駒ヶ岳山頂は11月半ばには雪が舞うこともあるほど。薄手のダウンジャケットやストールなど、1枚余分に羽織るものを持って行った方がよいかもしれません。
湖尻園地
箱根ロープウェイを桃源台駅で降りたらすぐに海賊船に乗り換え、海賊船を下船したらすぐにロープウェイへと戻る方がとても多いのですが、もったいない! 芦ノ湖湖畔へ少し足を延ばすと、紅葉の林ごしに湖を眺められるスポットがあるんです。
少し紅葉シーズンを過ぎた湖尻園地の落ち葉のじゅうたんもよい
この辺りから箱根ビジターセンターにかけては園地が続いていて、「ハイキングに行くほどじゃないけど、自然を感じたい!」というとき、ちょっとした散策にオススメです。園地への入場は無料です。
桃源台・湖尻周辺には箱根二十湯のひとつ「湖尻温泉」、元箱根港周辺には「芦ノ湖温泉」、箱根園周辺には「蛸川温泉」と温泉場もたくさん。日帰り湯を提供するホテルや施設もあり、散策に疲れた足を休めるにはもってこいです。
ムコハタワカコ
編集・ライター
書店員からIT系出版社、ウェブ制作会社取締役、米系インターネットメディアを経て独立。現在は編集・執筆業。IT関連のプロダクト紹介や経営者インタビューを中心に執筆活動を行う。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)、組織づくりや採用活動などにも注目している。