Z世代1の4カテゴリー横断調査で大学生は“情報探索型”、高校生・社会人は“直感型”の傾向が明らかに

安蔵 靖志

GMOインターネットグループ調査・レポート
GMO NIKKOがZ世代とのコミュニケーションに課題を持つ企業に向けて提供するマーケティング支援サービス「Z世代トレンドラボ byGMO」は、Z世代の消費行動における世代間ギャップ調査を実施しました。

「基礎化粧品」「ペットボトルお茶飲料」「市販のお菓子」「アパレル」の4カテゴリーで、Z世代(16~28歳)の高校生・大学生・社会人を対象に個別調査を実施したところ、高校生・大学生・社会人では購買の判断基準、情報収集、購入のきっかけが大きく異なることが判明しました。特に「大学生は情報探索型、高校生・社会人は直感型」という消費スタイルの違いが、カテゴリーを横断して一貫して確認されました。

大学生は「納得重視」の情報探索型、高校生・社会人は「トレンドや効率重視」の即決型

4カテゴリーすべてにおいて、大学生は口コミ・SNS・検索などを駆使して"納得してから買う"行動が顕著でした。一方、高校生は価格比較後に直感で決断し、社会人は「定番」「失敗しない選択」を重視する傾向が確認されました。

Z世代の消費スタイル比較

高校生の消費行動は、周囲の視線を強く意識した「パケ買い×SNSトレンド」という言葉に象徴されます。特に市販のお菓子において、パッケージデザインを重視する傾向は他の層と比較して10ポイント以上高く、視覚的な魅力が購入の決定打となっています。

また、アパレル選びにおいては「自分らしさ」を追求する一方で、「周囲からどう見られるか」という客観的な視点を非常に重視しています。主な情報源はTikTokやSNSのおすすめ投稿であり、流れてくる最新トレンドを素早くキャッチし、自分たちのライフスタイルに取り入れる傾向が顕著です。

大学生は、信頼性の高い「公式情報」と自らによる「多角的検証」を軸に、スマートな選択を行う点が特徴です。例えば、ペットボトルのお茶飲料では「企業公式SNS」が購入のきっかけになる割合が高校生と比べて15ポイント高く、一次情報の信頼性を重んじています。基礎化粧品の購入においても「検索」がきっかけの第1位(約38.2%)となっており、能動的に情報を取得する姿勢が見て取れます。

さらに、全カテゴリーで生成AIの活用率が最も高く、最新のデジタルツールを駆使して情報収集手段を多様化・効率化させている点も、この層特有の強みといえます。

社会人は、限られた時間の中で「品質×失敗回避」を優先し、確実な意思決定を行う傾向があります。基礎化粧品選びでは、レビューや口コミ評価を重視する割合が約16.5%と上位に位置しており、他者の評価を参考に慎重に吟味する姿勢がうかがえます。

市販のお菓子に対しても「品質の良さ」や「安心・安全性」を強く求めており、嗜好品であっても信頼性を欠かしません。また、最終的な購入の確度を上げるために、店頭で実物を確認したり、詳しい専門家や知人に相談したりするなど、納得感を得てから購入する堅実なプロセスを経る点が特徴です。

一括りにはできないZ世代のリアル。ライフステージ別にひも解く4カテゴリーの調査結果

続いて、カテゴリー別のインサイトを紹介しましょう。

基礎化粧品の選定基準において、高校生は「コスパ(約35.3%)」「自分に合う(約32.4%)」「品質(約30.9%)」という3つの要素がほぼ均衡しており、納得感のある買い物を求める傾向が鮮明となりました。対して大学生は「品質の良さ(約30.3%)」を第1位に挙げており、単なるスペックよりもブランドや製品への“信頼”を判断軸に据えています。

基礎化粧品購入検討時の重視点

一方、社会人の特徴は「レビュー・口コミ評価(約16.5%)」を積極的に活用している点にあります第三者の客観的な声を反映させることで、購入の失敗を避け、確実に自分に合うものを選ぼうとする実利的な姿勢がうかがえます。

ペットボトルお茶飲料のカテゴリーでは、大学生のこだわりが際立つ結果となりました。高校生や社会人が「定番であること」や「コスパ」を重視し、店頭での直感的な即決を主としています。それに対し、大学生だけは「味」が重視する項目の上位5位以内にランクインしており、自身の好みを大切にしています。

