ホワイトハッカーチーム「GMOイエラエ」が世界最大級のサイバーセキュリティイベント「DEF CON 33」の「Cloud Village CTF」で世界1位を獲得、3連覇を達成!

安蔵 靖志

GMOインターネットグループイベントセキュリティ
GMOインターネットグループGMOサイバーセキュリティ byイエラエ(以下、イエラエ)に所属するホワイトハッカーチーム「GMOイエラエ」は、2025年8月7~10日の4日間にわたって米ラスベガスで開催された、世界最高峰のセキュリティイベント「DEF CON 33」で行われた「Cloud Village CTF」で優勝し、3年連続で世界1位に輝きました。また同グループの「GMO Flatt Security」と「Blue Water」も各部門で上位入賞を果たしました。

世界最大級のセキュリティイベント・DEF CONで3連覇

DEF CONはエンジニア、研究者、政府関係者などのサイバーセキュリティの専門家が集まる世界最大級のサイバーセキュリティイベントです。1993年から毎年米国で開催され、世界的なサイバーセキュリティコミュニティの成長と交流に貢献しています。

同イベントの期間中は、最新技術の発表や情報交換、サイバーセキュリティの技術を競うコンテストCTF(Capture The Flagの略で、サイバーセキュリティ分野のコンテストの形式の1つ)などが行われ、サイバーセキュリティ業界内で最も重要かつ影響力のあるイベントの1つとされています。

開催されるコンテストには、サイバーセキュリティ分野のコンテストの形式の1つで「Capture The Flag」の略称であるCTFがあり、そこには予選を勝ち抜いてきたチームが出場する決勝戦の「DEF CON CTF Finals」と、テーマに分かれたVillageで競う部門があります。

GMOインターネットグループには、イエラエ、GMO Flatt Securityを合わせて約200人のホワイトハッカーが所属しており、今回はその中から選抜されたメンバーがCTFに挑戦しました。

参加チームと成績

 GMOインターネットグループからは以下3チームが出場し、以下の成績を収めました。

・GMOイエラエ:Cloud Village CTFで世界1位(3連覇)
・GMO Flatt Security(個人参加):App Sec Village CTFで世界3位、Hardware Hacking Village CTFで世界5位
・Blue Water:DEF CON CTF Finalsで世界2位

「GMOイエラエ」がCloud Villageで3連覇を達成

GMOイエラエはイエラエに所属する脆弱性診断・研究チームです。サイバーセキュリティに関する情報発信や、各種サービス・プロダクトの提供を通じて、社会に還元する活動を行っています。

今回のDEF CON 33のCloud Village CTFでは、3年連続で世界1位を達成しました。今後も、国内外のセキュリティコンテストやバグバウンティ(製品やサービスに関する脆弱性の発見者に報奨金を支払う公開制度)への参加を通して技術力を高め、知識共有と社会全体のサイバーセキュリティ向上に寄与していきます。

GMOイエラエのメンバー

GMOイエラエのメンバーは、Cloud Village CTFでの3連覇について、以下のようにコメントしました。

「今年も優勝することができ、うれしく思います。昨年度とは異なり、クラウド以外の問題も出題され、また他の参加チームもより強い意気込みを見せる中、各分野に強みを持つパートナー(従業員)と協力した結果、全問正答した唯一のチームになりました。今後も技術研鑽に励み、より良い成果を目指すとともに、得られた知見をサービスなどを通じて社会へ還元していきます」(イエラエ 高度診断部 高度診断課 シニアエンジニア 渡部裕氏)

“エンジニアの背中を預かる”を使命に挑戦する「GMO Flatt Security」

CTFに参加したチーム「GMO Flatt Security」は、GMO Flatt Securityのセキュリティエンジニアによる選抜チームです。日々の技術研さんと社会貢献を目的に、国内外のサイバーセキュリティコンテストやイベントで活躍しています。今回の「DEF CON 33」では、AppSec Village CTFで世界3位、Hardware Hacking Villageで世界5位に入賞しました。これからも得た知見や経験を活かし、社会全体のセキュリティ向上に貢献していくとしています。

GMO Flatt Securityのメンバーは、AppSec Village CTFとHardware Hacking VillageCloud Village CTFでの入賞について、以下のようにコメントしました。

GMO Flatt Securityのメンバー

「AppSec VillageのCTFは、アプリへの攻撃能力と修正能力の両方が問われる競技であり、開発者向けの支援を重視する弊社の実務と非常に近いものでした。Hardware Hacking Villageの題材が実機を扱う点で、現地でしか味わえない熱気を感じられる経験でした。これらの競技は共通して、「エンジニアの背中を預かる」をミッションにする我々の実力を試す場として、また実践を通し研さんするための場として最適だったと感じています。今回の学びを、弊社エンジニア陣とAI「Takumi byGMO」の双方へ還元し、よりよいサービス提供につなげていきます」(GMO Flatt Security 取締役CTO 米内貴志氏)

「Blue Water」は世界各国の強豪が集う「DEF CON CTF Finals」で世界2位に

「Blue Water」はイエラエに所属するホワイトハッカーの王瀚邦(ワン ハンバン)が共同キャプテンを務める国際CTFチームです。チームには、イエラエ以外からもさまざまな国籍のホワイトハッカーが参画しました。今年の「Plaid CTF 2025」で優勝し、「DEF CON CTF Finals」への出場権を獲得し、ラスベガスでの決勝戦で世界2位に輝きました。

