ヒューマノイドは「動く」から「働く」へ──「Japan Drone 次世代エアモビリティEXPO 2026」レポート

i4U編集部

AIGMOインターネットグループイベント

会場で目立った「国産」の表記

会期中、GMOインターネットグループのブースでセキュリティに関する発表を行っていたGMOサイバーセキュリティ byイエラエの三村聡志氏は、国によって来場者の関心に違いがあったと話す。

海外からの来場者は「(三村氏のセキュリティに関する発表資料を)参考にさせてほしい」と相談に来るなど、自国での取り組みに向けたヒントや、セキュリティ対策にドローンを生かすための情報収集を目的としている印象だったという。一方、日本国内の来場者からは「安全性を確保するためにドローンをいかに活用すべきか」というよりは「ドローン活用に踏み出すための安全性をどう担保すればよいか」に関する質問が多く寄せられたそうだ。

こうしたそれぞれの「安全」への関心を反映するように、会場では「国産」を前面に打ち出すブースも目立った。

日本では2021年度以降、政府機関の調達でドローンのセキュリティ審査が厳格化され、米国でも中国製ドローンへの規制が強まるなど、経済安全保障の観点から供給網を見直す動きが世界で進む。

こうした背景から、ドローン業界では性能や機能だけでなく、「どこで作られ、どのような供給網で支えられているか」も重要な評価軸になりつつあるようだ。

例年と比べると「Made in Japan」や「国産」をアピールするブースが増えた印象だ

中でも目を引いたのが、ロボデックスの新型水素燃料電池ドローンだ。東京電力ホールディングスと共同開発を進めている機体で、山間部の送電線点検での活用を想定している。

ロボデックスの新型水素燃料電池ドローン。見た目は普通のドローンだが、2時間飛べる水素燃料電池を積んでいる

担当者によると、一般的なバッテリー式ドローンの飛行時間が20分程度であるのに対して、約2時間まで飛行可能。現在はヘリコプターで行わざるを得ない送電線点検をドローンに置き換え、省力化を見込む。来年の導入を予定しており、水素の充填を含めた運用の仕組みづくりも進めているという。

水素充電からインフラ点検までの流れを紹介する模型。つい見入ってしまう

また、例年存在感のある福島県のブースも健在だった。ロボットテストフィールドや補助金事業など長年の取り組みの積み重ねから、ロボット・ドローン分野で「まずは相談してみる自治体」としての地位を築いている印象だ。

ブース内のパネルでは、2025年12月に南相馬市で行われたドローン配送の実証が紹介されていた。飛行ルートを1本ずつ申請するのではなく、エリア単位でまとめて飛行の承認を受けるという新しい試みだ。市の担当者は、ロボットやAIの急速な進化を受けて、フィジカルAIをどう取り入れるかが今後の課題だと話していた。

ちなみに配布物には観光ガイド「るるぶ」の南相馬市バージョンの特別冊子も添えられており、自治体ブースならではの一面ものぞかせていた。

FUKUSHIMA DRONEブース内、光ファイバーによるドローン制御の紹介

ブルーイノベーションでは、災害発生時の初動対応を全自動化させる仕組みや、下水道点検のデモンストレーションなどが披露されていた。人手とリスクを減らすためのドローン活用が進んでいる印象を受けた

ジュンテクノサービスのブースでは水中ドローンの「QYSEA FIFISH E-MASTER NAVI」が泳いでいた。こちらも水中インフラ構造物の点検・調査での使用を想定している

ドローンを丸裸で持ち運ぶ者はいないであろう……ということで、会場には米軍御用達のペリカンケースのブースも。耐久性・防水性・防塵性のあるハードケースだ

「動く」から「働く」へ──現場に近づくテクノロジー

昨年のJapan Droneでは、パンフレットを配るヒューマノイドが来場者の注目を集めていた。今回目立ったのは、空港や物流、工場といった実際の業務を想定したデモンストレーションだ。

ドローンもまた、水素燃料による長時間飛行やインフラ点検、災害対応など、具体的な業務への活用を見据えた展示が目立った。

会場を歩いて感じたのは、「こんなこともできます」という技術デモから、「誰が、どこで、どう使うのか」という実装フェーズへの移行だ。Japan Drone 2026は、ドローンやロボットが現場に入り始める過程を垣間見られる展示会だった。

「航空機やドローンが空を飛ぶためには、地上での作業が欠かせない」というメッセージが印象的なデモンストレーションだった

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i4U編集部

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