天気予報では東京に初雪が降るかもと告げられていた極寒の1月27日、渋谷駅前にあるGMOインターネットのグループ第2本社「GMO Yours・フクラス」では、招待客のみ数百名を招いたイベント「GMO 渋谷FUTURE 2023 - GMO SONIC Warm Up -(以下、GMO 渋谷FUTURE 2023 )」が開催されました。筆者自身もi4Uでの連載が始まることもあり、いつもより少しおしゃれをして会場へ伺いました。
そこで私が感じたのは、閉塞感漂う日本や渋谷のムードを打破するかもしれない“ある存在”と“笑顔”でした。
あの日、GMO 渋谷FUTURE 2023に参加したゲストたちは、みんな笑顔でした。渋谷区長・長谷部健氏とGMOインターネットグループの熊谷正寿 代表取締役グループ代表のオープニングセッションに始まり、ひろゆき氏がモデレーターを務めたパネルディスカッション。
そこで私が感じたのは、閉塞感漂う日本や渋谷のムードを打破するかもしれない“ある存在”と“笑顔”でした。
あの日、GMO 渋谷FUTURE 2023に参加したゲストたちは、みんな笑顔でした。渋谷区長・長谷部健氏とGMOインターネットグループの熊谷正寿 代表取締役グループ代表のオープニングセッションに始まり、ひろゆき氏がモデレーターを務めたパネルディスカッション。
GMO 渋谷FUTURE 2023のオープニングセッションの様子
そしてスティーブ・アオキ氏によるDJとケーキ・ミー!
スティーブ・アオキ氏による理想的なパーティータイムを目の当たりにしました
パーティーの最後には会場はケーキまみれ……。こんな唯一無二の流れで進行するイベントなのに、GMO 渋谷FUTURE 2023に参加したゲストたちは誰一人戸惑うことなく、むしろ大喜びしていたのです。その明るい光景は、日本や渋谷の未来まで明るくなるような予感に満ちていました。そしてこの明るい予感は、タイの水かけ祭りこと「ソンクラン」の強いパワーを私に思い出させました。
今、渋谷の未来と夜に必要なのは「強さ」
まずご案内メールを頂いたときのファーストインプレッションは、イベントタイトルに並べられたキーワードの組み合わせの妙です。
「GMO」「渋谷」「FUTURE」「2023」、そして「ひろゆき」と「スティーブ・アオキ」。これらが並ぶことで生まれる独特のマリアージュ! 魅力と話題性、そして誰もが知っている認知度の高さが、絶妙な化学反応を起こしているかのよう。この化学反応は、今の渋谷に必要不可欠な「強さ」にもつながっていると私は受け止めました。
どうして私がそんなに渋谷に「強さ」を求めているのかについてお話しさせてください。
私は渋谷の道玄坂で「渋谷花魁」というウォームアップ・バーを13年ほど運営しています。
私がお店を作ったのはリーマン・ショックの直後でした。ほどなくして東日本大震災が起こり、2019年には新型コロナウイルス感染症が拡大しました。日本のみならず世界的に大変な時期で、ここ渋谷も賛否両論を巻き起こしながら再開発が進み、馴染み深い景色はどんどん失われてゆきました。個性的な個人店が減少するなか、1月末には私のお店から徒歩30秒の距離にあった老舗・東急百貨店本店までクローズ。その跡地は、LVMHグループによる新しい商業施設に建て替えられるとのこと。
ナイトカルチャーにおいても受難の数年間でした。コロナの影響で集客は激減し、かつてのようなインバウンド需要も皆無となりました。そんな瀕死の状態にとどめを刺すかのように、代表的な大箱クラブが相次いで閉業。渋谷という街と、そこにまつわるカルチャーに襲いかかる変化の波と運命に、渋谷で生きてきた私は萎縮せざるを得ない状態であります。
とてもじゃないけれど、渋谷に明るい未来が待っているとは思えなかったのです。このまま沈みゆく船の上で、1秒でも長く留まっているにはどうしたらよいのだろう? 知らず知らずのうちにそんな閉塞感に支配されて、パーティー当日の天気以上に私の心は寒さに凍りついておりました。
