雪の妖精・シマエナガに会いたくて! 新千歳空港から約15分の「The Bird Watching Cafe」に行ってきた

齋藤 千歳

Specialカルチャー

初めてでも数時間でシマエナガが撮影できた

冬はもちろん春までシマエナガに会える場所がある

北海道で写真を撮っていると、意外なほど多くの方に「シマエナガは撮らないの?」と聞かれます。しかしながら、筆者はこれまでシマエナガを撮影したことはありませんでした。

というのも、小鳥は筆者にとって非常に難易度の高い被写体なのです。シマエナガ自体は日本国内では北海道にしか生息していませんが、筆者の住む千歳市周辺では、見分けることさえできれば、それなりの頻度で出会うことのできる野鳥です。

しかし恐ろしく素早いため、「あっ、いた」と認識してからカメラを用意しても間に合いません。筆者の場合は、多くの小鳥の中からシマエナガを正確に見分けられているかも怪しいのですが、そもそも小鳥は素早く警戒心も強いため、これまでほとんど撮影してこなかったのです。

そんなシマエナガをカメラ初心者やスマートフォンでも撮影できるという、噂の撮影ポイントが「The Bird Watching Cafe」。北海道の空の玄関口である新千歳空港から車でわずか15分なので、東京や大阪といった大都市圏からのアクセスも便利です。

今回この「The Bird Watching Cafe」の撮影スペースで2〜3時間、シマエナガの撮影にチャレンジ。そのとき撮れた写真のうちの1枚が、この記事のトップの写真です。

仕掛け人は日本を代表する野生生物写真家・嶋田忠氏

ギャラリー・カフェ・撮影スペースがある「The Bird Watching Cafe」

三角屋根が特徴的な「The Bird Watching Cafe」。千歳市内から支笏湖方面に向かう支笏湖通り沿いにあります

The Bird Watching CafeのWEBサイトにアクセスすると、「The Bird Watching Cafe/ Tadashi Shimada Nature Photo Gallery」と表記されていることに気付くでしょう。ここには、NHKの自然番組のハイビジョンや4Kでの撮影、1993年から7年間放送された「テレビ朝日・ニュースステーション特集「嶋田忠の野生の瞬間」などで多くの方に知られる、日本を代表する野生生物写真家、嶋田忠氏のギャラリーが併設されているのです。

嶋田氏は千歳川周辺の野生動物や自然風景に惚れ込んで、1980年から千歳市に在住。筆者の中では野鳥撮影の神様ともいえる写真家なのですが、この嶋田氏の娘さん夫婦が経営するのが、このThe Bird Watching Cafeというわけです。

店内は大きく分けると「ギャラリー」「カフェ」「撮影小屋」の3つのスペースになっています。エントランスからすぐのギャラリースペースでは嶋田 忠氏の代表作などを無料で鑑賞でき、写真集なども購入可能。筆者が訪ねたタイミングでは、企画展としてシマエナガの写真が飾られていました。

Tadashi Shimada Nature Photo Galleryの入り口。季節などに合わせて、さまざまな写真が展示されます。取材時はシマエナガでした

カフェスペースには大きな窓があり、暖かい部屋の中からゆっくりと小鳥たちの様子が眺められてとても快適です

さらに奥に入るとカフェスペース。千歳川に向かって開けたガーデンスペースを眺められるように大きな窓が設置されており、バードテーブルなどにやってくるシマエナガなどの野鳥を暖かい店内から観察することができます。店で一番人気だという「シマエナガソフト」「ホットサンド」「ハンバーガー」や各種ドリンクも用意されているので、完全に撮影がメインという方以外は、カフェを予約するのがおすすめです。テーブル席よりも野鳥のよく見える窓際のカウンター席が人気なのも特徴といえるでしょう。

筆者が注文した「BLC BURGER」(税込1700円)。ポテトとサラダもついてボリュームも十分。お肉もかなりおいしかったです

このカフェスペースの奥の扉を開けると「撮影小屋」と呼ばれているスペースです。筆者はここで撮影をさせてもらったのですが、半屋外といえる、撮影のための場所。カモフラージュ用のネットが設置された窓にはガラスなどはなく、そのまま直接レンズを野鳥に向けられるようになっています。暖房などもなく、基本的に外と変わらない温度。日陰になるので、条件によっては外より寒いそうです。ちなみに千歳はもっとも寒い季節はマイナス20℃程度まで気温が下がります。

撮影スペース、通称撮影小屋。窓にはガラスなどはありませんので、小屋の中の温度はほとんどの場合、屋外と同じです

シマエナガの撮影シーズンである12月〜3月は真冬のため、零下の中で撮影を続けられる十分な防寒装備が必要です。ちなみに「撮影小屋」スペースは午前枠(10時〜13時)、午後枠(13時〜16時)のそれぞれの利用料金が1000円となっています。The Bird Watching CafeのWEBサイトから予約が可能ですが、大人気でなかなか予約が取れません。旅行などの際に撮影にチャレンジしたいという方は、早めに予約をしておきましょう。

カモフラージュ用ネットの間からレンズを小鳥たちに向けて撮影します。400mm程度のズームレンズがおすすめだそうです

千歳市に40年以上住む世界的な野鳥写真家の仕掛けが絶妙

400mm相当の望遠レンズを用意していくと初心者でも撮影を堪能できる

3月上旬の撮影ですが、シマエナガは2〜3時間程度の間に何度もやってきました。しかし筆者の反応の悪さでチャンスを逃すこともしばしば

The Bird Watching Cafeでシマエナガを撮影するために、筆者は本体にSIGMA fp、レンズにSIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG DN OS | Sports(SIGMA TELE CONVERTER TC-2011使用)をセットにしたものや、本体にソニー α7R III、レンズにSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sportsをセットにしたもの、別途各種レンズも60mmから1800mm相当までありとあらゆる撮影条件に対応できる用意をして行きました。

しかし嶋田氏が言うには、「400mm程度のレンズがあれば十分」だそうです。というより、餌場、水場、小鳥たちが好んで止まる枝や枯れ木の位置は、100-400mmのズームレンズで十分に楽しめるように配置しているといいます。初めてAPS-C機のレンズ交換式デジタルカメラを購入した初心者の方でも、ダブルズームレンズキットなどの望遠ズームレンズなら300〜400mm程度になるので、十分に撮影が楽しめるそうです。

また、シマエナガの撮影シーズンは、多くの情報で12月〜2月までと書かれていることが多いですが、ここでは4月中旬くらいまでやって来る年もあるそうです。実際、筆者は3月上旬に掲載写真を撮影しています。そしてシマエナガ自体は夏でも付近にいるのですが、夏場は好物である昆虫が十分手に入るので、エサを食べにバードテーブルに姿を現すことがなくなるそうです。ただし、雪が溶けるとThe Bird Watching Cafeの水浴び場には、冬以上にさまざまな種類の小鳥が現れるということなので、こちらも楽しみといえるでしょう。

多くの人が夢中になるのが分かるほど、シンプルでふわふわでかわいいシマエナガ。しかし、結構気は強いようです

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齋藤 千歳

フォトグラファー・ライター
北海道千歳市在住・千歳市生まれのフォトグラファー/ライター。キャンピングカーの「方丈号」から各種アウトドア、カメラ、レンズ、ガジェットに関する情報を発信したり、家族3人で北海道一周などしたりを楽しんでいる。

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