「これはやる意味があるのか?」と言われたことも
——働きがい認定を取得する上で苦労したことは。
<木村>
今回、申請から認定を受けるまでの準備を、外部のコンサルタントなどに頼らず全て自分たちでやりました。組織を育てていくことにつながる取り組みですから、自分たちの手でやりたいと思っていました。
とはいえ、これまで「働きがい」という視点から本格的な組織づくりをしたことはありませんでしたし、パートナーに対してどんなアプローチが必要なのかも全部手探りでした。
——働きがいを考える上でヒントになったことは。
<木村>
GPTWが推奨する「働きがいのある会社」を構成する重要な要素が、現在は5つあります。従業員とリーダーの信頼を構成する「信用」「尊重」「公正」、そして従業員と仕事の関係性を表す「誇り」、最後に従業員とチームの関係性を表す「連帯感」。これらの要素を解説する本を読み込んで勉強したり、「パートナー同士で感謝を伝え合う取り組みをしたら、働きがいにつながる5つの要素が上がるんじゃないか」といった仮説を立ててチームみんなで検討したり。
<中村>
施策を検討・企画し、実行して、実行後はアンケート調査で効果や変化を検証する。こういうアクションをいくつもやり続けました。想像以上に大変でした。
<木村>
特にGMOデジタルラボは複数の拠点(札幌、仙台、新潟、静岡、東京)があります。そして拠点ごとに職域も在籍人数もバラバラです。そうすると「オフラインでコミュニケーションを取ろう!」というオフラインイベントを各拠点でやると、「パートナーが数十人いる札幌拠点」と「まだ片手で数えるくらいのパートナー数の新潟拠点」では、規模も雰囲気も、効果も当然違います。札幌は大いに盛り上がったけれど、別拠点ではこぢんまり……といった日も、あったと思います。
<中村>
パートナーからは「これはやる意味があるのか」といった厳しい意見もたくさんもらいました。
<木村>
今回、申請から認定を受けるまでの準備を、外部のコンサルタントなどに頼らず全て自分たちでやりました。組織を育てていくことにつながる取り組みですから、自分たちの手でやりたいと思っていました。
とはいえ、これまで「働きがい」という視点から本格的な組織づくりをしたことはありませんでしたし、パートナーに対してどんなアプローチが必要なのかも全部手探りでした。
——働きがいを考える上でヒントになったことは。
<木村>
GPTWが推奨する「働きがいのある会社」を構成する重要な要素が、現在は5つあります。従業員とリーダーの信頼を構成する「信用」「尊重」「公正」、そして従業員と仕事の関係性を表す「誇り」、最後に従業員とチームの関係性を表す「連帯感」。これらの要素を解説する本を読み込んで勉強したり、「パートナー同士で感謝を伝え合う取り組みをしたら、働きがいにつながる5つの要素が上がるんじゃないか」といった仮説を立ててチームみんなで検討したり。
<中村>
施策を検討・企画し、実行して、実行後はアンケート調査で効果や変化を検証する。こういうアクションをいくつもやり続けました。想像以上に大変でした。
<木村>
特にGMOデジタルラボは複数の拠点(札幌、仙台、新潟、静岡、東京)があります。そして拠点ごとに職域も在籍人数もバラバラです。そうすると「オフラインでコミュニケーションを取ろう!」というオフラインイベントを各拠点でやると、「パートナーが数十人いる札幌拠点」と「まだ片手で数えるくらいのパートナー数の新潟拠点」では、規模も雰囲気も、効果も当然違います。札幌は大いに盛り上がったけれど、別拠点ではこぢんまり……といった日も、あったと思います。
<中村>
パートナーからは「これはやる意味があるのか」といった厳しい意見もたくさんもらいました。
「働きがい」をつくるために、まずは「やってみよう」
——そういった課題は、どのように乗り越えていったのですか。
<中村>
ひたすらトライ・アンド・エラーを重ねました。
一番印象に残っている企画は「感謝の気持ちを社内ポイント化して、いろんな特典と交換できる」という福利厚生の仕組みを、自分たちでシステムから作ったことです。これは反響も良く、やって良かった取り組みの1つですね。
この仕組みは、普段は面と向かって言えない、意識しないと伝えられない「感謝」をポイント化して相手に贈るというものです。ちょっとしたことや仕事で助けられたことなどでの「ありがとう!」を伝え合います。すると伝える側も伝えられる側も気持ち良く働けるんですよね。「認め合う文化」の醸成につながりました。
あとは会社全体で「運動会」をやりたいなと考えたこともありました。とはいえ私たちの拠点は札幌から東京までバラバラですから、実際に集まって運動会を開くのは現実的じゃない。そこで考えたのは、各自で一定期間内の歩数を計測して、誰が一番歩いたかを競い合い、上位者には表彰を行う、というオンラインのイベントでしたね。