「ペットボトル お茶飲料」購入検討時の重視点

企業公式SNSが購入のきっかけになる割合も、高校生の約27.9%に対して大学生は約42.6%と非常に高い結果となりました。公式発信の情報に価値を見出し、それをきっかけに特定のブランドを選択していることが浮き彫りとなりました。

「ペットボトル お茶飲料」を購入するきっかけ

市販のお菓子においては、高校生の「パケ買い」文化がデータとして鮮明に現れました。パッケージデザインが購買の決め手となる割合は他の層より10ポイント以上高く、視覚的な楽しさが最優先されています。

「市販のお菓子」購入検討時の重視点

これに対し大学生は、「サイズ感」や「購入のしやすさ」といった、生活シーンに即した現実的な利便性を重視する傾向にあります。また、TV CMの影響力については「社会人>大学生>高校生」の順で顕著な差が見られ、若年層ほど既存メディアによる広告効果が薄れている実態が浮き彫りになりました。

アパレルの選択において、高校生は「自分らしさ」を追求すると同時に「周囲の視線」も強く意識しており、自己表現と集団内での調和を両立させている点が特徴です。大学生になると情報収集のデジタル化がさらに進み、「公式X(旧Twitter)」や「公式アプリ」といった企業が直接運営するチャネルからの購入導線が非常に太くなっています。

「アパレル」を購入するきっかけ

一方で社会人は、見た目のデザイン以上に「素材・質感」や「品質の高さ」といった本質的な価値を厳しく見定めており、長く使える良質なものを求めるという、成熟した消費スタイルへの移行が確認されました。

「Z世代トレンドラボ byGMO」主任研究員の神津洋幸氏は、今回の4カテゴリー横断調査結果について次のようにコメントしました。

「今回の4カテゴリー横断調査で、Z世代内部の購買行動の"分断"が明確になりました。特筆すべきは、大学生が『情報探索型』として独自のポジションを確立している点です。

高校生は限られた予算と周囲の視線の中で『失敗したくない』という心理から「直感」と「価格比較」の二軸で判断し、社会人は時間効率を重視して『定番で外さない』選択をしている傾向にあります。その中間に位置する大学生は、時間的余裕と情報リテラシーを活かして『納得できるまで調べる』行動パターンを取っていると考えられます。

企業がZ世代にアプローチする際は「高校生:SNSトレンド × ビジュアル訴求」「大学生:公式情報 × 納得材料の提供」「社会人:信頼性 × 時短導線」と、3層を区別した戦略設計が不可欠です」

【各調査の概要】
調査テーマ:『Z世代の世代内消費行動比較』に関する調査
調査主体:GMO NIKKO
調査地域:日本国内
調査対象:16~28歳の男女(高校生・大学生・社会人)
回答者数:第2回(基礎化粧品)210名(女性のみ)、他各回500名(計1710名)
調査方法:インターネット調査
Z世代消費インサイトWeekly調査 第2回 基礎化粧品(2025年12月16日~21日)
Z世代消費インサイトWeekly調査 第3回 ペットボトルお茶飲料(2026年1月16日~18日)
Z世代消費インサイトWeekly調査 第4回 市販のお菓子(2026年1月23日~25日)
Z世代消費インサイトWeekly調査 第5回 アパレル(2026年1月30日~2月1日)
 ※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表やグラフ中の数字は小数第一位または第二位の四捨五入により、合計値が100%にならない場合や、同%でも見え方が異な場合あり


今回の調査結果から、高校生、大学生、社会人とライフステージが変わるだけで、購買動機や情報収集経路が劇的に変化することが浮き彫りになりました。ターゲットを「Z世代」と広く設定するのではなく、「情報の納得感を求める大学生」なのか「視覚的なトレンドを追う高校生」なのかなど、より解像度の高いターゲティングが不可欠です。

Z世代向け製品・サービスを提供する企業は、Z世代特有の「世代内ギャップ」を理解することにより、画一的なZ世代施策で陥りがちな「大学生には響くが、高校生にはスルーされる」といったミスマッチを防ぐことができ、各層の行動原理に最適化したコミュニケーションプランを構築できます。

Z世代とのコミュニケーションにおいて、企業は「分かっているつもり」というバイアスを捨て、データに基づいた「分断の理解」から始める必要があります。その複雑なパズルを解き明かして確実な投資対効果を生むために、「Z世代トレンドラボ byGMO」を活用してみてはいかがでしょうか。

安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

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