約38％がマスクの着用を「減らしたい」。政府のマスク着用基準の緩和後の調査結果

2022.10.12

多くの人が「周りの人が外したら」「感染者が減ったら」マスクを外すと回答

Q7：マスクの着用が完全に任意になった場合、あなたはどのようなタイミングで外しますか

Q7として「マスクの着用が完全に任意になった場合、あなたはどのようなタイミングで外しますか」との質問には、「（新型コロナウイルスの）感染者数が減ったら外す」と答えた人が2番目に多くなりました。連日テレビなどで感染者数が報告されており、注目が集まっているので、感染者数をひとつの基準とするのは妥当性と安心感があるのでしょう。

また、年代によりマスクを外す判断の傾向に違いも見られました。10代、20代では「（マスクを）周りの人が外したら外す」という意見がもっとも多く、全体の40%以上を占めています。ここから30〜40代では「（マスクを）周りの人が外したら外す」が30％程度、「（新型コロナウイルスの）感染者数が減ったら外す」が20％程度となり、60代では30％程度でほぼ均衡。70代では「（新型コロナウイルスの）感染者数が減ったら外す」が「（マスクを）周りの人が外したら外す」を上まわる結果となっています。

年齢が高くなるほど、マスクの着脱について慎重で、周りの行動に合わせるよりも、政府やニュースの発表といった確実に数値で表された情報を重要視していることが分かります。

ただし「（マスクを）すぐに外す」と回答した人は、どの年齢層にも一定数存在しています。許されるなら少しでも早くマスクを外したいという心理が垣間見える結果と言えるでしょう。

9割近い人々がワクチンを「2回以上接種」済みと判明

Q8：新型コロナウイルスワクチンの接種回数は？

ここまでは、マスク着用の実態についてのアンケート結果でしたが、ここからはワクチンの接種回数とマスク着用頻度の相関性を調査するための質問です。

まずは「新型コロナウイルスワクチンの接種回数」を質問しました。結果、新型コロナウイルスワクチンの接種回数の回答は、「3回」が67.8%、「2回」が16.9%と大半を占めました。最近始まった4回目の接種率は2.6%でした。

「2回」と「3回」、そして「4回」を合わせると全体の約87%になり、ほぼ9割近い人がワクチンを2回以上接種している結果です。多くの人が新型コロナウイルス感染の予防に配慮していることが伺えます。

「（新型コロナウイルスワクチンを）接種していない」と回答した人は「アレルギーがあるため」「体質的に接種が困難」といったような健康上の理由や「ワクチンに不安感がある」「ワクチンの安全性が不透明だから」といったワクチンに対する不信感で接種しないという声がありました。

ワクチンの接種回数の多い人ほど、マスクの着用率が高い傾向

「新型コロナウイルスワクチンの接種回数」と「マスク着用率」の相関性を調査

「Q2 ：外出する際マスクを着用していますか」と「Q8：新型コロナウイルスワクチンの接種回数は？」のアンケート結果から、新型コロナウイルスワクチンの接種回数とマスク着用率に相関性があるかをまとめたものが上のグラフです。

ワクチン接種回数「1回」と「4回」は母数が少ないため参考値ですが、マスクの着用率をワクチン接種の回数別に整理してみると「接種していない」と答えた人たちに比べて、ワンクチンの接種回数が「2回」「3回」と多い人々ほど、マスクの着用率が高い傾向です。「接種していない」人たちに比べると接種回数が「3回」と答えた人たちは「ほぼ100％着用している」と答えた人が約10％も多くなっています。

ワクチンの接種回数の多い人たちほど、新型コロナウイルスへの予防意識が高く、マスクの着用率が高い傾向にあると言えるでしょう。

県外への旅行や帰省、レジャーなどはワクチン接種者が積極的！

「2022年の夏の外出予定」と「ワクチンの接種回数」の相関性を整理して調査

「Q1：2022年の夏の外出予定は？」と「Q8：新型コロナウイルスワクチンの接種回数は？」のアンケート結果に相関性がないかを見るためにまとめたグラフです。

グラフを見ていくと「県外で宿泊を伴う旅行・帰省」をすると回答した人は、3回目接種者が24.9%、2回目接種者が22.5%、接種していない人が13.3%という結果です。

