GMOグループに初の女性社長が誕生、バーチャルオフィス事業への思いと抱負を語る

2022.1.21

GMOインターネットグループのGMOオフィスサポートは12月7日、バーチャルオフィスサービスを開始した。

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同社が提供するのは、渋谷駅から徒歩3分という好立地に会社の登記も可能な住所を提供する「住所レンタル」と「郵便物転送」、「LINEでの郵便通知」、「事業計画書フォーマット提供」の基本サービスをはじめとする、ビジネス支援サービスだ。

利用料金は郵便物転送が月1回の「月1転送プラン」で月額1650円（税込）から。また郵便転送なしの「転送なしプラン」では法人登記はできないが、月額990円という低価格で渋谷駅チカの住所を利用できる。

GMOオフィスサポートの料金プラン

GMOオフィスサポートが目指すのは、業界最安水準で信頼性の高いサービス提供を通じて、起業家支援や事業成長のサポートをすること。そのGMOオフィスサポート自体、2021年設立の若い会社である。また同社代表取締役社長の松井美樹氏も新卒5年目で社長に就任したフレッシュな人物で、GMOインターネットグループでは初の女性の社長でもある。

サービス開始から間もない松井氏に、社長就任までのいきさつや、サービスにかける思い、今後の抱負などについて話を聞いた。

起業家とともに走り、成長するサービスを目指して

──GMOオフィスサポートのコンセプトは。

起業家のサポートをするということ、最初から一緒に走っていく、一緒に大きくなっていくというのがGMOオフィスサポートとして実現したいビジネスモデルです。

私自身もこの会社を立ち上げるときに、分からないことがたくさんありました。そういった分からないことや、手続きで迷うところが起業家には数多くあるのですが、今は相談先がバラバラです。銀行、税理士、司法書士、不動産屋といった、さまざまな人に相談して手続きをしなければならず、ホームページや名刺作成も全部自分で手配しなければなりません。

そうした専門家や各社に別々に頼んでいたことを、GMOオフィスサポートに相談していただければ、丸ごと解決しますというサービスを目指しています。

──既存のバーチャルオフィスサービスとの違いは。

サービスの入口自体は、住所提供や郵便転送などが利用できるバーチャルオフィスサービスという点で同じですが、これらの基本サービスをセットで、1650円という低価格で提供していることでしょうか。業界では、1000円以下から4〜5万円と幅広い価格帯でサービスが提供されていますが、安すぎるサービスでは同じ住所に同居する企業が信頼できる会社かどうか分からないといった問題が起きることもあります。また、顧客や取引先に安心感を与える住所ではないこともあります。

GMOオフィスサポートでは、渋谷駅にほど近い住所のバーチャルオフィスを圧倒的に安く、かつ、他のサービスも使いやすく提供していきたいと考えています。GMOインターネットグループのさまざまなサービスに加え、経理・労務・法務といった会社では必ず必要な業務を、バーチャルオフィスを入口としながら一貫して提供し、起業家を支援することを目指しています。

顧客視点で身に染みて大変さを知った会社設立

──どのような経緯でGMOオフィスサポート社長に就任することになったのか。

私は2017年、大学の農学部林業専攻を卒業して新卒で証券会社に入社し、営業に携わっていました。GMOインターネットグループにジョインしたのは2018年9月のことです。転職してから約2年半はGMOクリック証券のバックオフィス担当として、FX取引の裏側や顧客管理を担当しました。

GMOインターネットグループへジョインした頃の松井社長

その後、2021年4月に新規事業部門へ異動し、オフィスサポート事業の立ち上げを担当することになりました。GMOフィナンシャルホールディングス会長の高島（秀行氏）が事業の発案者だったのですが、「人もいないので、いったんサービスインまでやってくれないか」と言われて、最初は結構軽い感じで始まりまして……。

当初は私しかいなかったので、グループ内の公募制度で何人か採用をかけてチームを作り、その後「やはり会社を設立しないと」ということになったときに、「最初からいたし、事業を一番分かっているから」ということで、社長をお引き受けしました。

当時、高島には「会社を作ることは難しくない」と言われたのですが、全然そんなことはありませんでした（笑）。やはり分からないのでいろいろと調べたり、人に聞いたりして大変でした。会社を作るのも、作った後もいろいろと管理することがあって大変だということは、お客様の目線で、本当に身に染みて分かりました。

──GMOインターネットグループで初の女性の社長だということで、何か考えたことや思うところはあったか。

それが、初の女性社長ということを知らなかったので、話が来たときには「サービスインに向けてここまでやってきたのだから、やってみよう」と特に気負いもなく、勉強になるかなと思ってお引き受けしました。

新しい事業をやるということで、毎日気持ちも上がったり下がったり、刺激的な日々を送っています。ローンチ前はやはり、あれもこれもやらなければ、ということで慌ただしく過ごしました。

実は社長就任を両親に報告していなかった

──子どもの頃からリーダーシップを発揮するタイプだったのか。

私立の中高一貫校に通っていましたが、どちらかというと、おとなしい子どもでした。それほど派手な性格でもなく、部活などもやっていなかったので、目立たない方だったのではないでしょうか。真面目なタイプだったとは思います。

「おとなしく、目立たないタイプだった」という、学生時代の松井社長

──ご家族は松井さんの社長就任について、どのような感想を持っているのか。

それが実はまだ、実家の両親には報告していないんです。心配をかけるのではないかと思って、サービスリリースから少したって、落ち着いてから伝えようと考えていました。「大変でしょう」とは言われると思います。でも、応援してくれるでしょう。

これから事業を始める、エネルギーのある方々にサービスを使ってほしい