LLMに検索機能を組み合わせた“生成AI検索ツール”「Perplexity AI」
「Perplexity AI」(パープレキシティ、以下Perplexity)は、数ある生成AI関連ツールの中でも異色の存在。一般的な生成AIが使用するLLM(大規模言語モデル)に検索エンジンを組み合わせた、「対話型AI検索エンジン」です。複数のLLMと検索技術の組み合わせで、ユーザーの質問に対してより的確で信頼性の高い検索結果を生成します。
「ChatGPT」をはじめとする生成AIは、大量のテキストデータを学習させた深層学習モデルの一種であるLLMを使って、コンテンツを生成します。膨大な量のテキストデータから言葉の意味や関係性を学習することで、ユーザーの意図に沿った結果を生成しようとします。
例えば、「首輪をつけた犬の絵を描いて」という指示に対し、LLMは「首輪」「犬」「絵を描く」といった言葉の意味や関係性を理解して、画像生成AIに何を出力するべきか指示を出します。つまりLLMは、生成AIが適切な処理を行うための頭脳のような役割を担っているのです。
このLLMを検索機能と組み合わせたのが、Perplexity。従来の検索エンジンでは「東京 天気」といったキーワードを入力して検索しますが、Perplexityの場合は「東京の天気を教えて」など、会話文に近い形での問いかけに、簡潔で正確な回答を返してくれます。
Perplexityでは、リアルタイムでWEBページを参照して最新の情報を検索でき、検索結果には情報源が表示されます。このあたりが「生成する回答の真偽を確認する必要がある」「最新の情報を調べるには向かない」と考えられている従来の生成AIと、Perplexityとが一線を画すポイントです。
AIには、事実とは異なる内容を誤って回答してしまう「ハルシネーション」と呼ばれる現象があります。しかしPerplexityでは生成する回答に情報源もあわせて表示するため、生成された情報の真偽をすぐに確認することができます。
さらに、有料版ではGPT-4、Claude、Geminiなど複数のAIモデルから必要に応じて利用モデルを選択し、切り替えて利用することも可能です。日本語にも対応しているので、英語ができなくてもスムーズに検索できます。
自分の求めるものを生成AIに出力させるための「プロンプトの作法」を知らなくてもOK。普通の会話のように話しかければ「本当に知りたいこと」を、情報源つきで教えてくれる……。Perplexityは、有能なコンシェルジュのような検索ツールなのです。
「ChatGPT」をはじめとする生成AIは、大量のテキストデータを学習させた深層学習モデルの一種であるLLMを使って、コンテンツを生成します。膨大な量のテキストデータから言葉の意味や関係性を学習することで、ユーザーの意図に沿った結果を生成しようとします。
例えば、「首輪をつけた犬の絵を描いて」という指示に対し、LLMは「首輪」「犬」「絵を描く」といった言葉の意味や関係性を理解して、画像生成AIに何を出力するべきか指示を出します。つまりLLMは、生成AIが適切な処理を行うための頭脳のような役割を担っているのです。
このLLMを検索機能と組み合わせたのが、Perplexity。従来の検索エンジンでは「東京 天気」といったキーワードを入力して検索しますが、Perplexityの場合は「東京の天気を教えて」など、会話文に近い形での問いかけに、簡潔で正確な回答を返してくれます。
Perplexityでは、リアルタイムでWEBページを参照して最新の情報を検索でき、検索結果には情報源が表示されます。このあたりが「生成する回答の真偽を確認する必要がある」「最新の情報を調べるには向かない」と考えられている従来の生成AIと、Perplexityとが一線を画すポイントです。
AIには、事実とは異なる内容を誤って回答してしまう「ハルシネーション」と呼ばれる現象があります。しかしPerplexityでは生成する回答に情報源もあわせて表示するため、生成された情報の真偽をすぐに確認することができます。
さらに、有料版ではGPT-4、Claude、Geminiなど複数のAIモデルから必要に応じて利用モデルを選択し、切り替えて利用することも可能です。日本語にも対応しているので、英語ができなくてもスムーズに検索できます。
自分の求めるものを生成AIに出力させるための「プロンプトの作法」を知らなくてもOK。普通の会話のように話しかければ「本当に知りたいこと」を、情報源つきで教えてくれる……。Perplexityは、有能なコンシェルジュのような検索ツールなのです。
Perplexity AIの使い勝手はどう?実際に使ってみた
Perplexityは、無料でも利用できます。その場合、アカウントの作成は不要で、WEBページ、またはアプリの検索窓に質問を入力するだけで回答を得られます。基本的な質問・応答や情報収集は無料でも無制限に利用できるほか、PDFやJPEG、PNG画像などのファイルを1日あたり3回までアップロードできるなど、課金せずとも基本的な機能は一通り試すことができます。