県外県内を問わず、「2022年夏の外出予定」については、「接種していない」人々に対して、「2回」「3回」と複数回ワクチンを接種している人々のほうが積極的な傾向が見られます。ワクチンを接種している人々に比べて、接種していない人々のほうが外出を自粛する傾向にあると言えるでしょう。

ワクチンの接種が行動制限のない2022年の夏の外出予定への一定の安心材料になっていると考えられます。

しっかり対策している人ほど、外出などにポジティブな傾向

感染防止はきっちり行い、行動制限のない夏を楽しむ人が多数派

2022年5月にマスクの着用基準が緩和され、行動制限のない夏に行った『マスクについての意識調査』の結果を紹介しましたが、まとめるとアンケート結果のポイントは下記のとおりです。

・2022年夏の外出行動は2021年に比べて活発
・マスクの着用率は8割以上がほぼ100％
・マスクの着用基準が緩和されても着用頻度は85％が変わらないと回答
・マスクの着用頻度を減らしたくない人は約18％と少数派
・マスクを外すタイミングは「まわりの人が外したら」が多い
・9割近い人々がワクチンを2回以上接種済み
・ワクチンの接種回数が多い人々のほうがマスクの着用率が高い傾向
・2022年夏の外出はワクチン接種者のほうが積極的

2022年の夏は3年ぶりに行動制限がありませんでした。しかし、行動制限はなく、マスクの着用基準が緩和されても、大多数はしっかりとほぼ100％マスクを着用し、複数回のワクチン接種を受けている結果です。感染防止に対する意識の高い人々ほど、行動制限のない夏をしっかり楽しむための積極的な外出行動傾向が見られるようです。

おそらく感染防止のためのマスクやワクチンなどをしっかり行ったうえで、県外を含む帰省や旅行などを楽しむのでしょう。

全体的に何か問題が発生した際に「やるべきことはしっかり行っている」と証明できる状態で、行動制限のない自由を満喫しているように感じられます。この傾向は「Q5：2022年5月以降マスクを着用しなくなった場面を教えてください」で、1位が「屋外の移動」、2位が「ランニング・散歩」、3位が「公園」との回答があることから、厚生労働省のガイドラインをしっかりと理解したうえでマスクを外していると推察されることと、同傾向と言えるでしょう。

また「Q7：マスクの着用が完全に任意になった場合、あなたはどのようなタイミングでマスクを外しますか」で、もっとも多い回答が「周りの人が外したら外す」となっているのも興味深いところです。マスクの着用頻度を減らしたくない人々は約18％しかいない（＝マスクは外したい）のですが、任意だと周りの人が外すまでは外さないということなのでしょう。これが任意でない場合の結果が知りたいところです。

ちなみにGMOインターネットグループでは「新型コロナウイルス感染対策緩和宣言」を実施。2022年9月20日から出社時の検温・消毒や執務室内へのパーテーション設置といった感染対策を継続し、パートナー（従業員）の感染リスクを低減したうえで、執務室内でのマスク着用を「任意」へと緩和しています。ただし、社外の方が出入りする共有スペースや社外では、引き続きマスク着用は「必須」。今後も着用ルールを感染状況に応じて適宜判断していく方針だと言います。

アンケートの結果からは、新型コロナウイルス感染防止のために行うべきことはしっかりと行い、政府のガイドラインなど最新情報をきっちりとチェック。これらを実行したうえで、行動制限のない夏を県内外の旅行や帰省、移動を楽しむという人が多くいるようです。コロナ禍での自由を満喫するための論拠をもって行動している人々が多いように感じられました。