ボツになる企画、クローズする企画もたくさんありますが、まずは「やってみよう」と行動することを推奨しています。
<吉田>
GMOデジタルラボでは「働きがい向上」のために、社内のパートナーがさまざまな役割の「サークル」を作り、表彰やイベントを企画したり、学びの環境を整えたり、福利厚生の制度づくりを進めています。
<中村>
ひたすらトライ・アンド・エラーを重ねました。
一番印象に残っている企画は「感謝の気持ちを社内ポイント化して、いろんな特典と交換できる」という福利厚生の仕組みを、自分たちでシステムから作ったことです。これは反響も良く、やって良かった取り組みの1つですね。
この仕組みは、普段は面と向かって言えない、意識しないと伝えられない「感謝」をポイント化して相手に贈るというものです。ちょっとしたことや仕事で助けられたことなどでの「ありがとう!」を伝え合います。すると伝える側も伝えられる側も気持ち良く働けるんですよね。「認め合う文化」の醸成につながりました。
あとは会社全体で「運動会」をやりたいなと考えたこともありました。とはいえ私たちの拠点は札幌から東京までバラバラですから、実際に集まって運動会を開くのは現実的じゃない。そこで考えたのは、各自で一定期間内の歩数を計測して、誰が一番歩いたかを競い合い、上位者には表彰を行う、というオンラインのイベントでしたね。
ボツになる企画、クローズする企画もたくさんありますが、まずは「やってみよう」と行動することを推奨しています。
<吉田>
GMOデジタルラボでは「働きがい向上」のために、社内のパートナーがさまざまな役割の「サークル」を作り、表彰やイベントを企画したり、学びの環境を整えたり、福利厚生の制度づくりを進めています。
会社を良くすることは、誰にでもできる
——サークルというのは、大学の「テニスサークル」や「映画サークル」のようなものでしょうか。
<木村>
確かに「サークル」っていうと、そういうイメージになりますよね。ですが違います。
<吉田>
ホラクラシー型の組織は、従来の上司や部下などに象徴される縦割り階層の「部門」ではなく、「サークル」と呼ばれるチームで構成されています。サークルは、その目的に合わせて必要なパートナーをアサインすることができて、個々の能力を最大限発揮できる柔軟性の高い組織になっています。
例えば、最近「セルフマネジメント分科会」というサークルが発足しました。「みんなにセルフマネジメントの意味と大切さを浸透させよう」をテーマに社内への呼びかけを行い、有志が集まって、企画・活動を始めています。
あとは、サークルとしてではありませんが、現在GMOデジタルラボのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)のうち「バリュー」を新しく作っています。目的に向かってさまざまな組織の人が横断的に集まって1つのことを進めて行きやすいところも特徴的ではないかと思います。
——一般的な会社だと専用の部署がありますが、それを有志のサークルが担っているのですね。
<吉田>
そうです。それぞれのパートナーがすべて業務として就業時間内に取り組んでいます。もちろん各自の本来の仕事の目標を達成することは大前提で、そこにプラスする形で、自発的にサークルに参加できます。参加する場合は業務とのバランスを考え、負荷がかかりすぎないような調整を各自で行います。
本業以外のサークルへの参加は、社歴・経験などの制約・条件はありません。入社間もない人も、社歴20年を超える大ベテランでも、会社を成長させるための意志決定に参加することができます。お互い忖度せずに、同じ目的に向かって活動するんです。
「会社を良くすることは、誰にでもできますよ」という考え方で、みんな取り組んでいます。
<木村>
確かに「サークル」っていうと、そういうイメージになりますよね。ですが違います。
<吉田>
ホラクラシー型の組織は、従来の上司や部下などに象徴される縦割り階層の「部門」ではなく、「サークル」と呼ばれるチームで構成されています。サークルは、その目的に合わせて必要なパートナーをアサインすることができて、個々の能力を最大限発揮できる柔軟性の高い組織になっています。
例えば、最近「セルフマネジメント分科会」というサークルが発足しました。「みんなにセルフマネジメントの意味と大切さを浸透させよう」をテーマに社内への呼びかけを行い、有志が集まって、企画・活動を始めています。