ただしサインアップなしの場合、後に説明する「Copilotモード」や「履歴保存機能」は利用できません。
ユーザーの検索意図を的確に捉え、精度の高い情報を得られる点が、Perplexityが注目される理由の1つ。実際にPerplexityで検索してみましょう。
「一戸建ての寒さ対策を教えて」と質問してみます。
ただしサインアップなしの場合、後に説明する「Copilotモード」や「履歴保存機能」は利用できません。
ユーザーの検索意図を的確に捉え、精度の高い情報を得られる点が、Perplexityが注目される理由の1つ。実際にPerplexityで検索してみましょう。
「一戸建ての寒さ対策を教えて」と質問してみます。
複数のソースからの情報を箇条書きにまとめてくれる
画像の「ソース」が情報の参照元。さらに「簡単にできる対策」として複数のサイトからの情報を箇条書きにまとめて出してくれます。
「関連」でさらに情報を深掘りできる
検索結果の概要の下には、「関連」という項目があります。ここがPerplexityの便利なところで、「一戸建ての寒さ対策」というユーザー(私)の質問の意図をくんで、気になりそうな関連トピックを出してくれるのです。
関連項目の中から「カーテンの種類によって寒さ対策の効果は変わるの?」という項目を選んで展開してみます。
関連項目の中から「カーテンの種類によって寒さ対策の効果は変わるの?」という項目を選んで展開してみます。
防寒対策としては見落としがちなカーテンについて説明が深掘りされる
厚手のカーテンなら何でもいいというわけではなさそう。しかも「色によっても防寒効果が変わってくる」という、気になる一文が入っています。「どういうこと?」と開いてみると、暖色系は視覚的に暖かさを感じさせてくれるということでした。インテリアの雰囲気はそのままに防寒効果を上げる方法を探している私にとっては、心ひかれる情報ではなかったものの、季節ごとに部屋の模様替えをしたい人なら「冬用のカーテンは暖色系の遮熱断熱タイプを選ぶ」といった選択肢も浮かんできます。
このように、Perplexityでは1つの検索結果からどんどん情報を掘り下げていくことができます。
従来の検索エンジンは、イマイチな結果が返ってきた場合、他の人の似た言葉での検索結果のサジェストはあるものの、ユーザー側で切り口を変えた検索ワードを再度提示する必要があります。一方、Perplexityがこちらの意図をくんで関連情報を次々に出してくれる様子は、豊富な知識を備えたコンシェルジュと話しているよう。
検索を行う時は、「こういう情報が得たい」「こんな回答が出るのではないか」と、ユーザー側があらかじめ予想できる範囲があると思います。Perplexityは、それに加えて想定外の、しかし有用な情報も教えてくれるので、情報を深堀りする楽しさがあります。
あくまでもAIが生成した回答であるため、PerPlexityであっても不正確な情報が含まれる可能性はあります。でも、それは通常のWEB検索も同じこと。Perplexityは毎度ソースを提示してくれるので、都度それを確認して、関連情報との整合性を考えつつ使っていれば、誤情報をつかまされることは格段に減らせるのではないかと思います。
このように、Perplexityでは1つの検索結果からどんどん情報を掘り下げていくことができます。
従来の検索エンジンは、イマイチな結果が返ってきた場合、他の人の似た言葉での検索結果のサジェストはあるものの、ユーザー側で切り口を変えた検索ワードを再度提示する必要があります。一方、Perplexityがこちらの意図をくんで関連情報を次々に出してくれる様子は、豊富な知識を備えたコンシェルジュと話しているよう。
検索を行う時は、「こういう情報が得たい」「こんな回答が出るのではないか」と、ユーザー側があらかじめ予想できる範囲があると思います。Perplexityは、それに加えて想定外の、しかし有用な情報も教えてくれるので、情報を深堀りする楽しさがあります。
あくまでもAIが生成した回答であるため、PerPlexityであっても不正確な情報が含まれる可能性はあります。でも、それは通常のWEB検索も同じこと。Perplexityは毎度ソースを提示してくれるので、都度それを確認して、関連情報との整合性を考えつつ使っていれば、誤情報をつかまされることは格段に減らせるのではないかと思います。
無料のサインアップでさらに便利に
Perplexityの検索機能は、先に説明したように登録不要で使うことができますが、サインアップをするとさらに便利な使い方ができるようになります。サインアップだけなら、使用にあたって料金がかかることはありません。
サイドバーの「新規登録」をクリックし、Googleアカウントやメールアドレスといったサインアップ方法を選択します。
