コンピューターの進歩とその危険性
サロメ氏は、ChatGPTなどの生成AIを含むコンピューター技術の進歩に対して日頃から否定的な考えを示しており、「AIは人びとの感情を浮き沈みさせ、落ち着いた日常に良くない変化を与える」などと発言してきました。メタバースに関しても人びとが「社会環境から逃避する場」になるとし、現実世界とメタバースの二重社会構造が生まれて、両者が相容れないものになっていくと予想しています。
メタバースについていえば、社会に広く普及すると考えている人はいまだ少なそうですが、AIの進歩に関しては、自分で物事を考えるのを面倒に思う人が次第に依存する可能性はあるかもしれません。
例えば、仕事におけるメールの下書きや会議資料をChatGPTに作らせるといったことは、AIチャットボットの活用事例として紹介されるポピュラーなものです。
一方で、学生がレポートの執筆をChatGPTに任せたり、弁護士が裁判資料をAIに作らせたりといった、その人が自分で考えてこなすべき作業をAIに任せてしまい、後でそれが発覚して問題になった事例も伝えられています。これはサロメ氏の言う「良くない変化」と呼ぶことができるかもしれません。
サロメ氏はDaily Starに対して「複雑なアルゴリズムと、人類が何世紀もにわたって悩んできた問題に答えを求める欲望を持つxAIは、意識の秘密から平行宇宙の存在まで、人間の理解を超える最も深い真実を明らかにすると“約束”している」と主張しています。
xAIがそのような“約束”をいつ誰としたのかはともかく、サロメ氏はマスク氏が「最も安全にAIを構築する方法は、最大限に好奇心を持ち真実を追求するものを作ることだ」と述べ、「宇宙のあらゆる物事を理解する」スーパーインテリジェンスな汎用人工知能を構築することを目標としたことに強く反応しているようです。
ちなみに、ChatGPTを開発するOpenAIのサム・アルトマンCEOは、規制のないスーパーインテリジェンスな汎用人工知能は人類の脅威になり得ると警告し、冒頭で述べたように、AIの出力結果に道徳的または倫理的な制御を加えています。
サロメ氏は、xAIがChatGPTに対抗する格好で、倫理や道徳の制御を持たないAIの開発を進めると、この非常停止ボタンを持たないAIが、いつか「意図せず古代文明における宇宙的存在や、人智を超えた神秘の扉を開く可能性がある」と主張しました。
メタバースについていえば、社会に広く普及すると考えている人はいまだ少なそうですが、AIの進歩に関しては、自分で物事を考えるのを面倒に思う人が次第に依存する可能性はあるかもしれません。
例えば、仕事におけるメールの下書きや会議資料をChatGPTに作らせるといったことは、AIチャットボットの活用事例として紹介されるポピュラーなものです。
一方で、学生がレポートの執筆をChatGPTに任せたり、弁護士が裁判資料をAIに作らせたりといった、その人が自分で考えてこなすべき作業をAIに任せてしまい、後でそれが発覚して問題になった事例も伝えられています。これはサロメ氏の言う「良くない変化」と呼ぶことができるかもしれません。
サロメ氏はDaily Starに対して「複雑なアルゴリズムと、人類が何世紀もにわたって悩んできた問題に答えを求める欲望を持つxAIは、意識の秘密から平行宇宙の存在まで、人間の理解を超える最も深い真実を明らかにすると“約束”している」と主張しています。
xAIがそのような“約束”をいつ誰としたのかはともかく、サロメ氏はマスク氏が「最も安全にAIを構築する方法は、最大限に好奇心を持ち真実を追求するものを作ることだ」と述べ、「宇宙のあらゆる物事を理解する」スーパーインテリジェンスな汎用人工知能を構築することを目標としたことに強く反応しているようです。
ちなみに、ChatGPTを開発するOpenAIのサム・アルトマンCEOは、規制のないスーパーインテリジェンスな汎用人工知能は人類の脅威になり得ると警告し、冒頭で述べたように、AIの出力結果に道徳的または倫理的な制御を加えています。
サロメ氏は、xAIがChatGPTに対抗する格好で、倫理や道徳の制御を持たないAIの開発を進めると、この非常停止ボタンを持たないAIが、いつか「意図せず古代文明における宇宙的存在や、人智を超えた神秘の扉を開く可能性がある」と主張しました。
AIはあくまで道具、しかし?
サロメ氏の主張は科学的な面でかなりの飛躍があり、生成AIがどうやって物理的または超常的な現象を起こせるのかに関する説明がありません。AIといえども、それはあくまで人が作った道具にすぎず、人が扱い方を間違わなければ、人に害を及ぼすことはないはずです。
とはいえ、マスク氏がxAIで作ろうとしている、道徳や倫理の統制を受けないスーパーインテリジェンスな汎用人工知能が何をもたらすのかに関しても、われわれには想像がつきません。
すでにAIチャットボットは、それが感情を持っていると思い込む人が出てくるほどに、人間くさい対話も可能です。そしてそのAIが出力した文章を信じ込み、誤りに気付かずに痛い目に遭う人も出ています。AIが常に正しいことを出力するとは限りません。AIの発言が、結果として人びとに不都合をもたらす事例がいくつか発生していることを考えると、サロメ氏の警告の一部は、すでに現実化しているといえるのかもしれません。
とはいえ、マスク氏がxAIで作ろうとしている、道徳や倫理の統制を受けないスーパーインテリジェンスな汎用人工知能が何をもたらすのかに関しても、われわれには想像がつきません。
すでにAIチャットボットは、それが感情を持っていると思い込む人が出てくるほどに、人間くさい対話も可能です。そしてそのAIが出力した文章を信じ込み、誤りに気付かずに痛い目に遭う人も出ています。AIが常に正しいことを出力するとは限りません。AIの発言が、結果として人びとに不都合をもたらす事例がいくつか発生していることを考えると、サロメ氏の警告の一部は、すでに現実化しているといえるのかもしれません。
Munenori Taniguchi
ライター。ガジェット全般、宇宙、科学、音楽、モータースポーツetc.、電気・ネットワーク技術者。
実績媒体:TechnoEdge、Gadget Gate、Engadget日本版、Autoblog日本版、Forbes JAPAN他
Twitter:@mu_taniguchi