6月3〜5日の3日間、幕張メッセで開催された国内最大級のドローンの国際展示会「Japan Drone 2026(以下、Japan Drone)」に、GMOインターネットグループがプラチナスポンサーとして出展した。2022年の初出展から5年連続、今回で5回目の出展となる。
「すべての空にセキュリティを」を掲げてきたGMOインターネットグループの今年のテーマは、「『動く』から『働く』」。GMO AI&ロボティクス商事(以下、GMO AIR)が中心となり、コンテナ運搬など空港のグランドハンドリング業務を再現した実証デモや、ヒューマノイドの「手」を使った作業デモを展示することで、ロボットが現場で「働く」姿を前面に打ち出した。
ブースには身長95cmから172cmまで、4機種・全8台のヒューマノイドが展示され、実際に動く様子を披露するデモには多くの来場者が見入っていた。現地の模様をレポートする。
「すべての空にセキュリティを」を掲げてきたGMOインターネットグループの今年のテーマは、「『動く』から『働く』」。GMO AI&ロボティクス商事(以下、GMO AIR)が中心となり、コンテナ運搬など空港のグランドハンドリング業務を再現した実証デモや、ヒューマノイドの「手」を使った作業デモを展示することで、ロボットが現場で「働く」姿を前面に打ち出した。
ブースには身長95cmから172cmまで、4機種・全8台のヒューマノイドが展示され、実際に動く様子を披露するデモには多くの来場者が見入っていた。現地の模様をレポートする。
ヒューマノイドロボットが来場者にGMOインターネットグループのパンフレットを手渡すのも恒例行事になってきた。今回配布を担当したのはBooster Roboticsの「K1」
「空港の仕事」を覚え始めたヒューマノイド──JALグランドサービスとの共同実証デモ
ブースで注目を集めていたのが、ヒューマノイドによる空港グランドハンドリング(地上支援業務)の実証デモだ。航空機やドローンが空を飛ぶためには、地上での作業が欠かせない。GMO AIRとJALグランドサービス(以下、JGS)は5月から、羽田空港でのヒューマノイド活用に向けた実証実験を進めている。
空港でのヒューマノイド活用を目指す実証実験は国内初の取り組みで、実証期間は2028年まで。ブースではその一部として、Unitreeの「G1」が貨物コンテナを台車(ドーリー)上で回転させたり押したりする作業を、実際の業務環境に近い形で再現していた。
空港でのヒューマノイド活用を目指す実証実験は国内初の取り組みで、実証期間は2028年まで。ブースではその一部として、Unitreeの「G1」が貨物コンテナを台車(ドーリー)上で回転させたり押したりする作業を、実際の業務環境に近い形で再現していた。
貨物コンテナをドーリーから押し出すヒューマノイド「G1」。デモのたびにステージ前には人だかりができた
JGSでこのプロジェクトを担当するDX推進部 先端技術開発グループ長の吉岡智也氏によると、実証実験でまず取り組んでいるのは、GSE(航空機の到着から出発までの間に、空港の駐機場で行われる地上業務を支える特殊車両)の操作だという。
「まずはコンテナの移動やレバー操作などから始めています。早く仕上がれば3年のうちに、手荷物の積み降ろしにもチャレンジできればと考えています」と吉岡氏。さらに5年、10年先には機内清掃のような細かく複雑な作業への活用も期待する。機内清掃は難易度が非常に高く、「現時点では人手以外で対応できるソリューションがない領域だからこそ、実現できれば大きい」と吉岡氏は話す。
興味深いのは、このプロジェクトが吉岡氏自身の行動から始まったことだ。2024年、ロボット関連の勉強会で初期のヒューマノイドを目にした際、「将来はヒューマノイドの時代が来る」と感じたという。
「グランドハンドリングは細かな作業の連続です。4足歩行ロボットにアームを付けるより、ヒューマノイドに人の動きを覚えさせる方が向いていると思いました」(吉岡氏)
その後、GMO AIRのWebサイトを見つけ、問い合わせフォームから連絡したことが今回の共同実証につながった。
今回の実証実験について取材を受ける中では「コンテナ操作は、そんなに難しい作業なのか? もっと簡単にできるのでは?」といった反応もあるという。しかし実際には、レバー操作ひとつとっても意外に大きな力が必要だし、コンテナを押し出すにも繊細なバランス制御が求められる。例えば、押す力が弱すぎるとコンテナは動かないが、強すぎる力でコンテナを押し出してスピードが想定より出てしまうと、急に支えを失ったヒューマノイドはバランスを崩して前に転んでしまう。
「ご説明すると『これは結構難しいですね』と理解していただけます。見た目以上に高度な作業なんです」(吉岡氏)
