ネトフリ、アマプラで年末に一気見したい!非日常を満喫する映像作品6本

中野 亜希

Specialライフスタイル映画・音楽
年末年始の長期休暇は、日常を忘れて別世界に没頭する絶好のチャンス! 今回ご紹介する作品は、日常の喧騒を忘れさせてくれる特別な世界ばかり。6つの映像作品で、脳を揺さぶるお休みを過ごしませんか?

命を賭けたデスゲーム、狂気の復讐劇、現実と虚構が入り混じる心理戦……。どれも予想を裏切る展開で、最後まで目が離せません。きっとあなたの価値観を揺るがし、新しい扉を開いてくれるはず。年の瀬に、とびきり刺激的な映像体験を。

明治時代の極限サバイバル!狂気のデスゲーム「こどく」とは?『イクサガミ』

イクサガミ

https://www.netflix.com/jp/title/81607397

明治11年2月、「大金を得る機会を与える」という新聞が出回り、腕に覚えのある292人が京都の天龍寺に集まった。そこで始まったのは「蠱毒(こどく)」と呼ばれる奇妙な「遊び」。参加者に配られた木札は1枚につき1点を意味し、点数を稼ぎながら東海道をたどって東京を目指せという。かつて「人斬り刻舟」と呼ばれた嵯峨愁二郎(岡田准一)は、12歳の少女・香月双葉(藤﨑ゆみあ)とともに地獄のような道のりに身を投じる。金か、命か、誇りか。滅びゆく侍たちの死闘が始まる。Netflix独占配信の話題作。

原作は今村翔吾の同名小説『イクサガミ』。「金のために殺し合うデスゲーム」という内容から、同じNetflixの『イカゲーム』をイメージする人も多いかもしれない。しかし、「外すと爆発する首輪」や監視カメラといったハイテク機器に頼る現代のデスゲーム作品に対し、本作は「とにかく強いヤツばかり」という設定でゲームを成立させている点が独自の魅力。

最大の見どころは、なんといってもアクションと没入感。武術家としても知られる岡田准一の真骨頂が発揮されており、2話の愁次郎“覚醒”シーンでは現実離れした動きに圧倒される。「岡田准一に斬られる追体験」も味わえてしまうほどだ。伊藤英明演じる“無骨”との戦いも圧巻。染谷将太演じる“カムイコチャ”との戦いでも、カムイコチャの放つ矢が唸りを上げて、まるで画面から飛び出してくるような臨場感がある。

Netflixならではの豪華キャスト陣も見逃せない。主役級キャストも容赦なく退場させることが物語の先を読ませない緊迫感を生む。この贅沢さはNetflixの資金力と岡田准一のプロデュース力の賜物といえそう。

原作よりも、愁二郎の抱える背景が早い段階で描写されていたり、黒幕の存在を早めに明かすなど、バトルに集中するための未読者への配慮も行き届いていて親切。次シーズンは今作の最終盤で出てくる「あの人」の活躍にも期待だ。

『チェンソーマン』作者の初期作品で味わう狂気とピュアの万華鏡『藤本タツキ17-26』

藤本タツキ17-26

https://www.amazon.co.jp/dp/B0FP35K8ZB

『チェンソーマン』『ルックバック』で世界を驚かせた天才漫画家・藤本タツキが、17歳から26歳までに描いた短編8作品をアニメ化。6つのアニメーションスタジオと7名の監督が手がけた映像美で、常識を覆す奇想天外な世界観が炸裂する。2025年10月17日から2週間限定で劇場公開され、最速でPrime Video独占配信中の異色アニメ作品集だ。

「天才の脳内を映像化するとこうなるのか……ようこんなん思いつくな」——というのが凡人である私の感想だ。17歳から26歳の9年間に生まれた8つの短編は、若さゆえの勢いと「何でもアリ」の発想で意表を突く展開を繰り広げる。20分ほどの短編の中に「狂気」と「ピュア」が万華鏡のように現れる。

憧れの先生の授業に侵入したテロリストを1人の少年が止める「佐々木くんが銃弾止めた」は、青春期の妄想が爆発する……と思いきや、人の可能性についてポジティブになれる幕切れ。常識を欠いて育った殺し屋と退屈しきった吸血鬼の奇妙な関係を描いた「シカク」の予想外の着地もいい。

全体を通して、『チェンソーマン』をはじめとした後の作品につながる発想の欠片を垣間見ることができるのも、ファンとしてはうれしいポイント。また「妹の姉」は『ルックバック』を彷彿とさせる作品で、『ルックバック』を愛する人には必見だ。

原作マンガは淡々とした雰囲気が特徴的だが、それを自由に、遊び心と深いリスペクトをもってアニメ化したことが伝わってくる。

住人全員が怪しすぎ!“人が消える”マンションで次々起こる予測不能のミステリー『あの人が消えた』

あの人が消えた

https://www.amazon.co.jp/dp/B0DXF6H712 (Amazon Prime Video)
https://www.hulu.jp/whos-gone (Hulu)
https://video.unext.jp/title/SID0175215 (U-NEXT)

「次々と人が消える」と噂されるマンションの担当になった配達員・丸子(高橋文哉)。ふと住人の小宮(北香耶)が愛読するウェブ小説の作者であると気づき、密かに憧れを抱く。その小宮に、挙動不審な住人の島崎がつきまとっている……? 疑惑を持った丸子は、他の住人たちに聞き込みを開始する。「島崎の部屋に血だらけの女がいた」「血痕が付いた服を着た姿を見た」……丸子は島崎を危険人物だと断定する。

同じ頃、世間を揺るがす大事件を追っていた警視庁がマンションに接近?! 一触即発の緊張感が流れ始めるなか、事態は思わぬ方向へと突き進んでいく——。『ブラッシュアップライフ』の水野格監督が放つ、先読み不可能なミステリー・エンターテインメント。現実か幻覚か、最後まで騙される衝撃作。

最初に伝えたいのは、この作品はできれば何の予備知識も入れずに見てほしいということだ。筆者も偶然時間が合って映画館に足を運んだところ、最高の体験ができた。それだけでレビューを終わるわけにはいかないので書くが、見ようと思っている人は薄目で読んでもらえるとよいかと思う。

自分が配達を担当するマンションで公然と住民の秘密を探る丸子の行動を「社会的に危なっかしすぎる」と心配する余裕があったのは序盤まで。その後は二転三転どころか、予想できない展開が次々と襲いかかり翻弄されてしまう。張り巡らされた伏線の回収も心地よい。

ホラーかと思いきやコメディ要素が顔を出し、しかししっかりとしたミステリーの骨格もあり、サスペンスとしても一級品。ほんの少しのラブまで絡んでくる贅沢さは、映画好きにはたまらないのでは。

タイトルが出るタイミングと、その回収の見事さはもちろん、作品の構成、名前の秘密、ラストの演出まで、過去の傑作へのラブレターのような要素が随所に見られ、最後まで飽きさせない。『ブラッシュアップライフ』で注目を集めた水野格監督の演出センスが光る1本。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
X:@752019

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