タイヤは輪っかでなくてもいい? EVが秘める可能性
まなみん:EVって音が静かで、例えばアクアが後ろから近づいて来たときって、ほぼ無音でびっくりしますよね。逆にガソリンエンジン車には、音や振動があるっていう印象です。
鷹木:「ノート e-POWER」なんかはハイブリッドですが、ガソリン車のような音や振動がほとんどなくて、驚きますね。
僕はモーター駆動にはいろいろな可能性があると思ってます。今のガソリン車って、エンジンをクルマの真ん中において、そこから動力を後輪なり、前輪なりに伝えてますよね。でもEVってそれぞれのタイヤのそばに駆動するモーターを付けておくのでもいいんですよ。
まなみん:あ、じゃあ4つのタイヤに4つモーターを付けておく、というのもアリなんですね。
鷹木:そうそう。そうすると実は、いろいろな動きができるようになるんです。ハンドルを切らなくても、それぞれのタイヤが勝手に動いてくれて、回転数の差によって曲がるみたいなこともアリですね。
まなみん:縦列駐車が苦手な人でも、ハンドルを動かさずに自動的に駐車できちゃったりしますね。
鷹木:そう。だから今までより、思ったようにクルマが動かせる時代が来るんじゃないかなと思います。そうすると免許の取り方も変わってくるんじゃないかな。
まなみん:そうですよね。
鷹木:今はタイヤのかたちも輪っか状ですけど、そのうち球状になるんじゃないかという話もあります。そうすると前後左右、自由に車輪が動くことになるから、さらに縦列駐車なんかもしやすくなるはず。
まなみん:それに自動運転機能が付けば、もう縦列駐車で前後のクルマにコツンコツン当てながらクルマを出す、なんてこともなくなるわけですね。よく海外で見かけますけど。
鷹木:そういうのって、小型のモーターの性能が上がってきたりするのと、すごくリンクしてて面白いなと思うんですよね。内燃機関って、小さくすると壊れやすくなるし、整備も難しいのでなかなか小さくできない。そもそも、中で燃えてますからね。
まなみん:モーターは電気で動いているだけですから、シンプルですよね。
鷹木:磁石が回っている、みたいなものだから、ちゃんとシールドしてありさえすれば、安心感がありますよね。運転自体もEVになることで、だいぶ変わるんじゃないかなと実は思ってます。
まなみん:さらに自動運転機能が付けば、もっと良くなりますね。
鷹木:回転数とか、コントロールしやすくなると思うんですよね。内燃機関だと一定の回転数を保たないとエンストしちゃうじゃないですか。だけどモーターって、回転数を細かく調整できますよね。だから、例えば隣のクルマと同じ回転数で走ります、ということもできてしまうわけで。
まなみん:じゃあ、飛行機のブルーインパルスが曲技飛行をやるように、自動車でパレードできちゃったりするかもしれませんね。
鷹木:そう、「プログラマブルドライブ」みたいなことが普通になったりしたら、面白いんじゃないかなって思います。前のクルマと通信して、そのアクセルワークに連動して動く、みたいなことができるようになれば、運転の仕方も全然変わっていくと思うんですよね。
車線変更のときでも、前のクルマと後ろのクルマと同じスピードで入れれば、絶対にぶつからないわけじゃないですか。スピード差があるからぶつかっちゃうのであって、そこをうまくモーターがシンクロするとか、勝手に前後の速度に合わせてくれるようになれば、車線変更も気にせずにできるようになるんじゃないでしょうか。
ハンドルには今でも、パワーステアリングって、半分はモーターの補助が付いていますけど、もっとタイヤとかと連動していくと、実はアクセルワークって将来なくなっていくかもしれないですね。周りのクルマに合わせてクルマが勝手に最適な回転数を選んでくれて、「この車線だったらこの回転数」とかってね。
まなみん:そうするとあおり運転もなくなるかもしれないですね。
鷹木:「ノート e-POWER」なんかはハイブリッドですが、ガソリン車のような音や振動がほとんどなくて、驚きますね。
僕はモーター駆動にはいろいろな可能性があると思ってます。今のガソリン車って、エンジンをクルマの真ん中において、そこから動力を後輪なり、前輪なりに伝えてますよね。でもEVってそれぞれのタイヤのそばに駆動するモーターを付けておくのでもいいんですよ。
まなみん:あ、じゃあ4つのタイヤに4つモーターを付けておく、というのもアリなんですね。
鷹木:そうそう。そうすると実は、いろいろな動きができるようになるんです。ハンドルを切らなくても、それぞれのタイヤが勝手に動いてくれて、回転数の差によって曲がるみたいなこともアリですね。
