ホワイトハッカーがセキュリティの基本のキをわかりやすく!「いいパスワード」って?「GMOデジキッズサマーキャンプ2025」レポート

GMOインターネットグループでは、毎年夏休みの時期にITやプログラミング教育をテーマにしたサマーキャンプを開催しています。今年も8月2日土にグループ第2本社・渋谷フクラスで小学4年生以上を対象に開催されました(昨年のサマーキャンプの様子はこちら)。
題して「GMOデジキッズ サマーキャンプ2025 ネットの世界でみんなを守る術を学ぼう!体験して学ぶサイバーセキュリティの大切さ(以下、GMOデジキッズ サマーキャンプ2025)」。今夏のテーマは“セキュリティ”です。
講師は、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ サイバー事業本部 高度解析部 教育課の大鐘博子氏と、同部 高度解析課の三村聡志氏。両氏ともにホワイトハッカーとしてサイバーセキュリティに広く関わる専門家です。
「ホワイトハッカーから学ぶサイバーセキュリティ講座」と聞くと、ちょっと難しそう……と身構えてしまうかもしれませんが、今回のサマーキャンプでは、子どもたちにも身近なテーマからスタート。クイズやワークショップを通じて、パスワードの役割や最新の常識を楽しく学べる内容となっていました。
さらに大人にとっても、パスワードを本質的に理解し、思わず自分のパスワードを見直したくなるような実践的な講座でした。当日の様子をレポートします。
題して「GMOデジキッズ サマーキャンプ2025 ネットの世界でみんなを守る術を学ぼう!体験して学ぶサイバーセキュリティの大切さ(以下、GMOデジキッズ サマーキャンプ2025)」。今夏のテーマは“セキュリティ”です。
講師は、GMOサイバーセキュリティ byイエラエ サイバー事業本部 高度解析部 教育課の大鐘博子氏と、同部 高度解析課の三村聡志氏。両氏ともにホワイトハッカーとしてサイバーセキュリティに広く関わる専門家です。
「ホワイトハッカーから学ぶサイバーセキュリティ講座」と聞くと、ちょっと難しそう……と身構えてしまうかもしれませんが、今回のサマーキャンプでは、子どもたちにも身近なテーマからスタート。クイズやワークショップを通じて、パスワードの役割や最新の常識を楽しく学べる内容となっていました。
さらに大人にとっても、パスワードを本質的に理解し、思わず自分のパスワードを見直したくなるような実践的な講座でした。当日の様子をレポートします。
“いいハッカー”とは?パスワードとは?
冒頭のあいさつで大鐘氏と三村氏は、両氏が普段どんな仕事をしているのかを小学生にも伝わるように、シンプルな言葉で語りかけていきました。
例えば「ホワイトハッカー」とは「いいハッカー」であることや、「“悪いことをする人”の気持ちになって考え、それを防ぐ方法を考えるのが、私たち“いいハッカー”の仕事」といった説明です(この考え方は今話題の能動的サイバー防御の基本でもあります)。
さらに「普段の仕事では、新しいゲーム機や機械をもらって、あえて“悪い人と同じこと”をしてみて、どうやったら防げるかを調べる。そうやってゲーム機や機械を“強くする”のが私の役目です」といった具体例も交えながら、子どもたちのサイバーセキュリティへの理解を少しずつ深めていきます。
今回の主なテーマ、「パスワード」についても、本質的なことがわかるように解説されていたことが非常に印象的でした。というのも、実は大人でも「そもそもパスワードとは何なのか」を説明するのは案外難しいものだからです。
大鐘氏は、謎の文章を読み解くクイズやイラストを交えながら、パスワードについて「“使っていい人”だけが、使えるようにするためのもの」と説明します。
例えば「ホワイトハッカー」とは「いいハッカー」であることや、「“悪いことをする人”の気持ちになって考え、それを防ぐ方法を考えるのが、私たち“いいハッカー”の仕事」といった説明です(この考え方は今話題の能動的サイバー防御の基本でもあります)。
さらに「普段の仕事では、新しいゲーム機や機械をもらって、あえて“悪い人と同じこと”をしてみて、どうやったら防げるかを調べる。そうやってゲーム機や機械を“強くする”のが私の役目です」といった具体例も交えながら、子どもたちのサイバーセキュリティへの理解を少しずつ深めていきます。
今回の主なテーマ、「パスワード」についても、本質的なことがわかるように解説されていたことが非常に印象的でした。というのも、実は大人でも「そもそもパスワードとは何なのか」を説明するのは案外難しいものだからです。
大鐘氏は、謎の文章を読み解くクイズやイラストを交えながら、パスワードについて「“使っていい人”だけが、使えるようにするためのもの」と説明します。