サイドバーの「新規登録」をクリックし、Googleアカウントやメールアドレスといったサインアップ方法を選択します。
サイドバーからサインアップを行う
アカウントを選択したら、ユーザーネームを設定して完了です。
サインアップすると、GPT-4を使った生成(Copilotモード)が利用可能になります。本家ChatGPT Plusが月額20ドルでGPT-4が使用できるのに対し、Perplexityでは4時間あたり5回という制限はあるものの、別途ChatGPTに課金をしなくともGPT-4が使えるので、お得感があります。
Copilotモードは複雑な質問にも対応できるため、具体的な情報を求めると効果的です。例えば、「日本の少子高齢化問題について、最新のデータと専門家の意見を教えて」といった質問が可能です。
また、未登録の状態ではPerplexity上の検索履歴はブラウザやアプリを閉じるとクリアされますが、サインアップすれば履歴が閲覧でき、前回の続きから生成ができるようになります。検索結果を掘り下げるというPerplexityの特長をさらに活かせます。
サイドバーのアカウント名の横にある歯車マークをクリックすると、Perplexityの設定をカスタムすることが可能。外観をダークモードに変更したり、表示言語を設定できます。
サインアップすると、GPT-4を使った生成(Copilotモード)が利用可能になります。本家ChatGPT Plusが月額20ドルでGPT-4が使用できるのに対し、Perplexityでは4時間あたり5回という制限はあるものの、別途ChatGPTに課金をしなくともGPT-4が使えるので、お得感があります。
Copilotモードは複雑な質問にも対応できるため、具体的な情報を求めると効果的です。例えば、「日本の少子高齢化問題について、最新のデータと専門家の意見を教えて」といった質問が可能です。
また、未登録の状態ではPerplexity上の検索履歴はブラウザやアプリを閉じるとクリアされますが、サインアップすれば履歴が閲覧でき、前回の続きから生成ができるようになります。検索結果を掘り下げるというPerplexityの特長をさらに活かせます。
サイドバーのアカウント名の横にある歯車マークをクリックすると、Perplexityの設定をカスタムすることが可能。外観をダークモードに変更したり、表示言語を設定できます。
カスタマイズでより便利に
設定画面で「プロフィール」タブをクリックすると、ユーザーのプロフィールを設定することができます。
ここでの「プロフィール」は、ほかのユーザー向けではなく、Perplexityに対する自己紹介にあたります。「Perplexityに自分のことを説明するプロンプト」と考えると理解しやすいでしょう。
ここに書いた内容はPerplexityで検索を行う際、前提条件として機能します。職業や年齢といった自分の属性を書いておけば、それに合った検索結果が重点的に表示されます。またすべての検索結果に反映されるわけではないものの、ChatGPTのカスタム指示のように「検索結果は箇条書きで表示してほしい」といった指示も可能。「自分だけのPerplexity」にカスタマイズすることができます。
さらに、より情報を深堀りできる「Pro Search」もサインアップで利用可能に。利用するには、検索バーの「Proスイッチ」をクリックするだけです。
ここでの「プロフィール」は、ほかのユーザー向けではなく、Perplexityに対する自己紹介にあたります。「Perplexityに自分のことを説明するプロンプト」と考えると理解しやすいでしょう。
ここに書いた内容はPerplexityで検索を行う際、前提条件として機能します。職業や年齢といった自分の属性を書いておけば、それに合った検索結果が重点的に表示されます。またすべての検索結果に反映されるわけではないものの、ChatGPTのカスタム指示のように「検索結果は箇条書きで表示してほしい」といった指示も可能。「自分だけのPerplexity」にカスタマイズすることができます。
さらに、より情報を深堀りできる「Pro Search」もサインアップで利用可能に。利用するには、検索バーの「Proスイッチ」をクリックするだけです。
スマホアプリからも利用可能
Pro Searchは、サインアップをすれば無料でも1日5回まで利用可能。問題を段階的に分解し、深い分析を提供する「複数ステップ推論」、高度な数学・プログラミングといった複雑な問題の解決、そして詳細な情報の収集をサポートしてくれます。また、フォローアップ質問を通じてユーザーの質問の意図を把握し、最も関連性の高い情報を提供してくれるのも、サインアップしてPerplexityを利用する大きなポイントです。
中野 亜希
ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019