GMO インターネットグループが「NVIDIA H200 Tensor コア GPU」800基の調達を完了、生成AI向けGPUクラウドサービス開始に向けて

安蔵 靖志

AIGMOインターネットグループレンタルサーバー・ドメイン
GMOインターネットグループは、「NVIDIA H200 Tensor コア GPU(以下、H200 GPU)」を採用した生成AI向けGPUクラウドサービスの提供開始を、国内最速となる2024年12月に予定しています。このサービス開始に向けて、同社は約800基のH200 GPUを調達したと発表しました。このGPUは、従来のゲーム等の画像処理のほか、文章生成AIや画像生成AIなど膨大なデータ処理が求められる生成AI分野やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野において優れたパフォーマンスを発揮します。

大規模言語モデルの開発・研究者向けに最適化された「NVIDIA H200 Tensor コア GPU」

GMOインターネットグループでは、H200 GPUの性能を最大限に引き出すため、AIワークロード専用に設計された世界初のイーサネットファブリック「NVIDIA Spectrum-X」を国内クラウド事業者として初めて採用し、ケーブル配線の精密な配置や温度管理、電力供給など、NVIDIAが推奨する環境に沿ってサーバールームを運用する予定です。

同社が提供するGPUクラウドサービスでは、H200 GPUとNVIDIA Spectrum-Xを採用することで、生成AI開発や機械学習に最適化された、高水準な環境を実現します。

生成AI向けGPUクラウドサービスの主な特徴

生成AI向けGPUクラウドサービスのシステムスペック

生成AI向けGPUクラウドサービスを担当するGMOインターネットグループ ドメイン・ホスティング事業本部 ConoHa事業部 部長 刀根一之氏のコメントは以下の通りです。

「国内の生成AIクラウドサービスには現在、大規模モデル開発のユースケースを正しく把握していないためにGPUの提供が先行しがちという課題があります。インフラ環境として必要な広帯域ネットワークや高速ストレージが提供されない結果、生成AIを利用した開発の長期化とコスト増を招いてしまっているのです。

当社は、お客様の開発期間の短縮とコスト低減に貢献すべく、H200 GPUの早期供給に加え、NVIDIA Spectrum-X、 DDNストレージを採用することで、インフラのチューニングが不要な超高速環境を提供します。『GPUクラウドならGMOインターネットグループ』と認知されるよう、AI産業に欠かせないクラウドサービスとして一石を投じたいと思っています」

GMOインターネットグループでは、 H200 GPUの性能を最大限に発揮させ、最も要求の厳しいAI/ML/DL大規模モデルをトレーニングするよう設計された「Dell Technologies PowerEdge XE9680」(「NVIDIA H200 SXM」を8基搭載)を採用し、システムの構築を進めています。

H200 GPUを慎重に開梱

H200 GPUが実際に稼働するサーバールーム

GMOインターネットグループは、本サービスを通じて、文章生成AIや画像生成AIなどの開発に取り組む企業や研究機関に対し、高水準な計算環境を提供するとしています。AI技術の急速な進展に伴い、こうした高性能な計算資源へのニーズは今後さらに高まると予想しており、同グループは国内AI産業の発展に貢献していくとのことです。

H200 GPUを約800基搭載した生成AI向けGPUクラウドサービスの提供は、文章生成AIや画像生成AIなどの開発に飛躍的な進歩をもたらす可能性を秘めています。前世代のGPUと比較して大幅に性能が向上したことで、より複雑で高度なモデルの開発が可能になり、生成されるテキストの質や多様性が向上します。画像生成AIにおいても、H200 GPUの強力な処理能力を活用することで、より高解像度でリアルな画像を生成可能です。

H200 GPUを活用したクラウドサービスは、研究機関やスタートアップ企業が高価なGPUサーバーを購入することなく、最新のAI技術を気軽に利用できる環境を提供します。これにより、AI分野における研究開発が加速し、新たなイノベーションが生まれやすくなるでしょう。クラウドサービスを利用することで初期投資を抑え、運用コストを削減できます。必要なリソースに応じて柔軟にスケールアップもできるため、コストパフォーマンスも向上します。

文章や画像だけでなく、動画や音楽など、さまざまな種類のコンテンツを自動生成できるようになるほか、ユーザーの嗜好や行動パターンに合わせてパーソナライズされたコンテンツやサービスを提供できるようになります。AI技術の進歩により、新たなビジネスモデルが生まれ、社会全体のイノベーションを加速させる可能性があります。これらの未来の実現に向けて、卓越した性能を誇るGPUクラウドサービスが求められていくのではないでしょうか。

安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

ranking

  • 1
    サムネイル

    キッチンのQOLもアップ!キャンプでも自宅でも便利な実用性大のプチプラアウトドア調理器具3選+α

  • 2
    サムネイル

    これなら置ける!床面積50cm四方に“ほぼ”収まる「セカンド冷凍庫」、家電エバンジェリストの8選

  • 3
    サムネイル

    スポットクーラーで「個冷」のすすめ 家電エバンジェリストが選ぶ効率冷房5品

  • 4
    サムネイル

    明日から使える!効率良く手書きメモを取るための8つのコツ

  • 5
    サムネイル

    いろんな人に喜んでもらえる、ふるさとへの東京とっておき土産8選

  • 1
    サムネイル

    これなら置ける!床面積50cm四方に“ほぼ”収まる「セカンド冷凍庫」、家電エバンジェリストの8選

  • 2
    サムネイル

    キッチンのQOLもアップ!キャンプでも自宅でも便利な実用性大のプチプラアウトドア調理器具3選+α

  • 3
    サムネイル

    ダイソー・セリア・キャンドゥ 100円ショップのパソコン周りクリーナーおすすめ6種を試してみた

  • 4
    サムネイル

    普段使いも!アウトドアも!地震や災害に備える、家電エヴァンジェリストおすすめの防災家電7選

  • 5
    サムネイル

    逸品発見!100均電子レンジ調理器6選。焼き魚にだし巻き卵、マカロニまで!

  • 1
    サムネイル

    これなら置ける!床面積50cm四方に“ほぼ”収まる「セカンド冷凍庫」、家電エバンジェリストの8選

  • 2
    サムネイル

    “小さくて涼しい”以上の価値がある!2024年最新ハンディファンの進化が目覚ましい

  • 3
    サムネイル

    ダイソー・セリア・キャンドゥ 100円ショップのパソコン周りクリーナーおすすめ6種を試してみた

  • 4
    サムネイル

    どの位まで聞こえるの?徹底性能比較!100円ショップの「防犯ブザー」&「ホイッスル」4選

  • 5
    サムネイル

    逸品発見!100均電子レンジ調理器6選。焼き魚にだし巻き卵、マカロニまで!

internet for you.