いろんな対話型AIが選べる「Poe」を使って気軽にAI活用を始める方法

中野 亜希

複数のAIチャットを切り替えて使える

「ChatGPT」をはじめとするAIチャットは、まるで人間と話しているような対話形式でAIとユーザーがやりとりできるサービスです。しかし「どのサービスを使えばいいかよくわからない」「AIチャットに質問しても、自分の求める情報にたどりつかない」と感じている人も少なくないようです。

そんな人がAI活用を始めたいなら、おすすめしたいサービスがあります。それは「Poe」。

実名制のQ&Aコミュニティ・Quoraが運営するPoeは「ポー」と読みます。「Platform for Open Exploration」の略で、話題の「ChatGPT」を含む対話型AIツールをサービス内で切り替え、複数使えることが魅力のプラットフォームです。PoeはPC版だけでなく、スマホでも利用できます。ユーザー同士で質問と回答を共有でき、他のユーザーが共有している質問と回答を閲覧できる独自のメリットもあります。

機能面では、一般的なAIチャットサービスができることは、Poeもほとんど網羅しています。

例えば、

・質問への回答
・簡単な会話や挨拶などのコミュニケーション
・天気などの情報を提供する
・Web検索の結果を表示する
・文章の翻訳
・テキスト要約・文章生成
・コード作成

などが可能です。

加えて、ユーザーからの質問に対する回答に対し「次の質問をサジェストする」機能も。Poeに質問したことを、さらに別の切り口から掘り下げることができるよう、質問の例を提示してくれるのです。

Poeは無料で利用できますが、以下のいずれかのアカウントでサインインする必要があります。

・Appleアカウント ※iPhoneユーザのみ
・Googleアカウント
・電話番号

Poeは、PC版とスマホアプリで質問・回答の履歴を同期しています。そのため、PC版とスマホ版を併用する予定であれば、電話番号もしくはGoogleアカウントでの連携をしておくと便利です(Appleアカウントでも連携は可能です)。

早速使ってみよう

まずはPC版でログインしてみましょう。

ブラウザで、Poe公式サイト(https://poe.com/)にアクセスします。はじめにPoeへのサインインが求められるので、先ほど挙げたいずれかの種類のアカウントでサインインを行います。完了するとこのような画面が表示されます。
AIチャットとの会話は非公開ですが、AIチャットの下に「共有」ボタンがあります。任意の回答をLINEやGmail、Twitterなどにシェアすることが可能です。

左側のサイドバーに表示されているのが、Poeで使えるAIツールです。「アクセス制限あり」と表示されているAIチャットは、1日の質問回数に制限が設けられています。しかし、少ない回数とはいえ、どのAIチャットも1日あたり1~数回は無料で利用可能です。

加えて、サイドバーには「ボットを検索する」「ボットの作成」というメニューもあり、ここから自作のAIボットを作成したり、他人が作ったAIボットを利用することができます。

まずは、AIツールを選んでテキストバーに聞きたいことを入力してみましょう。音声入力も可能です。

Poeの大きな特徴は先述の通り、「複数のAIチャットを利用できること」です。それぞれのAIチャットには、どのような特徴があるのでしょうか。これをPoe自体で、ChatGPTを使って質問してみたいと思います。

「Sage、GPT-4、claude、ChatGPTの特徴をそれぞれ教えてください」と入力します。
すぐに回答が生成されました。AIチャットの種別ごとに、箇条書きでの回答になっていてわかりやすい! 濃いブルーの吹き出しが私の質問で、生成された回答が淡いグレーの吹き出しです。

以下は、Sage、GPT-4、Claude、およびCHATGptの特徴についての説明です。
1.   Sage:
Sage は、数学に特化した人工知能アシスタントで、数式やグラフを自動的に生成し、数学的な問題を解決することができます。Sage は、Python ベースのオープンソースの数学ソフトウェアであり、数学の研究者や学生にとって非常に便利なツールです。

2.   GPT-4:
GPT-4は、OpenAIが開発している次世代の自然言語処理モデルで、GPT-3の後継となるものです。GPT-4は、より高度な文章生成、より複雑な問題の解決、より正確な言語理解など、多くの改善が期待されています。

3.   クロード:
クロードは、音声認識と自然言語処理に特化した人工知能アシスタントです。 クロードは、音声に基づいて指示を受け取り、自然言語で対話することができます。 より自然な対話が可能になりました。

4.   CHATGpt:
CHATGptは、OpenAIが開発した人工知能アシスタントで、GPT-3の種類です。CHATGptは、自然な言語処理に特化しており、文章生成、文章の理解、応答の自動生成など、多くの自然言語処理タスクに使用できます。CHATGpt は、多様なドメインでの学習により、幅広い知識を持つことができます。


「Poeの中で、複数のAIチャットを切り替えて使えるといっても、何を基準に使い分けたらいいのか」という筆者の疑問を解消するには、十分な情報量の回答がありました。

さらに、Poeの特徴である「サジェスト機能」が、「次の質問」の候補をこのように提案してくれます。
漠然とした「もっと教えて」から、利用シーンを想定した詳しい質問まで、さまざまな深度・粒度の質問がサジェストされます。ひとつの質問から展開したほかの質問を読むだけでも、理解が深まりそうです。

このサジェストは自動で生成されます。「質問の候補を提示する機能」は先発の“Bingチャット”にもありますが、本家のChatGPTにはない機能なので、ガンガン使っていきたいところです。特定の会話結果のリンクを共有できるシェア機能は、既存のSNSとも相性がよさそうです。Poeは、先発のサービスの機能を「いいとこどり」して追加したような、魅力的なポイントが随所にあります。

また、ここでスマホアプリにログインしてみましょう。PC版で行ったやり取りはスマホアプリとも同期されており、このように先ほどのやり取りが表示されます。
サイドバーを表示するには、左上の三本線をタップします。使用するAIの切り替えができます。
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中野 亜希

ライター・コラムニスト
大学卒業後、ブログをきっかけにライターに。会社員として勤務する傍らブックレビューや美容コラム、各種ガジェットに関する記事執筆は2000本以上。趣味は読書、料理、美容、写真撮影など。
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