Blue Waterのメンバー

「Blue Water」のメンバーからは以下のコメントがありました。

「昨年から引き続き、『GMOイエラエ』の一部メンバーが『Blue Water』に合流する形で、『DEFCON CTF Finals』へ参加しました。惜しくも1位は逃しましたが、人数制限のない本大会での少数精鋭チームとしては、最大限の成果を挙げられたのではないかと思います。『DEFCON CTF Finals』はAttack & Defense形式という珍しいルールを採用しており、攻撃技術だけでなく防御技術も求められるという、まさに総合的なスキルを競い合う大会です。防御用インフラの改善など、いくつか課題も明確になりましたので、今度は1位を獲得できるよう、引き続き精進します」(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ 執行役員 小池悠生氏)

脆弱性診断やプロダクト開発力向上に向け、グループを挙げてCTF参加を支援

GMOインターネットグループは、CTFを単なる技術競技ではなく、実戦に近い環境でホワイトハッカーの技術を鍛え、社会へ還元する重要な機会と位置づけています。サイバー攻撃が高度化する中、攻撃者と同じ視点に立ち、迅速かつ的確に対応する力が不可欠です。CTFで得た知見は、脆弱性診断やプロダクト開発など日常業務にも直結します。さらに、若手人材が世界の第一線に挑むことで成長し、日本全体の技術力向上にも貢献しています。

GMOインターネットグループは2025年2月より、グループ横断プロジェクト「ネットのセキュリティもGMO」を展開しており、「すべての人に安心な未来を」という理念のもと、安心・安全なインターネット社会の実現を目指しています。世界最高峰の舞台で堂々と戦う姿は、GMOインターネットグループの高い技術力とセキュリティにかける本気の姿勢を示すものであり、私たちのミッションそのものを体現しています。

GMOインターネットグループ CISO(最高情報セキュリティ責任者)でイエラエ 代表取締役CEOを務める牧田誠氏は今回の結果について以下のようにコメントしました。

「今年も、世界最高峰のセキュリティカンファレンス『DEFCON』のCTFで好成績を収められたことを誇りに思います。CTFはただの競技ではありません。未知の脅威や最先端の攻撃手法に挑み、仲間とともに限界を超える挑戦でもあります。そして、そこで得た知見は、数年後に現実世界で直面するであろう脅威への備えとなります。本気で勝つことを目指すなら、最新の攻撃手法を追い、技術力を磨き続けるしかありません。私たちは、この挑戦の中で培った力のすべてをお客様を助けるために活用しています。『すべての人に安心な未来を』――その実現に向け、これからも世界の最前線で戦い続けます」

GMOインターネットグループ CISOでイエラエ 代表取締役CEOを務める牧田誠氏

GMOインターネットグループではこれからも、ホワイトハッカーが競技に集中できる環境作りを支援することで、国内企業全体のセキュリティ強化や人財育成の加速に貢献していくとのことです。

GMOイエラエによる今回の成果は、国内セキュリティ業界に大きな刺激を与えているのではないでしょうか。GMOインターネットグループが推進するサイバーセキュリティへの取り組みは、国内企業の技術力向上や人財育成を促し、日本全体のセキュリティレベルの向上と安心なインターネット社会の実現に寄与することが期待されます。

安蔵 靖志

Techジャーナリスト/家電エバンジェリスト
家電製品協会認定 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)、スマートマスター。AllAbout デジタル・家電ガイド。ビジネス・IT系出版社を経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ~ンの家電ソムリエ」にレギュラー出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの商品リサーチ・構成にも携わっている。

ranking

  • 1
    サムネイル

    日傘愛用者による「モンベル」と「サンバリア100」徹底比較レビュー、折り畳み傘がいい?それとも長傘?

  • 2
    サムネイル

    Google Pixel 9aを選ぶと後悔するの?スペック数値だけでは分からない実力を実機でチェックした

  • 3
    サムネイル

    お台場発着に決定!日本でも“豪華客船体験”ができる?「ディズニークルーズライン」の価格・アトラクション最新情報

  • 4
    サムネイル

    ディズニーの“クルーズ”って何?料金は?2028年度にやってくる「巨大豪華客船」について今分かっている情報

  • 5
    サムネイル

    ダイソー・セリア・キャンドゥ 100円ショップのパソコン周りクリーナーおすすめ6種を試してみた

  • 1
    サムネイル

    日傘愛用者による「モンベル」と「サンバリア100」徹底比較レビュー、折り畳み傘がいい?それとも長傘?

  • 2
    サムネイル

    Google Pixel 9aを選ぶと後悔するの?スペック数値だけでは分からない実力を実機でチェックした

  • 3
    サムネイル

    お台場発着に決定!日本でも“豪華客船体験”ができる?「ディズニークルーズライン」の価格・アトラクション最新情報

  • 4
    サムネイル

    Google Pixel 10シリーズが登場!AI主導の新体験&プロモデルは100倍ズーム対応も

  • 5
    サムネイル

    NHK大河『べらぼう』復習帳 その2:松平定信は改革者か、反動主義者か?

  • 1
    サムネイル

    日傘愛用者による「モンベル」と「サンバリア100」徹底比較レビュー、折り畳み傘がいい?それとも長傘?

  • 2
    サムネイル

    Google Pixel 9aを選ぶと後悔するの?スペック数値だけでは分からない実力を実機でチェックした

  • 3
    サムネイル

    お台場発着に決定!日本でも“豪華客船体験”ができる?「ディズニークルーズライン」の価格・アトラクション最新情報

  • 4
    サムネイル

    空調服にアイスヘッド——「恥ずかしい」なんてもう言わせない、2025年の猛暑に広まったひんやり対策グッズ

  • 5
    サムネイル

    ディズニーの“クルーズ”って何?料金は?2028年度にやってくる「巨大豪華客船」について今分かっている情報

internet for you.