名古屋市が電子契約サービス「GMOサイン」を導入、業務効率化や地元事業者の経営支援と、DXによる地域活性化を目指す

2024.9.10

GMOグローバルサイン・ホールディングスは、自社が開発・運営する電子契約サービス「電子印鑑GMOサイン」を愛知県名古屋市が2024年9月2日に導入すると発表しました。

従来の紙の契約書に加えて、一般競争入札または指名競争入札で契約の相手方を選定する場合は9月2日以降の入札公告（指名通知）分、随意契約にて契約の相手方を選定する場合は9月2日以降の契約締結分を対象に、電子印鑑GMOサインによる電子契約が選択できるようになります。

電子印鑑GMOサインの導入後は名古屋市と締結する契約について、紙の契約書と同等の法的効力を保持しながら、印刷・製本・郵送や来庁の手間を削減できるようになります。庁内と契約の相手方となる事業者の双方で、業務の効率化や利便性が向上し、電子化に伴う印刷や収入印紙代等のコストの削減を通じ、地元事業者への経営支援も期待できます。

2022年3月策定の「名古屋市役所DX推進方針」を基に市役所DXを推進

名古屋市は2022年3月に、市役所DXの方向性と具体的な取り組みを示した「名古屋市役所DX推進方針」を策定しました。これは、デジタルの活用を前提にあらゆる市民サービスや市役所の業務を「変革」し、市民一人ひとりにより適した市民サービスを目指すためのものです。

名古屋市のDXを推進し、業務効率化やペーパーレス化、地元事業者等の経営支援を進めるため、自治体での利活用・効率化で成果を上げている電子契約サービスの導入を決定したとのことです。

契約の締結から管理までをワンストップで行える「電子印鑑GMOサイン」

電子印鑑GMOサインは、契約の締結から管理までをワンストップで行えるクラウド型の電子契約サービスです。印紙税や郵送費の削減、契約締結にかかる手間の軽減や時間の大幅な短縮により、業務の効率化を実現できます。

電子契約の流れ

署名タイプは、一般的な「メールアドレス等により認証を行う立会人型（契約印タイプ）」と、「電子認証局による厳格な本人認証を行う当事者型（実印タイプ）」に加え、ハイブリッド契約（送信元は当事者型・相手方は立会人型）にも対応できるため、契約内容に応じて署名タイプを使い分けることで、利便性と安全性のバランスを取りやすいことが特長です。

GMOグローバルサイン・ホールディングスは、今後も全国各地の自治体DX推進に関する知見を提供し、庁内における契約業務の効率化や、地域事業者の経営支援、ペーパーレス化を通じた環境保護・SDGsへの貢献を推進していくとのことです。

自治体が電子契約サービスを導入することには、契約手続きが迅速に進むことによる業務の効率化や、紙の契約書にかかる印刷費用、郵送費用などのコスト削減などのメリットがあります。電子契約システムを利用することで契約手続きの進捗状況がリアルタイムで確認できるようになるだけでなく、アクセス制限や承認権限の設定による契約書の改ざん防止やセキュリティの強化にもつながります。

紙の使用量が減ることで環境負荷の軽減にもつながり、持続可能な社会の実現にも貢献します。電子契約を導入することで、庁舎に足を運ぶことなくオンラインで契約手続きを完了できるようになる点は住民や企業にとっての利便性向上にも寄与します。

このように電子契約サービスの導入はメリットが多く、デメリットはありません。電子契約サービスが名古屋市だけでなくさまざまな自治体に導入されることで、地域住民や企業にとっても生活しやすい、仕事がしやすい環境が広がっていくことを期待したいですね。

安蔵靖志

Techジャーナリスト／家電エバンジェリスト
家電製品協会認定　家電製品総合アドバイザー（プラチナグレード）、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ～ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。