――ワイジェイFXの商号も9月27日に「外貨ex byGMO」に変更されました。皆さん新しい環境に慣れましたか。
松本氏:正直なところ環境はあまり変わってないです。コロナ禍で昨年4月からリモートワーク中心の会社になり、オフィス移転もこれからです。会社で電話を受けることもなく、名刺交換の機会も少なくて。だからこそ、変化を内外に意識付けしていかないと、と思っています。
――カルチャーや理念が近く、GMO-FH入りはすんなり進んだようですが、お互いの「違い」もそれなりにありますよね。
山本氏:実は会議の中で、資料の作り方や進行の仕方が分かりやすいなあと勉強になっています。
松本氏:正直なところ環境はあまり変わってないです。コロナ禍で昨年4月からリモートワーク中心の会社になり、オフィス移転もこれからです。会社で電話を受けることもなく、名刺交換の機会も少なくて。だからこそ、変化を内外に意識付けしていかないと、と思っています。
――カルチャーや理念が近く、GMO-FH入りはすんなり進んだようですが、お互いの「違い」もそれなりにありますよね。
山本氏:実は会議の中で、資料の作り方や進行の仕方が分かりやすいなあと勉強になっています。
GMO-FH 常務執行役 CFO 山本樹氏
松本氏:それは、旧親会社のヤフーが金融機関ではなく、さまざまな関係者がいたため、非金融関係者に説明することが多かったからでしょうね。私はGMO-FHで最初から金融の深い話ができる点を魅力に感じています。
また、GMOインターネットグループの理念を詳細に文書化した「スピリットベンチャー宣言」には感動しました。
当社は今まで新卒採用をしておらず、100%中途採用の会社です。パートナー(従業員)はスキルがあるので会社の理念を知らなくても仕事ができますが、組織として一体感を持ち、風通しを良くするために、私は社内SNSや全体会などで理念やミッションビジョンを伝えようと心掛けてきました。
とは言え、理念をどう受け取り理解しているかは、最終的には個人任せになっていました。GMOの「宣言」は一つ一つのワードが具体化されて、分かりやすい。どの会社もここまでは徹底できていないと思います。
また、GMOインターネットグループの理念を詳細に文書化した「スピリットベンチャー宣言」には感動しました。
当社は今まで新卒採用をしておらず、100%中途採用の会社です。パートナー(従業員)はスキルがあるので会社の理念を知らなくても仕事ができますが、組織として一体感を持ち、風通しを良くするために、私は社内SNSや全体会などで理念やミッションビジョンを伝えようと心掛けてきました。
とは言え、理念をどう受け取り理解しているかは、最終的には個人任せになっていました。GMOの「宣言」は一つ一つのワードが具体化されて、分かりやすい。どの会社もここまでは徹底できていないと思います。
業界シェア25~30%、圧倒的首位の基盤整う
―― GMO-FHにはFXシェアトップの「GMOクリック証券」と「FXプライム byGMO」があり、ここへ3位グループの「外貨ex」が加わります。どのようなシナジーを期待していますか。
山本氏:FXの取引高で9年連続国内1位※の「GMOクリック証券」と「FXプライム」に「外貨ex」のシェアを合計すると25~30%です。業界で圧倒的なナンバーワンになるポジションに近づきました。
※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2020年12月)
FX業界は、お客様に出す手数料スプレッド(取引コスト)を下げて、シェアを獲得する競争を繰り返してきました。これまではスプレッドが狭くなっても収益を出せるよう、各社がコスト改善に取り組み、一歩抜きん出ようと競う関係でしたが、今後はそのノウハウをシェアすることで、両社の収益性向上に寄与すると期待しています。
また、GMOクリック証券はFXでナンバーワンですが、ほかにも株式や最近成長しているCFD(差金決済取引)を取り扱っていますし、GMOコインでは暗号資産を提供するなど、グループとして多様な金融商品を扱っています。FXに特化し、預かり資産が1000億円を超える「外貨ex」のお客様にクロスセールスでGMOの商品をご提案することで多様な選択肢を提供し、ひいては便利な商品を世の中に広げることにつなげられると考えています。
もちろん、ジョインしてくれる100人以上のメンバーにも大きな期待をしています。
