遅延やラグなどを感じさせない快適動作だが、起動には時間がかかる場合も
ストリーミングゲームをプレイする際には有線のインターネット接続を使うのがおススメです。公式サイトでは、5Mbps以上のインターネット接続が必要という記載がありますが、無線LANの場合、利用する環境によって通信速度が安定しないため、比較的速度が安定する有線によるインターネット接続の方が安心です。
今回は有線接続の環境で、ストリーミング、ダウンロード共に利用可能な「My Friend Pedro」を使って、ダウンロード版とストリーミング版での動作の違いを試してみました。
今回は有線接続の環境で、ストリーミング、ダウンロード共に利用可能な「My Friend Pedro」を使って、ダウンロード版とストリーミング版での動作の違いを試してみました。
PS4用に提供されている「My Friend Pedro」を使ってダウンロード版とストリーミング版の動作の違いなどをチェック
まず起動時間についてですが、こちらは圧倒的にダウンロード版の方がスムーズでした。ダウンロード版は起動後1秒ですぐにロゴが表示され、その後13秒で開発ゲームエンジンのUnityロゴが表示されました。これに対して、ストリーミング版は起動後18秒経過後にようやく最初のロゴが表示され、27秒が経過したところでようやくUnityロゴが表示されました。
これはストリーミングの仕組みを考えると仕方のないところです。ストリーミングの場合、サーバ側でゲームを起動してこちらと連携するための準備など、最初の段階で多少時間をかけて調整を行っていると思われるからです。
起動に時間がかかるのは残念なポイントですが、一方でこちらのゲーム機側には何もインストールしなくてもゲームがプレイできるという点は見逃せません。PS4にせよPS5にせよ、内蔵ストレージの容量には限りがあります。
多くのソフトをインストールすると本体のストレージ容量はどんどん圧迫されていってしまうので、取捨選択が必要になってきます。お試し感覚でプレイするタイトルについてはインストールせずに遊ぶことで、ストレージ容量を節約できるので、ここは多少我慢するポイントだと思います。
タイトル表示から実際のゲームの動作についてもざっと見てみましたが、ほぼ問題のない動作のように感じました。筆者宅のPS4は有線LANを接続して使用していますが、プレイしていて遅延や違和感はほぼなく、ゲームが楽しめました。試しにダウンロード版とストリーミング版の両方のゲームプレイを録画してフレーム単位での動作も確認してみましたが、画面表示上の遅延はなく、全く同じ速度でメッセージが表示されるのが確認できました。
これはストリーミングの仕組みを考えると仕方のないところです。ストリーミングの場合、サーバ側でゲームを起動してこちらと連携するための準備など、最初の段階で多少時間をかけて調整を行っていると思われるからです。
起動に時間がかかるのは残念なポイントですが、一方でこちらのゲーム機側には何もインストールしなくてもゲームがプレイできるという点は見逃せません。PS4にせよPS5にせよ、内蔵ストレージの容量には限りがあります。
多くのソフトをインストールすると本体のストレージ容量はどんどん圧迫されていってしまうので、取捨選択が必要になってきます。お試し感覚でプレイするタイトルについてはインストールせずに遊ぶことで、ストレージ容量を節約できるので、ここは多少我慢するポイントだと思います。
タイトル表示から実際のゲームの動作についてもざっと見てみましたが、ほぼ問題のない動作のように感じました。筆者宅のPS4は有線LANを接続して使用していますが、プレイしていて遅延や違和感はほぼなく、ゲームが楽しめました。試しにダウンロード版とストリーミング版の両方のゲームプレイを録画してフレーム単位での動作も確認してみましたが、画面表示上の遅延はなく、全く同じ速度でメッセージが表示されるのが確認できました。
ダウンロード版とストリーミング版をそれぞれプレイした映像を録画して、画面端からポップアップされるメッセージのスピードをフレーム単位でチェックしてみたが、速度は全く同じでここでの遅延は見られなかった
ただし、これは本作が比較的ヌルッとした動作のアクションゲームだからという事情もあるのかもしれません。スピーディーなレースゲーム「ザ・クルー」の動作も筆者宅の環境ではほぼ問題は感じられませんでしたが、フレーム単位での操作感など細かいところに遅延がある可能性はあります。ちなみにPS3タイトルは全てストリーミングでのゲームプレイでしたが、どのタイトルもおかしな動きになったり、操作で困ることはありませんでした。
なお、ゲーム開始までに一定時間の待ち時間が発生する「順番待ち」が発生したことは2回ほどありました。多くのユーザーがプレイしようとした際に発生する現象のようですが、筆者の感覚だと表示される方がむしろ稀なくらいの頻度でした。たまに表示されたら他のプレーヤーが同じようにストリーミングゲームを楽しんでいると想像してのんびり待ちましょう。
なお、ゲーム開始までに一定時間の待ち時間が発生する「順番待ち」が発生したことは2回ほどありました。多くのユーザーがプレイしようとした際に発生する現象のようですが、筆者の感覚だと表示される方がむしろ稀なくらいの頻度でした。たまに表示されたら他のプレーヤーが同じようにストリーミングゲームを楽しんでいると想像してのんびり待ちましょう。
たまに「順番待ち」が発生してすぐに開始できない場合もある。順番待ち発生時は秒単位で開始までの時間がカウントダウンされるほか、予定より速く開始する場合もあった
ストリーミングゲームでは長時間放置していると自動でゲームが終了する。「もう一度はじめる」を選択することで再開することができるが、席を外す場合などは念のためにセーブしておくのが無難だろう
また、筆者の環境でも1回だけ、「XCOM2」のオープニングカットの一部で明確な遅延が発生したことがありました。それなりの時間、ストリーミングでゲームをプレイしてきて発生したのはこの1度だけでしたが、「一切遅延もトラブルもなく快適にプレイできる」というわけではなく、プレイ時のネットワーク環境などに大きく左右されるという点には注意が必要です。
「XCOM2」をストリーミングでプレイしていた際、オープニングカット再生時に、表示のカクつきが発生したかと思ったら突然映像が乱れ、激しいブロックノイズが発生した。数秒後には元の映像に戻り、以降はこうした事象は発生せず快適にプレイできたが、ネットワーク回線状況によっては不調になる場合もある点には注意が必要だ
クラウドゲーミングの成功事例となるかはサービス展開次第か?
