日本のディズニークルーズはどうなる?
ディズニー・クルーズラインが日本であまりアピールされてこなかったのは、日本から寄港地まで遠いことが大きな要因だと筆者は考えています。フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート近くのクルーズ船の港は、飛行機でのトランジットが必須の場所(バンクーバー発のカナダ航路などはそれなりに便利ですが……)。
そこに、とうとうオリエンタルランドが名乗りを上げたというのが、今回の大きなニュースなのです。
東京ディズニーランドが世界で初めてのライセンスを受けてのテーマパーク運営だったように、ディズニー・クルーズラインとしても、オリエンタルランドが初のライセンスクルーズビジネスとなります。そしてライセンスを受け日本船籍として建造が予定されているのは、先に紹介したディズニー・ウィッシュ級の14万tレベルの巨大船であることが発表されています。料金については、当面の間1名あたり10〜30万円台を予定しているとのことです。
以下は、オリエンタルランドが発表した現時点で紹介されている船舶諸元です。
そこに、とうとうオリエンタルランドが名乗りを上げたというのが、今回の大きなニュースなのです。
東京ディズニーランドが世界で初めてのライセンスを受けてのテーマパーク運営だったように、ディズニー・クルーズラインとしても、オリエンタルランドが初のライセンスクルーズビジネスとなります。そしてライセンスを受け日本船籍として建造が予定されているのは、先に紹介したディズニー・ウィッシュ級の14万tレベルの巨大船であることが発表されています。料金については、当面の間1名あたり10〜30万円台を予定しているとのことです。
以下は、オリエンタルランドが発表した現時点で紹介されている船舶諸元です。
事業モデル | クルーズ船の所有・経営・運営 |
総t数 | 約14万t |
総客室数 | 約1250室 |
乗客定員 | 約4000人 |
乗組員数 | 約1500人 |
船籍 | 日本(予定) |
航路 | 首都圏の港を発着する短期航路が中心 |
総投資額 | 約3300億円(建造費・開業準備費など) |
就航時期 | 2028年度(予定) |
このクルーズ船が日本船籍である理由は「海外船籍のクルーズ船は必ず外国に寄港が必要」という「カボタージュ規制」が関係していると思われます。
ではすでに運用されている「ディズニー・ウィッシュ」をもとに、オリエンタルランドが導入予定の巨大クルーズ船の全体像を見ていきましょう。
ではすでに運用されている「ディズニー・ウィッシュ」をもとに、オリエンタルランドが導入予定の巨大クルーズ船の全体像を見ていきましょう。
ディズニー・ウィッシュのデッキにはウォータースライダーアトラクションが!
まずディズニー・ウィッシュのデッキ上の“アトラクション”を紹介しましょう。ディズニー・ウィッシュ級として作られているクルーズ船には、ミッキーやミニーが主役の、まるでアニメーション作品の中に入ったかのようにストーリーが展開されるウォータースライダー「アクアマウス」が用意されています。
ストーリーは船により複数のものが存在し、単なる“プールの滑り台”とは異なる楽しい体験ができます。
ストーリーは船により複数のものが存在し、単なる“プールの滑り台”とは異なる楽しい体験ができます。
デッキ上のアトラクション「アクアマウス」 ©Disney
「アクアマウス」ではミッキーとミニーのアニメーションの世界が体験できる! ©Disney
「アクアマウス」のイメージ動画
via www.youtube.com
ただし、日本においては夏場以外の稼働が難しい点が気になるところです。一体どういったオリエンタルランド流のアレンジが施されるのか、今から楽しみですね。
毎晩異なるステージが楽しめる「ウォルト・ディズニー・シアター」
ディズニー・クルーズラインの各船内には、本格的な舞台が楽しめる「ウォルト・ディズニー・シアター」があります。
これも船ごとに特徴のある演目が用意されているのですが、ディズニー・ウィッシュでは『Little Mermaid』『Disney Seas the Adventure』『Disney’s Aladdin – A Musical Spectacular』が上演されています。
これも船ごとに特徴のある演目が用意されているのですが、ディズニー・ウィッシュでは『Little Mermaid』『Disney Seas the Adventure』『Disney’s Aladdin – A Musical Spectacular』が上演されています。
船内シアターで上演される『Disney Seas the Adventure』 ©Disney
豪華なエントランスホールは各船でテーマが設定される
クルーズ船の内部も見てみましょう。
ディズニー・クルーズラインでは、乗船のためのチェックインを済ませ、タラップを通って船に乗り込むと、エントランスには開放的な吹き抜けのホールが広がっています。
このエントランスホールにキャストとクルーズマネージャーが待ち受けており、家族ごとに名前を呼んで歓迎してくれるセレモニーが開催されます。
ディズニー・クルーズラインでは、乗船のためのチェックインを済ませ、タラップを通って船に乗り込むと、エントランスには開放的な吹き抜けのホールが広がっています。
このエントランスホールにキャストとクルーズマネージャーが待ち受けており、家族ごとに名前を呼んで歓迎してくれるセレモニーが開催されます。
エントランスホールのイメージ。ディズニー・ウィッシュのエントランスには『シンデレラ』をイメージした装飾と像が! ©Disney
このエントランスホールでは、船旅の間に多数のキャラクターグリーティングやエンターテインメント、そして下船前のフェアウェルパーティーが開催されます。滞在中に何度も通る場所なので、きっと思い出に残ることでしょう。
テーマレストランでエンターテインメントを楽しみながら食事を
そしてディズニー・クルーズラインのメインともいえる、エンターテインメントを楽しみながらのディナーを紹介しましょう。