まなみん:縦列駐車が苦手な人でも、ハンドルを動かさずに自動的に駐車できちゃったりしますね。
鷹木:そう。だから今までより、思ったようにクルマが動かせる時代が来るんじゃないかなと思います。そうすると免許の取り方も変わってくるんじゃないかな。
まなみん:そうですよね。
鷹木:今はタイヤのかたちも輪っか状ですけど、そのうち球状になるんじゃないかという話もあります。そうすると前後左右、自由に車輪が動くことになるから、さらに縦列駐車なんかもしやすくなるはず。
まなみん:それに自動運転機能が付けば、もう縦列駐車で前後のクルマにコツンコツン当てながらクルマを出す、なんてこともなくなるわけですね。よく海外で見かけますけど。
鷹木:そういうのって、小型のモーターの性能が上がってきたりするのと、すごくリンクしてて面白いなと思うんですよね。内燃機関って、小さくすると壊れやすくなるし、整備も難しいのでなかなか小さくできない。そもそも、中で燃えてますからね。
まなみん:モーターは電気で動いているだけですから、シンプルですよね。
鷹木:磁石が回っている、みたいなものだから、ちゃんとシールドしてありさえすれば、安心感がありますよね。運転自体もEVになることで、だいぶ変わるんじゃないかなと実は思ってます。
まなみん:さらに自動運転機能が付けば、もっと良くなりますね。
鷹木:回転数とか、コントロールしやすくなると思うんですよね。内燃機関だと一定の回転数を保たないとエンストしちゃうじゃないですか。だけどモーターって、回転数を細かく調整できますよね。だから、例えば隣のクルマと同じ回転数で走ります、ということもできてしまうわけで。
まなみん:じゃあ、飛行機のブルーインパルスが曲技飛行をやるように、自動車でパレードできちゃったりするかもしれませんね。
鷹木:そう、「プログラマブルドライブ」みたいなことが普通になったりしたら、面白いんじゃないかなって思います。前のクルマと通信して、そのアクセルワークに連動して動く、みたいなことができるようになれば、運転の仕方も全然変わっていくと思うんですよね。
車線変更のときでも、前のクルマと後ろのクルマと同じスピードで入れれば、絶対にぶつからないわけじゃないですか。スピード差があるからぶつかっちゃうのであって、そこをうまくモーターがシンクロするとか、勝手に前後の速度に合わせてくれるようになれば、車線変更も気にせずにできるようになるんじゃないでしょうか。
ハンドルには今でも、パワーステアリングって、半分はモーターの補助が付いていますけど、もっとタイヤとかと連動していくと、実はアクセルワークって将来なくなっていくかもしれないですね。周りのクルマに合わせてクルマが勝手に最適な回転数を選んでくれて、「この車線だったらこの回転数」とかってね。
まなみん:そうするとあおり運転もなくなるかもしれないですね。
ムダがそぎ落とされたEVはクルマの完成形に近づく(かもしれない)
まなみん:ただ運転そのものは、だんだんつまらなくなっていくかもしれないですね。
鷹木:そうですね。やっぱりマニュアルシフト車の、回転数を合わせてシフトをチェンジする感覚とかは面白いんですよね。
テスラなんかに乗ると、あのトルクフルな感じはすごくいいんだけど、何かが違う。別に否定はしないんだけど、ラジコンみたいな感じがしちゃうんですよね。電気自動車という時点で、運転者がトルクコントロールをするって概念がないので、「もうこれ自動運転と一緒でいいや」みたいな。
まなみん:なるほど。単なる移動のために、例えばバスに乗っているのと変わらない感じになっちゃったわけですね。トランスポーテーションなのか、ドライビングプレジャーなのか、って全然違うことだから、結構重要ですよね。
鷹木:クルマって、公共交通機関でない場合は、ある種の部屋とも言えるから、移動中にそれがプライベートな空間になるというのは、そんなに悪くないことかなと思います。一方で運転することの価値とか、運転する機会はこれからどんどん減っていくだろうから、そこはもう過去のものになってしまうんでしょうね。
まなみん:EVにはSDGs(持続可能な開発)といった観点もありますね。
鷹木:SUPER GTっていうレースがありますが、トヨタ、ホンダ、日産が2023年から「カーボンニュートラルフューエル」を導入するという話になっているんですね。
まなみん:……それ、もしかして、カーボンニュートラルな燃料ができるんだったら、別に内燃機関の自動車でも良くないですか?