以上、一通りPS Plus プレミアムのストリーミングゲーム(クラウドゲーミング)の触り心地について語ってきました。クラウドゲーミング自体には、SIE以外にも力を入れている会社がたくさんあります。各社とも提供しているサービスは評判がよく、極端な失敗例はあまりありません。一方で明確に成功した会社がいないのも事実です。
最大のネックとなるのは、やはり通信環境という利用者固有の問題が大きく影響する点です。ゲームライターがレビューなどで試す際は、できるだけ最適な環境を用意してトライするため忘れられがちですが、実際の家庭では無線LAN環境しか構築できない場合や、そもそも無線LANの速度が機器や回線そのものの都合で遅いといった問題も発生します。このように利用者の環境次第で品質が変わってしまうサービスが浸透するには、プレーヤー全体の通信環境の底上げが必要です。
また、PS Plus プレミアムでは現状、タイトルの一部のみをストリーミングゲームで提供しています。しかし、対応タイトルを増やしていかなければ、爆発的な普及にはつながらないと考えています。
定額サービスとクラウドゲーミングとの組み合わせは各社が提供しており、PS Plusにおいても今後、新作であるPS4/5タイトルのストリーミングゲームの配信は増えていくと思われます。ただ、懐古主義の筆者としては、初代PSやPS2、PSPタイトルの数々を、今回のようなダウンロード形式ではなく、ストリーミング形式で手当たり次第に遊びたいのです。
本数に関しても、もっと膨大なタイトルが楽しめれば、普及に拍車がかかるのではないかと考えています。
ライセンスや、技術的な問題などがあって、ストリーミングゲームでの提供が行われていないことは理解しています。ですが、こうした問題をクリアして、料金は今のプレミアムの価格のままで、ほぼ全ての初代PSとPS2/3/PSPタイトルが定額で遊び放題になったら、その時こそ、このサービスが圧倒的な人気を確保できるのではないか。そう筆者は妄想し、期待しています。
欲をいえば、かつてのアーケードゲームの名作を収録する「アーケードアーカイブス」シリーズなども含めて、全ての昔のゲームがまとめてプレイできるようなサービスにまで、PS Plusが成長してほしいと願っています。ストリーミングゲームとPS Plus プレミアムにはそれが実現できるポテンシャルを感じます。今後のサービス展開に期待したいところです。
最大のネックとなるのは、やはり通信環境という利用者固有の問題が大きく影響する点です。ゲームライターがレビューなどで試す際は、できるだけ最適な環境を用意してトライするため忘れられがちですが、実際の家庭では無線LAN環境しか構築できない場合や、そもそも無線LANの速度が機器や回線そのものの都合で遅いといった問題も発生します。このように利用者の環境次第で品質が変わってしまうサービスが浸透するには、プレーヤー全体の通信環境の底上げが必要です。
また、PS Plus プレミアムでは現状、タイトルの一部のみをストリーミングゲームで提供しています。しかし、対応タイトルを増やしていかなければ、爆発的な普及にはつながらないと考えています。
定額サービスとクラウドゲーミングとの組み合わせは各社が提供しており、PS Plusにおいても今後、新作であるPS4/5タイトルのストリーミングゲームの配信は増えていくと思われます。ただ、懐古主義の筆者としては、初代PSやPS2、PSPタイトルの数々を、今回のようなダウンロード形式ではなく、ストリーミング形式で手当たり次第に遊びたいのです。
本数に関しても、もっと膨大なタイトルが楽しめれば、普及に拍車がかかるのではないかと考えています。
ライセンスや、技術的な問題などがあって、ストリーミングゲームでの提供が行われていないことは理解しています。ですが、こうした問題をクリアして、料金は今のプレミアムの価格のままで、ほぼ全ての初代PSとPS2/3/PSPタイトルが定額で遊び放題になったら、その時こそ、このサービスが圧倒的な人気を確保できるのではないか。そう筆者は妄想し、期待しています。
欲をいえば、かつてのアーケードゲームの名作を収録する「アーケードアーカイブス」シリーズなども含めて、全ての昔のゲームがまとめてプレイできるようなサービスにまで、PS Plusが成長してほしいと願っています。ストリーミングゲームとPS Plus プレミアムにはそれが実現できるポテンシャルを感じます。今後のサービス展開に期待したいところです。
池 紀彦
ゲーム&ガジェットライター
自ら触れて得た体感を形にする兼業ライター。ソフトウェア事業のディレクションと検証を行なう傍ら、パソコン雑誌編集部やAV機器メディア編集部を経て得た経験を活かし、パソコン、ガジェット、ゲーム、おもちゃなどのレビューを日夜各所で執筆。ThinkPadと程よい懐古物を好み、懐かしのゲームやパソコン、アニメ、漫画などをこよなく愛します。「やってみた」には定評あり。