あとは、サークルとしてではありませんが、現在GMOデジタルラボのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)のうち「バリュー」を新しく作っています。目的に向かってさまざまな組織の人が横断的に集まって1つのことを進めて行きやすいところも特徴的ではないかと思います。
——一般的な会社だと専用の部署がありますが、それを有志のサークルが担っているのですね。
<吉田>
そうです。それぞれのパートナーがすべて業務として就業時間内に取り組んでいます。もちろん各自の本来の仕事の目標を達成することは大前提で、そこにプラスする形で、自発的にサークルに参加できます。参加する場合は業務とのバランスを考え、負荷がかかりすぎないような調整を各自で行います。
本業以外のサークルへの参加は、社歴・経験などの制約・条件はありません。入社間もない人も、社歴20年を超える大ベテランでも、会社を成長させるための意志決定に参加することができます。お互い忖度せずに、同じ目的に向かって活動するんです。
「会社を良くすることは、誰にでもできますよ」という考え方で、みんな取り組んでいます。
「私も会社が好きです。“GMOデジタルラボを好き”と思ってくれる人を増やしたい(お休みの日は子どもと餃子を作るのが好き)」と答える吉田氏
——ちなみにサークルに参加していることは、社内での人事評価にプラスに作用するのでしょうか。
<吉田>
評価は、自分で立てた目標に対しての達成度や、コンピテンシー評価を自分で行います。サークルの活動でコンピテンシー評価に反映されるものもあります。
<木村>
まず自分自身で「目標を達成したかどうか」を評価し、それをサークルリード(マネージャー)と第三者でレビューを行い、評価が決定します。評価が良かったら給料は上がりますし、悪かったら下がることもあるでしょう。
——徹底して自己完結なのですね。
<木村>
珍しい仕組みだと思います。もちろん破綻しない制度設計にはしています。それに、そもそもの話、会社としてはパートナーを信頼しています。「無茶なことはしないだろう」と信じて、任せています。
<吉田>
評価は、自分で立てた目標に対しての達成度や、コンピテンシー評価を自分で行います。サークルの活動でコンピテンシー評価に反映されるものもあります。
<木村>
まず自分自身で「目標を達成したかどうか」を評価し、それをサークルリード(マネージャー)と第三者でレビューを行い、評価が決定します。評価が良かったら給料は上がりますし、悪かったら下がることもあるでしょう。
——徹底して自己完結なのですね。
<木村>
珍しい仕組みだと思います。もちろん破綻しない制度設計にはしています。それに、そもそもの話、会社としてはパートナーを信頼しています。「無茶なことはしないだろう」と信じて、任せています。
「会社が好き」がみんなを巻き込む
——パートナー各人がサークル活動を続けるモチベーションは何でしょうか。
<中村>
「熱意」だと思います。
最初に立ち上げたサークルはGPWTジャパンの認定が目的でした。木村や私もそのメンバーです。サークル名は「ワクワク」と「仕事(WORK)」を組み合わせて「ワクWORK ROOM」と名付けて、GMOデジタルラボのパートナーのうち10%に相当する8名で、あれこれ取り組みを始めました。
ただワクWORK ROOMが始動したばかりの頃は、サークルからの一方的な発信が多かったなと思います。でも、とにかくみんなを巻き込む空気を作っていくことを地道に続けました。学ぶ機会を作り出したり、お祝いの場を設けたり。
GMOデジタルラボの拠点は札幌から東京まで複数あって、パートナー同士の横のつながりを作ることも簡単じゃない。そのうえ業務時間も削りながら続けていくので、「これは何のためにやっているのか」を少し見失いそうになることもあるわけです。
でも「GMOデジタルラボという会社をもっと良くしたい」と思って集まったメンバーの、その熱意があったからこそ、6年間継続できて、文化づくりにつながったのだと思います。
<木村>
今になって振り返ってみると「会社が好き」だからできたことですね。
<吉田>
会社のカルチャーも「お祝いは全力で楽しむ」ことを大切にしているので、しらーっと白けた反応っていうのはなくて、そういうところにも支えられました。
<中村>
「熱意」だと思います。
最初に立ち上げたサークルはGPWTジャパンの認定が目的でした。木村や私もそのメンバーです。サークル名は「ワクワク」と「仕事(WORK)」を組み合わせて「ワクWORK ROOM」と名付けて、GMOデジタルラボのパートナーのうち10%に相当する8名で、あれこれ取り組みを始めました。
ただワクWORK ROOMが始動したばかりの頃は、サークルからの一方的な発信が多かったなと思います。でも、とにかくみんなを巻き込む空気を作っていくことを地道に続けました。学ぶ機会を作り出したり、お祝いの場を設けたり。