鷹木:そうそう(笑)。エタノールベースのバイオ燃料で、ゴミから精製するようなんですが。
まなみん:あまり出力は出なさそう。みんなが遅かったら、それはそれでいいんでしょうかね。
鷹木:SDGsのために自動車の最高速度もどんどん変わっていくっていうことですね。まあレースなんかでは、みんなチューニングしてがんばるんでしょうけど。
そう考えると、ヨーロッパや中国を中心に、「もっとEVを」とみんな言っていますけど、完全にEVでもないのかもしれないという気もするんですよね。現状は少なくとも、充電スタンドや急速充電の性能の問題があるので、ハイブリッド優勢が数年は続くと思うんです。
まなみん:そうこうしているうちに数年後、バイオ燃料の開発がすごくうまくいってるかもしれませんよね。そうしたら、「やっぱりエンジンだぜ」っていうメーカーがいっぱい出てきたりして。
鷹木:ははは。まあ、EVにもいいところはたくさんあるんですけどね。中に大量の電源を持っているから、電気でいろんなことができるのもそのひとつで。ちょっとしたことだけど、「Honda e(ホンダ イー)」(2020年発売)がサイドミラーをなくしたりしたのも、すごいと思うんですよね。
まなみん:確かに。サイドミラーってぶつけやすいから、壊れた部分をガムテープとかで応急処置しているクルマとか、ときどき見かけることありますもんね。
鷹木:そうそう。だからそういうところがなくなってスッキリするのは、クルマとしての完成度の高さを感じるんです。クルマの本来の形としては不要だったかもしれないけれども安全装置として付いていたものが、電化が進むことで、本来のカッコイイ形に進んでいくんだとしたら、いいなと思います。
まなみん:EVにはEVの魅力があって、いろんな選択肢が出てきているんですね。
鷹木:スーパーカーブームならぬ、カッコイー(E)Vブームが来たらうれしいなあー。
まなみん:そのダジャレはどうかと思いますよ……。
鷹木:そうですね。やっぱりマニュアルシフト車の、回転数を合わせてシフトをチェンジする感覚とかは面白いんですよね。
テスラなんかに乗ると、あのトルクフルな感じはすごくいいんだけど、何かが違う。別に否定はしないんだけど、ラジコンみたいな感じがしちゃうんですよね。電気自動車という時点で、運転者がトルクコントロールをするって概念がないので、「もうこれ自動運転と一緒でいいや」みたいな。
まなみん:なるほど。単なる移動のために、例えばバスに乗っているのと変わらない感じになっちゃったわけですね。トランスポーテーションなのか、ドライビングプレジャーなのか、って全然違うことだから、結構重要ですよね。
鷹木:クルマって、公共交通機関でない場合は、ある種の部屋とも言えるから、移動中にそれがプライベートな空間になるというのは、そんなに悪くないことかなと思います。一方で運転することの価値とか、運転する機会はこれからどんどん減っていくだろうから、そこはもう過去のものになってしまうんでしょうね。
まなみん:EVにはSDGs(持続可能な開発)といった観点もありますね。
鷹木:SUPER GTっていうレースがありますが、トヨタ、ホンダ、日産が2023年から「カーボンニュートラルフューエル」を導入するという話になっているんですね。
まなみん:……それ、もしかして、カーボンニュートラルな燃料ができるんだったら、別に内燃機関の自動車でも良くないですか?
鷹木:そうそう(笑)。エタノールベースのバイオ燃料で、ゴミから精製するようなんですが。
まなみん:あまり出力は出なさそう。みんなが遅かったら、それはそれでいいんでしょうかね。
鷹木:SDGsのために自動車の最高速度もどんどん変わっていくっていうことですね。まあレースなんかでは、みんなチューニングしてがんばるんでしょうけど。
そう考えると、ヨーロッパや中国を中心に、「もっとEVを」とみんな言っていますけど、完全にEVでもないのかもしれないという気もするんですよね。現状は少なくとも、充電スタンドや急速充電の性能の問題があるので、ハイブリッド優勢が数年は続くと思うんです。
まなみん:そうこうしているうちに数年後、バイオ燃料の開発がすごくうまくいってるかもしれませんよね。そうしたら、「やっぱりエンジンだぜ」っていうメーカーがいっぱい出てきたりして。
鷹木:ははは。まあ、EVにもいいところはたくさんあるんですけどね。中に大量の電源を持っているから、電気でいろんなことができるのもそのひとつで。ちょっとしたことだけど、「Honda e(ホンダ イー)」(2020年発売)がサイドミラーをなくしたりしたのも、すごいと思うんですよね。
まなみん:確かに。サイドミラーってぶつけやすいから、壊れた部分をガムテープとかで応急処置しているクルマとか、ときどき見かけることありますもんね。
鷹木:そうそう。だからそういうところがなくなってスッキリするのは、クルマとしての完成度の高さを感じるんです。クルマの本来の形としては不要だったかもしれないけれども安全装置として付いていたものが、電化が進むことで、本来のカッコイイ形に進んでいくんだとしたら、いいなと思います。
まなみん:EVにはEVの魅力があって、いろんな選択肢が出てきているんですね。
鷹木:スーパーカーブームならぬ、カッコイー(E)Vブームが来たらうれしいなあー。
まなみん:そのダジャレはどうかと思いますよ……。
鷹木 創
編集主幹
2002年以来、編集記者や編集長などとしてメディアビジネスに携わる。インプレス、アイティメディアと転職し、2013年にEngadget日本版の編集長に就任。 その後スマートニュースに転職。国内トップクラスの機械学習を活用したアプリ開発会社においてビジネス開発として活躍。2021年からはフリーランスとして独立、IBM、Google などのオウンドメディアをサポートしている。