「GMO」「渋谷」「FUTURE」「2023」、そして「ひろゆき」と「スティーブ・アオキ」。これらが並ぶことで生まれる独特のマリアージュ! 魅力と話題性、そして誰もが知っている認知度の高さが、絶妙な化学反応を起こしているかのよう。この化学反応は、今の渋谷に必要不可欠な「強さ」にもつながっていると私は受け止めました。
どうして私がそんなに渋谷に「強さ」を求めているのかについてお話しさせてください。
私は渋谷の道玄坂で「渋谷花魁」というウォームアップ・バーを13年ほど運営しています。
私がお店を作ったのはリーマン・ショックの直後でした。ほどなくして東日本大震災が起こり、2019年には新型コロナウイルス感染症が拡大しました。日本のみならず世界的に大変な時期で、ここ渋谷も賛否両論を巻き起こしながら再開発が進み、馴染み深い景色はどんどん失われてゆきました。個性的な個人店が減少するなか、1月末には私のお店から徒歩30秒の距離にあった老舗・東急百貨店本店までクローズ。その跡地は、LVMHグループによる新しい商業施設に建て替えられるとのこと。
ナイトカルチャーにおいても受難の数年間でした。コロナの影響で集客は激減し、かつてのようなインバウンド需要も皆無となりました。そんな瀕死の状態にとどめを刺すかのように、代表的な大箱クラブが相次いで閉業。渋谷という街と、そこにまつわるカルチャーに襲いかかる変化の波と運命に、渋谷で生きてきた私は萎縮せざるを得ない状態であります。
とてもじゃないけれど、渋谷に明るい未来が待っているとは思えなかったのです。このまま沈みゆく船の上で、1秒でも長く留まっているにはどうしたらよいのだろう? 知らず知らずのうちにそんな閉塞感に支配されて、パーティー当日の天気以上に私の心は寒さに凍りついておりました。
バー運営者だからわかるホスピタリティ
GMO 渋谷FUTURE 2023に話を戻します。
エントランスに入ると、手作りのクロークスペースがあり、おそらくGMOのパートナーさんであろう方々が一生懸命に対応して下さっておりました。ゲストからコートや荷物を預かることによって、身軽な姿でパーティに参加して欲しいという気遣いを感じます。また、そうやって荷物を預かることによって、パーティーへの滞在時間も長くなるはず。サクッと顔を出して挨拶だけで退散するような、企業のパーティーにありがちな展開をなるべく抑えて、ゲストがパーティーそのものに没入できる導線を作っているのだなぁと感心しました。
おそらく、私のこの視点は、接客業やおもてなしの仕事をなさっている方ならさらに深く共感できるのではと思います。
エントランスに入ると、手作りのクロークスペースがあり、おそらくGMOのパートナーさんであろう方々が一生懸命に対応して下さっておりました。ゲストからコートや荷物を預かることによって、身軽な姿でパーティに参加して欲しいという気遣いを感じます。また、そうやって荷物を預かることによって、パーティーへの滞在時間も長くなるはず。サクッと顔を出して挨拶だけで退散するような、企業のパーティーにありがちな展開をなるべく抑えて、ゲストがパーティーそのものに没入できる導線を作っているのだなぁと感心しました。
おそらく、私のこの視点は、接客業やおもてなしの仕事をなさっている方ならさらに深く共感できるのではと思います。
カワムラユキ
DJ、選曲家、作家
築60年の古民家をリノベーションした道玄坂のウォームアップ・バー「渋谷花魁」主宰。サウンドアメニティを提唱する空間選曲家、音と旅と株式会社のコンセプト・プロデューサー。近年は渋谷区役所の館内BGM選曲、「CYBERPUNK 2077」楽曲プロデュースなどを担当。90年代に体験した渋谷系からバレアリックまでを軸に、心の楽園を探求中。