GMOデジタルラボの拠点は札幌から東京まで複数あって、パートナー同士の横のつながりを作ることも簡単じゃない。そのうえ業務時間も削りながら続けていくので、「これは何のためにやっているのか」を少し見失いそうになることもあるわけです。
でも「GMOデジタルラボという会社をもっと良くしたい」と思って集まったメンバーの、その熱意があったからこそ、6年間継続できて、文化づくりにつながったのだと思います。
<木村>
今になって振り返ってみると「会社が好き」だからできたことですね。
<吉田>
会社のカルチャーも「お祝いは全力で楽しむ」ことを大切にしているので、しらーっと白けた反応っていうのはなくて、そういうところにも支えられました。
GMOデジタルラボに入社したパートナーを囲む「入社お祝いランチ」の開催も、ワクWORK ROOMによるもの
——ちなみにワクWORK ROOMはGPTWジャパンの認定取得を達成して、解散したのでしょうか。
<木村>
いえ、活動は続けています。
<中村>
ワクWORK ROOMが働きがいをつくるために当初やっていたことは、現在は他のサークルが担ってくれています。そのサークルが網羅できていないところをワクWORK ROOMが埋めていくように活動しています。
<木村>
例えば、先日GMOデジタルラボが始まって以来初の「定年を迎えたパートナー」が出ました。これは盛大にセレモニーをやらねばとなりまして、ワクWORK ROOMでサプライズイベントを企画して、会社全体を巻き込んでお祝いしました。
祝われたパートナーがセレモニーに感動して泣くかな〜と思ったら、泣かなかった(笑)。泣かせたかったんですけどね(笑)。でも、やってよかったです。
やっぱり「やり続ける」ことが非常に重要だなと感じます。GPTWジャパンの認定は果たしましたが、ワクWORK ROOMはこれからも存在し続けて、企業文化を根付かせていきたいです。
——働きがいのある会社づくりは続いていくのですね。
<中村>
GPTWジャパンの認定はゴールではないんです。達成したものがずっと継続されていくかは、当然保証されていません。これからも自分たちで責任を持って、主体的に環境を整えて、チームのモメンタムを最大限に引き上げる組織にしていきたいです。
<木村>
これから先、組織が大きくなっていけば、働きがいをつくるために必要とされることも変わってくるはずです。ブラッシュアップが求められた時に、各サークルと一緒にワクWORK ROOMが機能するように、これからも活動を続けていきます。
そしてパートナーが自立するホラクラシーの組織で、世のため人のためになる事業にやりがいを感じて、1人ひとりの存在価値を引き出せる文化を目指していきます。
<木村>
いえ、活動は続けています。
<中村>
ワクWORK ROOMが働きがいをつくるために当初やっていたことは、現在は他のサークルが担ってくれています。そのサークルが網羅できていないところをワクWORK ROOMが埋めていくように活動しています。
<木村>
例えば、先日GMOデジタルラボが始まって以来初の「定年を迎えたパートナー」が出ました。これは盛大にセレモニーをやらねばとなりまして、ワクWORK ROOMでサプライズイベントを企画して、会社全体を巻き込んでお祝いしました。
祝われたパートナーがセレモニーに感動して泣くかな〜と思ったら、泣かなかった(笑)。泣かせたかったんですけどね(笑)。でも、やってよかったです。
やっぱり「やり続ける」ことが非常に重要だなと感じます。GPTWジャパンの認定は果たしましたが、ワクWORK ROOMはこれからも存在し続けて、企業文化を根付かせていきたいです。
——働きがいのある会社づくりは続いていくのですね。
<中村>
GPTWジャパンの認定はゴールではないんです。達成したものがずっと継続されていくかは、当然保証されていません。これからも自分たちで責任を持って、主体的に環境を整えて、チームのモメンタムを最大限に引き上げる組織にしていきたいです。
<木村>
これから先、組織が大きくなっていけば、働きがいをつくるために必要とされることも変わってくるはずです。ブラッシュアップが求められた時に、各サークルと一緒にワクWORK ROOMが機能するように、これからも活動を続けていきます。
そしてパートナーが自立するホラクラシーの組織で、世のため人のためになる事業にやりがいを感じて、1人ひとりの存在価値を引き出せる文化を目指していきます。
i4U編集部
i4U(アイ・フォー・ユー)は、新しい「情報」と「感動」と「笑顔」をお届けする、GMOインターネットグループのオウンドメディアです。有名メディアでの執筆・編集経験者による記事をお楽しみください。