のんびり見ていたら空気が一変
チケット購入後は、室内が暗くなることや、音が出ること、上演時間は40分あり、退室は自由であることなどを教えてもらい、中に入りました。私が入ったタイミングでは、ちょうど全ての作品が照らされている状態でした。
棚田康司『愛をみる』(2026)。本展のキービジュアルでもおなじみの作品。淡い彩色がとても美しい
三沢厚彦『Animal 2023−01』(2023)。アトリウムにいた白熊の『Animal 2007-03』と同じく手の構え方がかわいらしくも巨大なキメラ
この時はまだ、「ライティングにこだわりがありそうな展示だな」と思いながら、いつもの美術館と同じような過ごし方をしていました。そう、照明の当て方がとてもキレイなんです。どの角度から眺めても引き締まった印象があります。
ところが程なくして照明が消え、暗転の後に豪快にスモークがたかれ始めます。あちこちから音や詩の朗読が聞こえ、照明がグルグル回り……! なんだなんだと思っているうちに、私はこれと似たような経験をしたことがあるぞと気がつきます。そう、演劇です。
「彫刻される劇場」は、音響と照明とスモークが、どう考えても舞台演出のそれなんですよ。そういえばここはギャラリーじゃなくて劇場ですから、そりゃそうであろうという話なのかもしれませんが、実際に体験して「あっ、ここ劇場じゃん!」と気がつくのがとても楽しい。
ところが程なくして照明が消え、暗転の後に豪快にスモークがたかれ始めます。あちこちから音や詩の朗読が聞こえ、照明がグルグル回り……! なんだなんだと思っているうちに、私はこれと似たような経験をしたことがあるぞと気がつきます。そう、演劇です。
「彫刻される劇場」は、音響と照明とスモークが、どう考えても舞台演出のそれなんですよ。そういえばここはギャラリーじゃなくて劇場ですから、そりゃそうであろうという話なのかもしれませんが、実際に体験して「あっ、ここ劇場じゃん!」と気がつくのがとても楽しい。
スポットライトを浴びる棚田康司『結ぶ少女』(2009)は演劇のキャストに見えるが、お客さんもキャストに見えてくる。スモークもくもくの中スポットライトを浴びたい人はぜひ真ん中に行きましょう。私は行きました。まぶしかった!
アトリエの壁際には柔らかいイスがあり、観客はそこに座ってもよいし、自由に歩き回ってもOKです。そしてアトリエには大きな鏡があります。その鏡に彫刻も自分も映り込むので、ものすごくヘンテコな気分になるんですよ。これ演劇だっけ?みたいな。
鏡のおかげで作品が2倍に増えてしまう
普段は舞台稽古で使われているであろうアトリエに彫刻が並び、観客がウロウロし、ある人はイスに座り……アトリウムのおおらかな雰囲気のおかげでスッカリ油断していましたが、実はむちゃくちゃアバンギャルドな空間でした。演劇なのか、彫刻なのか、自分が今何を体験しているのか全然わからなくなる!
この写真の中にお客さんはおらず、彫刻作品のみがいますが、なんだか他にも役者がいそうな気がしてくる
中スタジオで展示される作品は8点。演劇のキャストの人数として考えると絶妙な数だとも思いました。会期はおよそ1カ月と少し短めですが、7月ごろに展覧会特設ウェブサイトでアーカイブブックが公開予定とのことで、そちらもぜひご覧ください。
KAAT EXHIBITION 2026 三沢厚彦・棚田康司『彫刻される劇場』
会期:5/17(日)~6/14(日)11:00~18:00(入場は閉場の30分前まで)
休場:月曜日(5/18、 25、 6/1、8)
会場:KAAT神奈川芸術劇場「中スタジオ・アトリウム」
チケット料金:一般 1000円、神奈川県民割引(在住・在勤)900円、学生・65歳以上 500円、高校生以下 無料、障害者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1名 無料
休場:月曜日(5/18、 25、 6/1、8)
会場:KAAT神奈川芸術劇場「中スタジオ・アトリウム」
チケット料金:一般 1000円、神奈川県民割引(在住・在勤)900円、学生・65歳以上 500円、高校生以下 無料、障害者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1名 無料

花森 リド
ライター・コラムニスト
主にゲーム、マンガ、書籍、映画、ガジェットに関する記事をよく書く。講談社「今日のおすすめ」、日経BP「日経トレンディネット」「日経クロステック(xTECH)」、「Engadget 日本版」、「映画秘宝」などで執筆。
X:@LidoHanamori












