GPU、量子、サーバー、企業展示から見るハイパフォーマンスコンピューティング最前線
会場入り口付近で目を引いたのが、GMOインターネットのブースです。NVIDIAの GPUをいち早く採用し、2024年に提供開始した高性能クラウドサービス「GMO GPUクラウド」が紹介されていました。
プレゼンテーションコーナーでは、ロボットの社会実装を推進する非営利団体AIロボット協会(AIRoA)や、完全自動運転の実現に取り組むスタートアップのチューリングによる活用事例も紹介されていました。
プレゼンテーションコーナーでは、ロボットの社会実装を推進する非営利団体AIロボット協会(AIRoA)や、完全自動運転の実現に取り組むスタートアップのチューリングによる活用事例も紹介されていました。
GMOインターネットはNVIDIAのGPUを活用したハイパフォーマンスなクラウドサービスを紹介
「GMO GPUクラウド」では、NVIDIAのBlackwell Ultra GPUを搭載したNVIDIA HGX B300が採用されている
クラウド関連では、サンノゼに本社を置くサーバーメーカーのSupermicro(Super Micro Computer)も出展していました。また、台湾の大手コンピューターメーカーGIGABYTE(ギガバイト)、パソコンメーカーのLenovo(レノボ)やASUS(エイスース)もブースを構え、ハイパフォーマンスコンピューティング分野に多くの企業が参入していることがうかがえました。
GIGABYTEなどハードウェア関連企業の展示ブースでは実機が展示されていた
量子コンピューター分野で注目を集めていたのが、フィンランドの量子コンピューター企業、IQM(IQM Quantum Computers)のブースです。IQMは、超伝導技術を用いた量子コンピューターを開発・製造するスタートアップ企業として世界的に知られています。
ブースでは、真っ白なボディに青のラインが特徴的な量子コンピューターの実物大モデルを展示。さらに、自社工場で独自に製造している超伝導方式の量子プロセッサー(QPU)も紹介されていました。日本市場へ本格展開に向け、日本人スタッフの採用も進めているとのことです。
ブースでは、真っ白なボディに青のラインが特徴的な量子コンピューターの実物大モデルを展示。さらに、自社工場で独自に製造している超伝導方式の量子プロセッサー(QPU)も紹介されていました。日本市場へ本格展開に向け、日本人スタッフの採用も進めているとのことです。
IQMの量子コンピューターはデザインの美しさに圧倒される
IQMと並び注目されていたのが、量子コンピューター企業のQuantinuum(クオンティニュアム)です。Quantinuumは、米国のHoneywellと英国のCambridge Quantum Computingの経営統合によって誕生した企業で、2025年11月には高精度な商用量子コンピューター「HELIOS」を発表しました。1月にラスベガスで開催されたCESにも出展しており、量子コンピューティング分野の有力企業として今後の成長が期待されています。
商用量子コンピュータ「HELIOS」を開発するQuantinuumも出展
ハイパフォーマンスコンピューティング時代に問われるエネルギー効率
AIの普及はビジネスや生活にさまざまな恩恵をもたらす一方で、膨大な量の計算処理に伴う電力消費や発熱、CO2排出といった課題も指摘されています。
日本では、2023年4月に施行された改正省エネ法により、一定規模以上のデータセンター事業者にエネルギー使用量の報告が義務付けられました。資源エネルギー庁は、2030年までにデータセンターのエネルギー効率を示す指標PUE(Power Usage Effectiveness)を1.4以下にする目標を掲げています。
これまでデータセンターのサーバーは主に送風や空調による「空冷」で冷却されてきました。しかし、どうしても結露やムラが出てしまい、ホコリなどによる機材の損傷につながることが課題でした。そこで近年は、地下水など水を使って冷やす「水冷」や、サーバーを専用の油(絶縁液)に浸けて冷却する「液浸冷却」といった新しい技術も登場しています。
液浸冷却の分野では、石油メーカーのENEOSがデータセンター向けのサーバー液浸冷却液「ENEOS IXシリーズ」を開発しています。日本向けには消防法に対応し、引火点250°C以上かつ低粘度の「タイプJ」が提供されています。
会場では、この冷却液を使用した小型の液浸サーバーも展示されていました。
日本では、2023年4月に施行された改正省エネ法により、一定規模以上のデータセンター事業者にエネルギー使用量の報告が義務付けられました。資源エネルギー庁は、2030年までにデータセンターのエネルギー効率を示す指標PUE(Power Usage Effectiveness)を1.4以下にする目標を掲げています。
これまでデータセンターのサーバーは主に送風や空調による「空冷」で冷却されてきました。しかし、どうしても結露やムラが出てしまい、ホコリなどによる機材の損傷につながることが課題でした。そこで近年は、地下水など水を使って冷やす「水冷」や、サーバーを専用の油(絶縁液)に浸けて冷却する「液浸冷却」といった新しい技術も登場しています。
液浸冷却の分野では、石油メーカーのENEOSがデータセンター向けのサーバー液浸冷却液「ENEOS IXシリーズ」を開発しています。日本向けには消防法に対応し、引火点250°C以上かつ低粘度の「タイプJ」が提供されています。
会場では、この冷却液を使用した小型の液浸サーバーも展示されていました。
ENEOSはサーバーを専用の油で効率良く冷やす液浸冷却液を開発
展示会場の外で行われた基調講演やカンファレンスでも、環境やエネルギーの問題は重要なテーマとして取り上げられていました。人材育成や投資のあり方といったトピックスと合わせてさまざまな意見やアイデアが議論されていました。こうした議論が、今後のハイパフォーマンスコンピューティングの発展につながっていくか注目されます。

野々下 裕子(NOISIA)
テックジャーナリスト
神戸を拠点に国内外のテック系イベントやカンファレンスの取材、インタビュー、リサーチなどを幅広く行う。オンラインメディアを中心に執筆多数。