松本氏:私たちも、「会社の売上や利益だけ連結で貢献すればよい」なんて全く考えていません。GMO-FHやGMOインターネットグループの方々と交流して、グループ内に溶け込んで活動したいです。
FXは金融商品の中でもリスクが大きい、危ないというイメージが強く、投資商品としてフラットに見てもらうことが長年の課題でしたが、暗号資産ブームによって、「暗号資産よりはリスクが低い投資」として不安が若干和らいでいるのではないかと感じています。
FXの口座開設は有価証券(株式)に比べると簡単で、「手軽に投資したい」というニーズにも合っています。そういった追い風を生かしながら、GMO-FHの一員になったことを機に、「全ての人が投資を体験する未来」「投資で豊かになる未来」を実現する取り組みを加速したいです。
GMO-FHの山本氏がインタビューで「ワイジェイFXとは“渋谷系”同士だからか、以前から近さを感じていた」と明かすと、松本氏も「既存の金融グループの傘下に入ると、どうしても縦割りでやることが決まってくる。GMO-FHは、インターネットを活用して金融をもっと身近なものにしようという理念が近い」と応じました。
「金融サービスをもっとリーズナブルに もっと楽しく自由に」というGMO-FHの企業理念が示すように、楽しくて自由なのが金融の“渋谷系”なのかもしれません。
松本氏が指摘するように顧客層がニッチでどこか危なげなイメージがあったFXですが、投資商品としての魅力を伝えていくことも、両者が目指す「金融の未来を変える」ことにつながると期待しています。
山本氏:FXの取引高で9年連続国内1位※の「GMOクリック証券」と「FXプライム」に「外貨ex」のシェアを合計すると25~30%です。業界で圧倒的なナンバーワンになるポジションに近づきました。
※ファイナンス・マグネイト社調べ(2012年1月~2020年12月)
FX業界は、お客様に出す手数料スプレッド(取引コスト)を下げて、シェアを獲得する競争を繰り返してきました。これまではスプレッドが狭くなっても収益を出せるよう、各社がコスト改善に取り組み、一歩抜きん出ようと競う関係でしたが、今後はそのノウハウをシェアすることで、両社の収益性向上に寄与すると期待しています。
また、GMOクリック証券はFXでナンバーワンですが、ほかにも株式や最近成長しているCFD(差金決済取引)を取り扱っていますし、GMOコインでは暗号資産を提供するなど、グループとして多様な金融商品を扱っています。FXに特化し、預かり資産が1000億円を超える「外貨ex」のお客様にクロスセールスでGMOの商品をご提案することで多様な選択肢を提供し、ひいては便利な商品を世の中に広げることにつなげられると考えています。
もちろん、ジョインしてくれる100人以上のメンバーにも大きな期待をしています。
松本氏:私たちも、「会社の売上や利益だけ連結で貢献すればよい」なんて全く考えていません。GMO-FHやGMOインターネットグループの方々と交流して、グループ内に溶け込んで活動したいです。
FXは金融商品の中でもリスクが大きい、危ないというイメージが強く、投資商品としてフラットに見てもらうことが長年の課題でしたが、暗号資産ブームによって、「暗号資産よりはリスクが低い投資」として不安が若干和らいでいるのではないかと感じています。
FXの口座開設は有価証券(株式)に比べると簡単で、「手軽に投資したい」というニーズにも合っています。そういった追い風を生かしながら、GMO-FHの一員になったことを機に、「全ての人が投資を体験する未来」「投資で豊かになる未来」を実現する取り組みを加速したいです。
GMO-FHの山本氏がインタビューで「ワイジェイFXとは“渋谷系”同士だからか、以前から近さを感じていた」と明かすと、松本氏も「既存の金融グループの傘下に入ると、どうしても縦割りでやることが決まってくる。GMO-FHは、インターネットを活用して金融をもっと身近なものにしようという理念が近い」と応じました。
「金融サービスをもっとリーズナブルに もっと楽しく自由に」というGMO-FHの企業理念が示すように、楽しくて自由なのが金融の“渋谷系”なのかもしれません。
松本氏が指摘するように顧客層がニッチでどこか危なげなイメージがあったFXですが、投資商品としての魅力を伝えていくことも、両者が目指す「金融の未来を変える」ことにつながると期待しています。
浦上 早苗