ディズニー・ウィッシュには3つのレストランがあり、ゲストはグループごとに当日のレストランがローテーションで割り当てられています。その1つが、マーベルヒーローをテーマにした「アベンジャーズ:クォンタム・エンカウンター」。
キャプテン・アメリカ(サム・ウィルソン)やミズ・マーベル、アントマン&ワスプなどが登場し、ディナー中になんと巨大な船がミニサイズに縮小されてしまうというハプニングも! そして各テーブルにある「ある装置」を狙ったヴィランがゲストを襲う……。ディズニーとマーベルが本気で作ったエンターテインメントです。
ディズニー・ウィッシュには3つのレストランがあり、ゲストはグループごとに当日のレストランがローテーションで割り当てられています。その1つが、マーベルヒーローをテーマにした「アベンジャーズ:クォンタム・エンカウンター」。
キャプテン・アメリカ(サム・ウィルソン)やミズ・マーベル、アントマン&ワスプなどが登場し、ディナー中になんと巨大な船がミニサイズに縮小されてしまうというハプニングも! そして各テーブルにある「ある装置」を狙ったヴィランがゲストを襲う……。ディズニーとマーベルが本気で作ったエンターテインメントです。
「アベンジャーズ:クォンタム・エンカウンター」
via www.youtube.com
さらにアナとエルサが住むアレンデールの世界でディナーを楽しむ「アレンデール:フローズン・ダイニング・アドベンチャー」も体験できます。これはアナ女王とクリストフの婚約パーティーとして開催され、中央のステージを囲むようにしてテーブルが並び、ゲスト全員でアナ女王の婚約を祝うというものです。
「アレンデール:フローズン・ダイニング・アドベンチャー」
via www.youtube.com
ほかにも、有料での予約制で大人向けの高級な雰囲気の中でダイニングを楽しむ「Palo Steakhouse」や、ミシュランの3つ星を獲得したシェフ、アルノー・ラルマン氏によるメニューを用意した『美女と野獣』をテーマとしたレストラン「Enchanté by Chef Arnaud Lallement」も選べます。
『美女と野獣』のディナーをイメージした特別なレストラン「Enchanté by Chef Arnaud Lallement」 ©Disney
大人向けのバー、子どもしか入れないエリアも
ディズニー・ウィッシュでは、大人向けのバーも用意されています。例えば『スター・ウォーズ』がテーマの大人向けラウンジ「スター・ウォーズ:ハイパースペース・ラウンジ」。
ここは映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したドライデンの宇宙船をイメージした内装で、宇宙船は共和国、帝国、ファースト・オーダーの各時代の象徴的な場所に移動します。
宇宙船の窓の向こうにはバトゥーやタトゥーイン、ムスタファ、コルサントなど、ファンに人気のある場所が登場。サラウンド・オーディオが設置され、ホログラフィック・モデルを表示するホロチューブも用意されます。
ここは映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に登場したドライデンの宇宙船をイメージした内装で、宇宙船は共和国、帝国、ファースト・オーダーの各時代の象徴的な場所に移動します。
宇宙船の窓の向こうにはバトゥーやタトゥーイン、ムスタファ、コルサントなど、ファンに人気のある場所が登場。サラウンド・オーディオが設置され、ホログラフィック・モデルを表示するホロチューブも用意されます。
「スター・ウォーズ:ハイパースペース・ラウンジ」 ©Disney
他にもプールに直結した落ち着いた雰囲気のバー「クワイエット・コーヴ」など、大人だけが入れるエリアがあります。
ディズニー・ウィッシュでは、そんな「大人限定」の場所だけでなく、子どもにも特別なエリアが用意されていることも注目でしょう。
キッズ向けクラブ「ディズニー・オーシャニア・クラブ」では、スーパーヒーローたちのスーツを着て、ヒーローからレクチャーを受けられる「マーベル・スーパーヒーロー・アカデミー」、ディズニーのプリンセスやプリンスたちとのアクティビティが楽しめる「フェアリーテイル・ホール」、そしてイマジニアからハンズオンでインタラクティブに学べる「ウォルト・ディズニー・イマジニアリング・クラブ」があります。
ディズニー・ウィッシュでは、そんな「大人限定」の場所だけでなく、子どもにも特別なエリアが用意されていることも注目でしょう。
キッズ向けクラブ「ディズニー・オーシャニア・クラブ」では、スーパーヒーローたちのスーツを着て、ヒーローからレクチャーを受けられる「マーベル・スーパーヒーロー・アカデミー」、ディズニーのプリンセスやプリンスたちとのアクティビティが楽しめる「フェアリーテイル・ホール」、そしてイマジニアからハンズオンでインタラクティブに学べる「ウォルト・ディズニー・イマジニアリング・クラブ」があります。
子どもだけが参加できるエンターテインメントもしっかり用意されています
via www.youtube.com
もちろん、客室も豪華
もちろん客室も豪華です。一部の客室はベランダをしつらえ、豪華なスイートルームもあります。船内なので一般客室はコンパクトですが、必要十分な設備は整っており、ディズニー的なアートも飾られています。
ディズニー・ウィッシュのベランダ付きステートルーム ©Disney
ディズニー・ウィッシュのウィッシュ・タワー・スイート ©Disney
船の煙突の中は実はスイートルーム!
via www.youtube.com
宮田 健
ライター
2012年よりITセキュリティのフリーライターとして活動するかたわら、個人活動として“広義のディズニー”を取り上げるWebサイト「dpost.jp」を1996年ごろから運営中。テーマパークやキャラクターだけではない、オールディズニーが大好物。2020年、2022年には講談社「ディズニーファン」に短期連載も。
Webサイト:https://dpost.jp/
X:@dpostjp