身の回りのパスワードを紹介する大鐘氏。普段は社会人や大学生などを対象にサイバーセキュリティの講義を行う。講義内容は認証技術(パスワード含む)、リスク管理(脅威と脆弱性)、サイバーに関する法律、サイバー演習、インシデントレスポンスなど多岐にわたる
家の鍵でも、Wi-Fiでも、パソコンでも、“使っていい人”だけが使えるようにするのがパスワードの役割。では、そのパスワードを、他の誰かに知られてしまうとどうなるか。ここでリアルかつ小学生の心もつかむ例が登場します。
三村氏は「皆さん、Scratch(スクラッチ)で遊んだことはありますか?」と尋ねると、ほとんどの子どもが挙手したタイミングでこう続けました。
「作っていたスクラッチを、誰かが勝手に消してしまったら、困るよね? せっかく頑張って作っていたのに、明日なくなったら悲しいよね? こういうことが起こらないように、明日も明後日も、自分が消さない限り消えないように、パスワードをかけるんです」
リアルな例を聞いていると、パスワードが身近かつ大事なものであることが、大人にも子どもにも理解できます。
三村氏は「皆さん、Scratch(スクラッチ)で遊んだことはありますか?」と尋ねると、ほとんどの子どもが挙手したタイミングでこう続けました。
「作っていたスクラッチを、誰かが勝手に消してしまったら、困るよね? せっかく頑張って作っていたのに、明日なくなったら悲しいよね? こういうことが起こらないように、明日も明後日も、自分が消さない限り消えないように、パスワードをかけるんです」
リアルな例を聞いていると、パスワードが身近かつ大事なものであることが、大人にも子どもにも理解できます。

パスワードがバレたらどうなるかを解説する三村氏。普段はハードウェアの脆弱性診断に従事。2023年より日本最大規模のハッキングコンテスト「SECCON」実行委員長を務め、セキュリティエンジニアの発掘・ 育成にも深く携わる
「残念ながら、悪いハッカーはとても勉強します」
パスワードの大事さがわかったところで、次は「いいパスワード」を参加者みんなで考えていきます。
ここでも大鐘氏と三村氏が“いいハッカー”ことホワイトハッカーの視点から「悪い、弱いパスワード」の例を挙げつつレクチャー。
ここでも大鐘氏と三村氏が“いいハッカー”ことホワイトハッカーの視点から「悪い、弱いパスワード」の例を挙げつつレクチャー。

パスワード「カレー」は「みんなが好きな食べ物」だから、よく使われそうで、想像されやすい。ちなみに海外では「スターウォーズのキャラクター名」がよくパスワードに使われているそう

数字4桁の短いパスワードなら1秒以下で調べられてしまう。「コンピューターが進化すれば、かかる時間はさらに短縮されていくはず」と三村氏
さらに三村氏は「悪いハッカーは、残念ながらものすごく勉強します。そして何でもやります」として「もし私が“悪いハッカー”なら、誰かのパスワードを調べるために、英語も数字も、覚えやすい単語も、日本語の単語も使います。しかも、こんなふうに“文字を全部試す”ことは、悪いハッカーの手口のほんの一部なんです」と解説します。
パスワードにまつわるリアルな話がどんどん展開される中、子どもも、同席する保護者の大人も思わず前のめりになっていきます。
パスワードにまつわるリアルな話がどんどん展開される中、子どもも、同席する保護者の大人も思わず前のめりになっていきます。

i4U編集部
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