「まずはコンテナの移動やレバー操作などから始めています。早く仕上がれば3年のうちに、手荷物の積み降ろしにもチャレンジできればと考えています」と吉岡氏。さらに5年、10年先には機内清掃のような細かく複雑な作業への活用も期待する。機内清掃は難易度が非常に高く、「現時点では人手以外で対応できるソリューションがない領域だからこそ、実現できれば大きい」と吉岡氏は話す。
興味深いのは、このプロジェクトが吉岡氏自身の行動から始まったことだ。2024年、ロボット関連の勉強会で初期のヒューマノイドを目にした際、「将来はヒューマノイドの時代が来る」と感じたという。
「グランドハンドリングは細かな作業の連続です。4足歩行ロボットにアームを付けるより、ヒューマノイドに人の動きを覚えさせる方が向いていると思いました」(吉岡氏)
その後、GMO AIRのWebサイトを見つけ、問い合わせフォームから連絡したことが今回の共同実証につながった。
今回の実証実験について取材を受ける中では「コンテナ操作は、そんなに難しい作業なのか? もっと簡単にできるのでは?」といった反応もあるという。しかし実際には、レバー操作ひとつとっても意外に大きな力が必要だし、コンテナを押し出すにも繊細なバランス制御が求められる。例えば、押す力が弱すぎるとコンテナは動かないが、強すぎる力でコンテナを押し出してスピードが想定より出てしまうと、急に支えを失ったヒューマノイドはバランスを崩して前に転んでしまう。
「ご説明すると『これは結構難しいですね』と理解していただけます。見た目以上に高度な作業なんです」(吉岡氏)
貨物コンテナの操作では繊細なバランス制御が求められるという
さらに空港の現場スタッフからの反応も好意的だという。「コンテナの重さや、作業の大変さを知っているからこそ、『本当にロボットにできるのか。できるなら助かる』という声が多いです。5年前なら『仕事が奪われる』という見方もあったかもしれませんが、今は人手不足もあり、『とにかく早く助けてほしい』という期待の方が大きいですね」(吉岡氏)
吉岡氏は、2028年を実証実験のゴールではなくスタート地点だと捉えている。
「2028年は、ロボットが私たちの仕事の一部に入り込んだ記念日のようなものになると思っています。ひとつできるようになれば、次はこれ、その次はこれと、できることが一気に広がっていくはずです」(吉岡氏)
吉岡氏は、2028年を実証実験のゴールではなくスタート地点だと捉えている。
「2028年は、ロボットが私たちの仕事の一部に入り込んだ記念日のようなものになると思っています。ひとつできるようになれば、次はこれ、その次はこれと、できることが一気に広がっていくはずです」(吉岡氏)
人の手の動きを学習する──ヒューマノイドの「手」による作業デモ
もう1つの注目展示が、ヒューマノイドの「手」による作業デモだ。
ヒューマノイドの社会実装に欠かせないハンド技術の研究成果として、人間の手の動きを学習したヒューマノイドが、工場や物流現場を想定した物体の識別や仕分け作業を実演していた。
ヒューマノイドの社会実装に欠かせないハンド技術の研究成果として、人間の手の動きを学習したヒューマノイドが、工場や物流現場を想定した物体の識別や仕分け作業を実演していた。
色を画像で識別し仕分けを行うUnitree G1。人間向けに設計された既存の工場でそのまま働くことが想定されている
人間の「お手本」の操作をもとに学習を行う。ひと晩あれば仕分け作業を覚えられるという
ヒューマノイド開発はこれまで「立つ」「歩く」「動く」といった移動能力に注目が集まってきた。しかし実際に社会で働くためには、手を使って道具や物を扱う能力が欠かせない。
「立つ・動く」から「手を使って働く」へ。ヒューマノイド技術が新たな段階に入りつつあることを感じさせる展示だった。
「立つ・動く」から「手を使って働く」へ。ヒューマノイド技術が新たな段階に入りつつあることを感じさせる展示だった。
ドローン操縦VRシミュレーター「GMOフィールドXR」
昨年も来場者の注目を集めた、ドローン操縦のVR体験。今年はドローン国家資格試験コースを再現する「GMOフィールドXR」として登場した。GMOグローバルサイン・ホールディングスが開発したもので、ドローンの飛行環境をVRで忠実に再現し、実際のドローン操縦で使用するプロポ(送信機)を使って操縦を体験できる。操縦訓練に加え、ドローンの社会実装で需要が高まるインフラ点検業務も再現されていた。
筆者も過去に体験したことがあるが、ドローンがいくつあっても足りない、VRでよかったなと思う難しさだった

i4U編集部
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